
「3階建て住宅を建てたい」
「でも3階建て住宅の価格相場がわからない」
3階建て住宅の価格相場がわからず、予算の目安をつけられずに困っていませんか?
住宅を建築する際、地域や建築会社によっても値段が大きく異なります。
具体的な金額は見積もりを取ってみないとわかりませんが、実際に建てられた住宅を参考にすればおよその金額がわかります。
今回は、実際に建築された3階建て住宅を3つ紹介します。
また、3階建て住宅を建てる際の注意点や、建築費のコストダウンのポイントも紹介します。
理想的な3階建てマイホームを建てて、家族で幸せな生活を過ごしていただければ幸いです。
目次
1.実際に建てられた3階建て住宅の価格と間取り3例
実際に建築された3階建て住宅を3例紹介します。
3階建て住宅の価格は、住宅を建てる地域や敷地面積、建設物価によって変わってきます。
今回紹介する3階建て住宅は、東京と神奈川県と都市部になりますので、建設物価が高い傾向にありますのでご留意ください。
また、構法、構造によっても建設費は大きく異なります。
都市部以外であれば、紹介した3階建て住宅よりも安く建築できるケースもありますので、事例の金額はあくまでも参考として見てください。
【①プライバシーと開放的な生活を実現した3階建て住宅】
・外観
シンプルな形状にすることで、建築コストを抑えた3階建て住宅です。
近隣家屋や道路からのプライバシーの確保するために、大きめの窓は上の階に設置されています。
・内観
住宅全体を開放的な空間にするために、無駄な壁を減らしています。
また、インナーバルコニー(建物内部にある屋根付きのバルコニー)と呼ぶスペースが各階に設けられていることで、部屋と部屋を行き来できるようになっています。
工法・構造 | 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造 |
建築面積 | 66.91m2 / 20.24坪 |
延床面積 | 181.26m2 / 54.83坪 |
工期 | 9ヶ月 |
坪単価※延床面積にて計算 | 96万円 |
建設工事費 | 5,300万円 |
建築地 | 神奈川県川崎市 |
竣工年 | 2009年 |
参照元:https://www.hng.ne.jp/corp_case221.html
【②狭小地に建てられた木造3階建て住宅】
・外観
ビルドインガレージが設置された木造3階建て住宅です。
バルコニーは、外部からの視線を遮るために、縦の格子を並べてプライバシーを確保しています。
・内観
リビングには大きな作り付けのテーブルが設置されており、家族全員が集まり、家族団らんを楽しむことができます。
また、写真はありませんが、屋上には芝生付きの小さな庭を設けられており、都市部にいながらも星空を眺めることができます。
工法・構造 | 木造軸組工法 |
建築面積 | 48.92m2 / 14.8坪 |
延床面積 | 137.88m2 / 41.3坪 |
工期 | 7ヶ月 |
坪単価※延床面積にて計算 | 92万円 |
建設工事費 | 3,800万円 |
建築地 | 東京都北区 |
竣工年月 | 2006年10月 |
参考元:https://www.hng.ne.jp/case_detail4-11.html
【③敷地条件を最大限生かした都市型の3階建て住宅】
・外観
こちらもビルドインガレージが設置された木造3階建て住宅です。
プライバシー保護のために、窓が小さく設計されています。
・内観
窓は小さいながらも、採光を考慮して、各部屋に多数の窓が設けられています。
そのため、部屋が暗くて困る心配はありません。
白色をモチーフにすることで、高級感のある住宅を演出しています。
工法・構造 | 木造在来軸組PIN工法 |
建築面積 | 不明 |
延床面積 | 107.18m2 / 32.42坪 |
工期 | 4か月 |
坪単価※延床面積にて計算 | 65万円 |
建設工事費 | 3000万円 |
建築地 | 神奈川県横浜市 |
竣工年 | 2017年 |
参考元:https://www.hng.ne.jp/case_detail689-3.html
2.3階建て住宅の建築費が高くなってしまう原因
3階建て住宅は、2階建て住宅や平屋と比べて、どうしても建築費用が高くなりがちです。
その要因は主に2つあります。
・構造計算費用
・地盤改良費用
・耐火、防火関連規定の適用増
・構造強度関連規定の適用増
1つずつ解説していきます。
2-1.耐火、防火関連規定の適用増
1つめは建築基準法上、耐火・防火に関する条文の適用が増えることによって仕様の要求が厳しくなるためです。
