これでもめない、後悔しない。家を建てる前にする4つのこと

一戸建て計画

家を建てようと決めたものの、何をしたらいいのかわからず、準備が進まないままになっていませんか?

家は、人生における最も大きな買い物の一つです。それだけに、安易に契約することはできませんし、後悔もしたくありません。そうなるとなおさら、しっかり検討を重ねてから、自信を持って決断したいところです。

しかし、情報を調べてみても、初心者には難しい情報も多々あります。どこから手を付けたらよいのか、迷ってしまっている方も多いのではないかと思います。

そこでこの記事では、家を建てる前にやるべきことを、1つ1つ順を追って説明していきます。何をどのように考えればいいのか具体的に説明していきますので、自分が今やるべきことがはっきりわかり、行動に移すことができます。

さらにこの記事では後悔せずに家を建てるためのポイントも3つ紹介しています。この3つのポイントに気をつけて家づくりを進めれば、「やるべきことはやった」「もう大丈夫」と自信を持って家を建てられるはずです。

あなたの思い通りの家を建てる第1歩として、この記事が参考になれば幸いです。

1.家を建てるまでの流れ

家の模型

家を建てるまでの大まかな流れは、以下の通りです。
全体の流れを最初に把握しておけば、これからやるべきことが明確になり、自信を持って家づくりに臨むことができます。
後悔のない家を建てるためにも、以下の流れを頭に入れておきましょう。

①家のイメージを明確にする

新居でどのような暮らしがしたいのか明確に思い描きます。
新しく建てる家の間取りや外観などのイメージをふくらませていきます。

②予算を立てる

家を建てる際に必要なお金について理解します。
手持ちの資金や返済可能額を確認して、予算を立てます。

③土地を探す(まだ土地を取得していない場合)

どのような場所に住みたいのか明確にします。
土地選びの際に必要な知識を得ておきます。

④業者を探す

どのような業者がいて、どんなやり取りをするのか把握します。
自分が建てたい家に合う業者選びのコツを知っておきます。

⑤契約、工事開始
⑥確認、引き渡し、入居

この中で、家を建てる前の段階にあたるのが①~④です。この4つのプロセスを1つ1つ丁寧に行っていくことで、納得のいく家づくりが実現するのです。

それでは次章からは、①~④について詳しく説明していきます。

2.家のイメージを明確にする

設計図

まずは、どのような家が建てたいのか、イメージしていきます。
具体的なイメージがあればあるほど、家族や業者とイメージを共有しやすく、失敗も少なくなります。

以下の点について、時間をかけてじっくりと考えてみてください。

2-1 どんな暮らしがしたいのか

新しい家でどのような暮らしがしたいのか明確にします。
この点を最初の段階ではっきりさせておくと、家づくりの考えの軸になってくれます。後から間取りや設備などに悩んでも、ぶれずに選択ができるのです。

例えば、「子どもが生まれて、今住んでいる家が手狭になった」という理由であれば、おそらく「家族みんなでもっと広々と暮らしたい」といったことでしょう。「子ども部屋が欲しい」とか、「家族みんなが集まってもゆったり過ごせるリビングが欲しい」という想いもあるかもしれません。

その他、今暮らしている住居に対して何らかの不満があったり、改善したい点があったりするのかもしれません。一通り洗い出すとともに、不満が解消された理想の暮らしを思い描いてみてください。

あなたが家を建てたいと思った理由を掘り下げてみると、求める暮らしのイメージがはっきりしてくるはずです。

2-2 どんな家に住みたいのか

家全体のイメージを思い描いていきます。住みたい家のイメージが決まると、建築を依頼する業者も自然と絞られていきますので、外観や雰囲気など、具体的に考えていきましょう。

あなたが住みたいのは、木造で重厚感のある和風の家でしょうか。それとも、モダンな外観の洋風の家でしょうか。
吹き抜けがあって明るい家を建てたい方、大きな庭のある家に憧れのある方。キッチンにこだわりのある方もいるかもしれません。それぞれ、建てたい家のイメージはさまざまだと思います。
また、耐震やエコ、バリアフリーなど、機能的に譲れない点があるという方もいるでしょう。