3階建て住宅は、2階建てや平屋住宅と比較して例え小規模な計画でも確認すべき関連条文が増えます。
多層になればなるほど火災になった時に避難距離が長くなり、火災時の危険度が増します。
そのため火災(類焼も含め)になりにくく、避難しやすい仕様とする必要があります。
2階建てや平屋の一般的な住宅では免除されていた規定でも3階建てになると適用をうけるものが出てくるのです。
それによって2階建て以下では必要なかった仕様や設備が必要となり、費用増となることがあります。
2-2.構造強度関連規定の適用増
2つ目は同じく建築基準法上、構造強度関連規定の適用が増えることです。
まず、木造3階建てになると建物を建てる前に必ず必要となる「確認申請」時に構造計算書を添付する必要があります。
構造計算では、
・許容応力度等計算
・保有水平耐力計算
・限界耐力計算
の計算を行います(木造の場合)
また、3階建て住宅は、2階建てや平屋よりも、建物そのものが重くなるため、より頑丈な基礎を支える地盤が必要となります。
地質によっては、地盤強度を上げるために改良工事を行う必要がある場合があります。
3.価格は高くなるが2階建てよりもメリットが大きい
3階建て住宅は2階建て住宅よりも価格が高くなる傾向にありますが、メリットもたくさんあります。
・各階ごとに生活空間が区切られるため、家族間のプライバシーが守られる
・構造計算が行われるため、耐震性が信頼できる
・狭小地でも住居スペースが広くなる
・主な住居空間を2階以上にすることで水害対策になる
・建物が高くなるため、日当たりが良くなる
・建物が高くなるため、風通しが良くなる
・上層階ほど入ってくる虫が少ない
・ベランダからの見晴らしがいい
特に都市部などの狭小地に住宅を建てる場合は、3階建てを建てた方が、居住スペースを広く確保することができます。
せっかくマイホームを建設するのであれば、快適な空間で生活したいですよね。
4.3階建て住宅を建築するときに意識すべき3つの注意点
3階建て住宅を建築するときに意識すべき注意点が3つあります。
・実績が多い施工業者を選ぶ
・住宅構造によって価格や耐震性が異なることを理解しておく
・土地を購入する前に地盤調査を行う
1つずつ解説していきます。
4-1.地元工務店を選ぶ
3階建て住宅を建築する場合は、地元工務店を選ぶようにしましょう。
「住宅を建てる」となると大手ハウスメーカーや大手工務店を思い浮かべるかもしれませんが、地元工務店よりも工事費が高くなる傾向にあります。
地元工務店は地域ごとに多数存在しているため、「地域名+工務店+おすすめ」や「地域名+工務店+一覧」と検索して、あなたの地元にある工務店を探してください。
ちなみに、最初から1つに絞るのではなく、複数の工務店に相談した上で、納得が行く工務店に依頼するようにしてください。
そうすることで費用を比較することもでき、自分が納得できる地元工務店に依頼することができます。
▼こちらの記事を是非参考にしてみてください▼
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4-2.構造によって価格や特徴が異なることを理解しておく
3階建て住宅は、構造や工法によって、その長所短所や建築にかかる費用が大きく異なります。
構造や工法には以下の種類があります。
構造
・木造
・S造(鉄骨造)
・RC造(鉄筋コンクリート)
工法
【木造】軸組工法、壁式工法
【S造】鉄骨軸組工法、重量鉄骨ラーメン工法
【RC造】コンクリート現場打ち工法、プレキャストコンクリートパネル工法
一般的に建築工事費は高い順に「RC造(鉄筋コンクリート造)→S造(鉄骨造)→木造」となることが多いです。
住宅の構造や工法によって価格や特徴が異なることを理解しておいてください。
4-3.土地を購入する前に地盤調査を行う
土地を新規に購入する場合は、可能であれば事前に地盤調査を行いましょう。
なぜなら、購入後に地盤調査を行い、基準を満たしていないと、2-2で解説した「地盤改良費用」がかかってくるからです。
最初から良好な地盤の土地を購入したほうが、追加で地盤改良を行う必要もなくなることはいうまでもありません。
ただし、「地盤の良さ」だけを土地購入の決め手にするわけにはいきませんが。
地盤調査にも数万円ほどの費用がかかりますが、ハウスメーカーや工務店の中には、無料で地盤調査を行ってくれる会社もあります。
土地を購入する場合は、一度、建築設計事務所、ハウスメーカーや工務店に相談することをおすすめします。
5.3階建住宅の建築費をコストダウンする7個のポイント