2-1で考えた暮らしのイメージとセットで考えると、建てたい家のイメージが明確になってくるのではないでしょうか。

2-3 どんな間取りが良いのか

家全体のイメージが決まってきたら、間取りを考えてみます。
毎日暮らす部屋の間取りは、生活の快適さに直結するため、重要です。日々の生活や将来的なライフスタイルの変化などをシミュレーションしながら、決めていく必要があります。

例えば、仕事や趣味のための部屋が欲しい方もいるかもしれません。子どもが大きくなってきたので個室を用意したいというご家庭もあるでしょう。まずは、必要な部屋の種類と数をリストアップしてみてください。

そして、暮らしやすい家にするためには、部屋を行き来する際の動線が大切です。例えば、洗濯機と物干しスペースが離れていると毎日の家事が大変。なるべく近くに配置したいところです。

ある程度間取りのイメージが浮かんだら、生活の中で家族1人1人がどのような動きをするか、実際に間取り図に線を引いて確認してみるとよいでしょう。これは実際やってみると案外難しい作業です。建築を依頼する予定の工務店の建築士などにアドバイスをもらいながらすすめるのもおすすめです

2-4 イメージを固めるために情報収集する

建てたい家を思い描くために、以下の3つの方法を使って情報収集をします。
頭の中だけで思い描いているのと実物を見るのでは、イメージできる範囲が大きく異なります。実際の家や写真、間取り図などをたくさん見ることで、2-1~2-3で紹介した3点を具体的にイメージしやすくなります。
以下のような方法で情報収集をしてみてください。

2-4-1 不動産情報サイトをチェックする

さまざまな不動産情報サイトをチェックして、できるだけ多くの家の情報に触れてみてください。
不動産情報サイトでは、どんな家がどのぐらいの予算で建つのか、どのような間取りの家があるのか、さまざなな物件情報を手軽に入手することができます。
自分のイメージに近い物件が見つかったら、スクリーンショットを残したり印刷したりして、参考資料として保存しておくとよいでしょう。

2-4-2 資料請求をしてみる

ハウスメーカーなどの業者に問い合わせて、資料を取り寄せるのも1つの方法です。
実物を見られるわけではありませんが、自宅でじっくりと写真を見ながら、家のイメージをふくらませることができます。

このとき、複数の業者から資料を請求することをおすすめします。家のイメージを固めるためだけでなく、業者の対応や特徴なども把握することができます。業者選びのためにも、資料請求は必須なのです。

2-4-3 住宅展示場や見学会に足を運ぶ

住宅展示場や見学会で、実際に建てられた家を見てみるのも、大切な情報です。
想像と実物はどうしても違ってしまうものです。実際の家を見ることで、「ここはこういう感じが良い」「ここはちょっと違うかも」と、建てたい家のイメージを絞り込むことができます。

また、現地で担当者に直接話を聴いたり相談したりすることもできます。信頼できる業者かどうか確認するためにも、担当者に直接会える機会は貴重です。もしイメージ通りの家が見つかったのであれば、その場で話を進めることも可能です。

3.予算を決める

家とお金

イメージ通りの家を建てられるかどうかは、予算次第という面もあります。家を建てるための予算を決めましょう。
家は大きな買い物ですので、資金計画はとても重要です。金銭的に無理をしてしまうと、将来的に生活が苦しくなってしまうおそれもありますので、注意が必要です。

そこでまず、家を建てるために必要なお金を知ることから始めましょう。そして、具体的に予算を計算してみます。さらに、補助金制度が使える場合もありますので、代表的なものを紹介します。

予算が固まると、家づくりのプランがより具体的になっていきます。お金のことをしっかり理解し、家づくりをさらに1歩進めていきましょう。

3-1 家を建てるために必要なお金を知る

まず、家を建てる際にかかる費用について知っておきましょう。
家を建てるためには建物と土地の費用が必要ですが、それだけではありません。他にもさまざまな費用が発生するのです。

以下が、一般的に家を建てるために必要な費用です。

・家の本体工事費
・別途工事費(地盤強化の工事、外構工事など。状況に応じて追加される)
・諸経費(仲介手数料や印紙代、火災・地震保険料、引っ越し代など。家の価格の1~2割が目安)
・(土地も購入する場合は)土地取得にかかる費用

これを自己資金住宅ローンで支払うことになります。

3-2 予算を把握する

家を建てるために使えるお金はいくらなのか、予算を把握しておきます。家を建てる場合、ローンを借りて長期的にお金を支払う方がほとんどだと思いますので、生活のことも考えながら、無理なくやりくりできる予算を立てることが重要になります。

予算は、①自己資金②ローン借入額の合計額です。それぞれ以下のようにして明確な金額を割り出し、家を建てるための予算を把握しましょう。

①自己資金
預貯金など手持ちの資産のうち、家を建てるために使用して問題ない金額を割り出します。
生活のための予備費や、子どもの学費、老後の積み立てなど、家以外にも必要なお金があるはずです。その分はきちんと取り分けておきましょう。
また、親から資金援助が得られる場合は、それも自己資金として加えておきます。

②ローン借入額
次に、十分に生活が成り立ち、無理なく返済できる住宅ローンの借入額を考えます。
現在支払っている家賃を目安に考えてみるとよいでしょう。現在、ある程度ゆとりのある生活ができているでしょうか。そうであれば、家賃と同程度の返済が可能だと考えられます。逆に、現在生活が苦しいのであれば、家賃よりも返済額を安くしなければなりません。

なお、ローンを組む際は、つい「いくら借りられるのか」を考えがちですが、「借りられる額」と「返せる額」は同じとは限らないことに注意が必要です。
家を買うと、購入後に賃貸にはかからなかった税金や維持費も発生します。「ちょっと頑張れば返せるはず」などといった背伸びはせず、十分に余裕を持った返済額を考えましょう。

住宅ローンのシミュレーションサイトを使うと、借入可能額などの具体的な数字が得られます。
※参考:住宅保証機構 住宅ローンシミュレーション
https://www.hownes.com/loan/sim/

①と②を合計すると、家と土地に使える予算がわかります。

3-3 補助金について知る

家を建てる際、条件に該当すればもらえる補助金があります。少しでも給付があると予算が増えて、家を建てる際の選択の幅が広がります。
あなたが新しく建てる家に該当しそうなものがありましたら、詳細を確認のうえ、申請することをおすすめします。

ここでは、代表的なものを3つ紹介しておきます。

・すまい給付金

http://sumai-kyufu.jp/
消費税率が8%の場合:収入額の目安が510万円以下の人に最大30万円を給付
消費税率が10%になった場合:収入額の目安が775万円以下の人に最大50万円を給付

・地域型住宅グリーン化補助金
http://chiiki-grn.jp/
省エネルギー性能や耐久性等に優れた木造住宅を対象に、最大140万円を給付

・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業
http://sii.or.jp/meti_zeh30/
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの定義を満たす住宅を建てると最大70万円を給付

それぞれ補助金交付条件が定められていますので、詳しくは各サイトを参照してください。

また、地方自治体で補助金が用意されている場合もあります。お住まいの自治体や業者に問い合わせてみてください。

4.土地を探す

建設敷地

土地を持っていない場合は、土地の購入もあわせて必要になります。
どんなことを考慮して土地を選べばよいのでしょうか?
本章では、土地を探すときに考慮すべき3つの条件と、土地選びに際して知っておくべき3つのことを紹介します。
この情報を知っておかないと、せっかく土地を買っても思うような家が建てられないおそれもあります。土地の購入も必要な場合は、以下の内容を事前に頭に入れたうえで土地を探すようにしましょう。