最後に少しでも建築費用を下げるためのポイントを紹介します。
3階建て住宅は建築費用が高くなりやすいため、少しでも安くするために意識するようにしてください。
▼費用についてこちらに詳しく書いています▼
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5-1.床面積を減らす
建築費用を抑えるために、床面積を減らすのは一つの方法です。
床面積とは建物の各階の床面積の合計です。
参考元:https://paintstyle.jp/nobeyukamenseki/
床面積が広いほど、施工する床面積(工事を行う部分の面積)が大きくなります。
特に3階建ては2階建てよりも床面積が増えるケースが多いため、結果としてトータルの建築費用が高くなりがちです。
建築費用が高額になってしまった場合は、床面積を減らすことができないか、もう一度自身の生活を見つめなおして、すべてが本当に必要な部屋なのか検討してみましょう。
5-2.家の形や屋根の形をシンプルにする
建築費用を抑えたい場合にはできるだけシンプルな形状にしましょう。
住宅の形状が複雑になればなるほど、柱や壁の面積が増え、工事も複雑になり、建築費用が高くなってしまいます。
参考元:http://myhome-i.net/gallery/tags/%E5%A4%96%E8%A6%B3?page=6
たとえば写真のようなシンプルな形状にすれば、材料や人件費削減にも繋がります。
また、2階建て+ロフトの実質3階建て住宅にすれば、床面積の削減にも繋がり、費用を抑えることができます。
収納スペース確保のために3階建て住宅を検討している人は、「2階建て+ロフト」も一つの選択肢です。
5-3.不要な廊下を削る
廊下の面積を最小にすることも、建築費用を抑える効果があります。
例えば、下記の間取りは2階の廊下が小さくなるようにした例です。
廊下を削れば、床面積の縮小につながります。
廊下スペースはどんな住宅でも0.5坪ほど削減できることが多いので、間取りを確認して、無駄な廊下スペースがないか確認しましょう。
5-4.リビングイン階段にする
リビングイン階段にすることで、廊下の面積を減らすことができ、建築コストを削減できます。
また、写真のような構造にすれば、壁も減らすことができ、壁を作るのに必要な材料費も抑えることができます。
リビングイン階段:リビング内に階段が設けられた設計のこと
5-5.キッチンとダイニングを繋げる
キッチンとダイニングを繋げることでも、コスト削減できます。
なぜなら、キッチンとダイニングの間に壁を設けなくて済むからです。
キッチンとテーブルの移動も減り、後片付けも楽になるメリットもあります。
5-6.バス・洗面台・トイレを一箇所にまとめる
バス・洗面台・トイレなどの水回りを一箇所にまとめることで、排水管の長さを短くすることができ、材料費と工事費を安くすることが出来ます。
1階と2階や2階と3階などにトイレがある場合も、上下で同じ位置に配置すれば、排水管の長さが短くなり、コストを安くおさえる事ができます。
材料費や工事費のコストを少しでも安くするためにも、水回りは1ヶ所に集めるようにしましょう。
5-7.ビルトインガレージ(駐車場)は設置しない
工事費削減を最優先にするのであればビルトインガレージは、できるだけ設置しないようにしましょう。
ビルトインガレージを設置すると、1階部分の耐震性を上げるために、建築費用が割高になってしまうからです。
車を所有していて駐車スペースがない場合は、ビルトインガレージを設置する必要がありますが、敷地内に駐車スペースが確保できるのであればできるだけ設置しないようにしたほうがコスト上は有利です。
6.まとめ
3階建て住宅の実例やコストダウンのポイントを紹介しました。
3階建て住宅は、耐火防火対策や構造強度確保などが原因で、2階建てや平屋の住宅よりも建築費用が高くなりやすいです。
また、都市部ほど、建設物価も高くなります。
東京や大阪周辺の都市部にお住まいの方は3,000万円から5,000万円程度を目安に考えておきましょう。
実際の金額は見積ってみないとわかりませんので、いくつかの依頼先をピックアップして、見積りを取ってみてください。
また、予算を大幅に上回ってしまった場合は、コストダウンできないか検討してみてください。
今回の記事を参考にして、理想的なマイホームを建てていただければ幸いです。
▼次にぜひお読みいただきたい記事です!▼
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