4-1 どんな立地に住みたいのか

まず、住みたい場所について考えます。場所が決まれば、エリアを絞って具体的に土地を探すことができます。

住みたい街が具体的に決まっている人もいるかもしれません。また、多くの人が考慮するのは、通勤・通学にかかる時間でしょう。会社や学校まで何分以内なら許容範囲でしょうか。
電車やバスなどの公共交通機関を利用するのであれば、運行本数によっても利便性は大きく異なります。また、車での移動が多くなるようであれば、周辺の道路の混雑状況や整備状況に左右されます。

通勤・通学時間にこだわるのであれば、周辺の交通事情まで詳しく調べたうえで立地を選ぶのがおすすめです。お子さんが学齢の場合はお子さんが通うことになる学校・学区の情報もとても重要な要素です。

4-2 周辺環境は整っているか

毎日の生活のために必要な施設が周辺に揃っているかどうかを確認します。土地を決めて家を建てるということは、その土地で生活するということです。実際の日常生活を思い浮かべながら確認してみましょう。

例えばスーパー等の商業施設、銀行や郵便局、病院などは、できるだけ近くにあったほうが便利でしょう。また、治安や騒音なども気になるところです。実際に街を歩いて様子を知っておく必要があります。
また、街のイメージは日中と夜間で異なる可能性もあります。もし土地を購入したい地域が見つかったら、昼間だけでなく日が落ちて暗くなった後の時間帯にも、足を運んでみることをおすすめします。

4-3 日当たり、水はけ、地盤など

日当たりや、水はけ地盤など、土地の状態も気にしなければなりません。いくら立地や周辺環境が良くても、即決してしまうのは危険なのです。
例えば、近隣にビルやマンションが建っていると、日差しが遮られてしまうことがあります。日当たりが悪くならないかどうか周辺を確認する必要があります。

また、例えば、水はけの悪い土地は、台風やゲリラ豪雨などで大雨が降ると、水が溜まってしまうおそれがありますし、いつまでも乾かないと湿気による被害も懸念されます。地盤の弱い土地であれば地震が起きたときが心配ですし、追加の工事を行わなければ家を建てられません。

素人が土地の状態を完璧に判断することは難しいですが、洪水や地震などの際の危険度をハザードマップで調べてみると、土地の状態がある程度把握できます。

※参考:国土交通省ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/

4-4 土地選びの際に知っておくべきこと

土地を選ぶ際には、注意しなければならないことが大きく3つあります。
これらを知らずに土地を購入してしまうと、思うような家が建てられなかったり、余計な出費が生じてしまう場合があります。
立地や周辺環境ばかりに惑わされることなく、以下の点にも注意しながら土地選びを行いましょう。

4-4-1 土地の用途や建築制限について知っておく

土地の用途や建築制限について知っておく必要があります。
これによって建てられる家が変わってくるためです。

まず、土地には「用途地域」が定められています。用途地域とは、住居、商業、工業など、土地の使いみちの大枠を決めるものです。詳しくは、以下を参考にしてください。

※用途地域による建築物の用途制限の概要(UR都市機構)
https://business.ur-net.go.jp/youto.html

用途地域には13種類あり、「工業専用地域」以外であれば家を建てることができますが、しかし、用途地域によって周辺環境も大きく異なりますので、どんな環境で暮らしたいのか、よく考えてから土地を選ぶ必要があります。

例えば「商業地域」は、大型の商業施設やパチンコ店などの遊戯施設、マンションやビルなども建設可能な地域です。この地域に家を建てると、店舗が充実した環境で暮らせる一方、夜になっても周辺が騒がしかったり、高い建物に遮られて日当たりが悪くなったりするおそれがあります。
閑静な住宅地で穏やかに暮らしたいのであれば、「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」を選ぶとよいでしょう。2階建て程度の住宅・アパートが主体になるため、騒音や日当たりの悪さに悩まされる可能性が低くなります。

同時に、敷地面積に対する建築面積の割合である「建ぺい率」や、敷地面積に対する延床面積の割合である「容積率」も気にする必要があります。
建ぺい率も容積率も限度が定められており、家の面積に制限がかかります。土地の大きさに比べて狭い家しか建てられないケースもありますし、3階建ての住宅が建てられない地域もあります。

自分が選ぼうとしている土地にどのような建築制限があるのか、購入前に必ず確認しましょう。これにはとても専門的な知識が必要になるので役所の建築指導課や、建築士に相談し、「自分が建てたい建物はその土地に建築可能なのか?」を確認するようにしましょう

4-4-2 土地の価格以外の費用を確認する

価格が魅力的だからといって安易に手を出す前に、価格以外の部分をよく確認しましょう。土地によっては、余分な費用がかかってしまったり、思うような家が建てられなかったりする可能性があるからです。

例えば、3-3でも紹介した地盤の弱い土地の場合、追加の工事を行って地盤を補強すれば家を建てることは可能ですが、追加工事の分だけ余分な費用がかかってしまいます。

また、変形地や狭小地も注意が必要です。土地自体は比較安く買えることが多いですが、十分な広さが取れなかったり、一般的な四角い家が建てられなかったりするおそれがあります。

設計・建築次第で悪条件をカバーできる可能性もあります。もしこのような土地に興味があるようでしたら、土地を購入する前に、建築士や家を建てる業者に相談しましょう。

4-4-3 土地は家と一緒に探す

土地がなければ家は建たないからまずは土地を買おう、と考える方も多いのですが、土地探しは家とセットで進めたほうが間違いありません。素人判断で土地を買ってしまうと、自分の思うような家が建てられない可能性があるからです。

4-4-1や4-4-2で紹介したように、土地にはさまざまな制限がありますし、安易な判断で購入するとかえって高額になってしまう土地もあります。また、追加工事などに予算が取られてしまうと、家の建築に十分な予算を使えなくなってしまいます。

購入してから「自分の思っていたような家が建てられない土地だった」と気づいても、後の祭りです。
土地に関する知識に自信のある方以外は、土地も一緒に探してくれる工務店を探すのが無難です。迷っているようであれば、まずは工務店やハウスメーカーに相談してみましょう。

5.依頼先を探す

契約成立

土地まで目途が立ったら、家を建ててくれる依頼先=事業者を選びます。
家は大きな買い物です。契約や金銭でトラブルになるのは避けたいですし、いい加減な工事をされてしまうと命にかかわる可能性もあります。信頼できる事業者を選びたいところですが、どの事業者を選べば安心なのか、判断に悩む方も多いのではないでしょうか。

本章では、まずどんな事業者があり、どんなメリット・デメリットがあるのかお伝えします。そして、事業者とのやり取りの流れと、事業者を選ぶ際に気をつけるべき点も紹介していきます。事業者選びで失敗しなくて済むように、ぜひ役立ててください。

5-1 依頼先の種類について知る

家を建てるのを請け負う事業者には、大きく分けて以下の3種類があります。

5-1-1ハウスメーカーと5-1-2工務店は家の設計と施工を請け負います。5-1-3の設計事務所は設計、設計監理を行いますが、施工については工務店を紹介してくれます。
事業者によって担う役割や特徴が大きく異なります。各事業者のメリットとデメリットを知ったうえで、あなたの望む家づくりにマッチする事業者を選びましょう。

5-1-1 ハウスメーカー

主に全国規模で展開する大きな住宅建設会社をハウスメーカー(大手ハウスメーカー)と呼びます。全国各地にある住宅展示場にモデルハウスと呼ばれる実物の住宅を建設して展示し、家を建てたい人に情報提供、営業活動を行います。地域の工務店を下請けやフランチャイズ化しているメーカーグループもあります。

会社の規模が大きく、上記のようにモデルハウスをつくったり、TVコマーシャルなどで宣伝広告をするための費用がコストオンされるため、建設コストは高くなりがちです。それでも知名度が高いなど、安心感を重視したい方はハウスメーカーに依頼するとよいでしょう

【メリット】

自社で建材の大量生産、調達を行い、現場に搬入して家を建てる方法を多用しています。そのため、均質で比較的クオリティーの高い住宅が購入できるのがメリットです。工期も比較的短くなります。

【デメリット】
規格化されている部分が多く、オリジナリティを追求することは難しいため、個性的な外観や設計の家を希望する方には不向きです。また下記の工務店に比べると割高になるケースが多いです。

5-1-2 工務店

地域の建築業者です。「工務店」と名の付く会社がすべて住宅建設をするわけではありませんが、ここでは住宅建設に重きをおく工務店をさしています。この章で紹介しているどの選択肢であれ、家の施工を実際に担当するのは工務店の仕事で、ハウスメーカーや建築士(建築家)からも施工を受注し、建設現場を指揮する役割を果たします。

規模は小さくとも、きめ細やかで、地元密着型の事業者です。規格化されているような部分も少なく、あなたの要望に応じて工夫をしてくれることが多いです。土地勘のある地域で家を建てるのであれば、地元の人たちの口コミを参考にした工務店選びも可能ですので、おすすめの選択肢です。

【メリット】
技術的な面では最も頼りになります。ハウスメーカーと比べて規格化されている部分も少ないため、細かな要望に対応してもらいやすいのもメリットです。

【デメリット】
会社によって実力にばらつきがあります。特に見知らぬ土地で家を建てる場合は、うわべだけの情報をもとに良い業者を見抜いて選ぶのは難しいかもしれません。

5-1-3 設計事務所

設計事務所は、一級建築士、二級建築士もしくは木造建築士が個人や複数人の組織で立ち上げている事務所です。「建築家」と名乗ることがあります。
個人事務所だけあって、個性を活かしたオリジナリティの高い設計が可能です。こだわり抜いた家を建てたい方で、時間と予算にある程度余裕がある場合におすすめできる選択肢です。

【メリット】
さまざまな条件や要望、生活スタイルなどを聞いたうえであなたの要望を具現化した設計をおこなうプロフェッショナルです。町医者のような存在といえるかもしれません。あなたの個性やオリジナリティをだした家を建てたい場合は、設計事務所に依頼すると良いでしょう。希望に近い家を建ててくれるはずです。

【デメリット】
個々の希望に合わせて設計を行うため、設計の費用としては他に比べて割高となり、設計期間を含めた完成までの全体工期も長くなる傾向があります。

5-2 依頼先とのやり取りの流れを知る

一般的には、家を建てる契約を結ぶまでの流れは以下のようになります。

1. 依頼者が事業者に家の建築・設計について相談する
2. 事業者が依頼者の予算や要望をヒアリングする(この段階で仮契約を結ぶ場合もある)
3. 事業者が敷地調査を行い、基本的なプランを提示する
4. 問題がなければ、事業者が実施設計に取りかかり、依頼者に見積もり提示する
5. 依頼者が見積もりの内容を確認し、納得できたら正式に工事請負契約を結ぶ

事業者とは必ず複数回、できるだけ多く打ち合わせを行い、不明な点は細かく相談・確認しましょう。専門的でよくわからないことを勝手な思い込みでわかったつもりでいると後から「こんなはずではなかった」というような事態になります。思い描いたのとは違う家が建ってしまわないようにするために相談・確認できる信頼関係を築きましょう。

5-3 失敗しない依頼先選びのコツ

信頼できる依頼先事業者に出会えるかどうかは、家づくりを大きく左右します。事業者ごとに得意分野や費用など、さまざまな点が異なるからです。
では、どうしたら信頼できる依頼先を選べるのでしょうか。業者選びで失敗しないように、以下のポイントをよく確認しましょう。

・自分たちのイメージに近い家の建築を得意としている
・資料やホームページで過去の事例が豊富に紹介されており、施主たちの満足度も高い
・担当者の知識が豊富で、何を聞いても親身に相談に乗ってくれる
・建築費用がリーズナブルで、自分たちの予算とも一致する
・家を建てた後の保証が充実している

最終的には、「自分たちの理想に最も近い家を建ててくれそう」と思えるような業者に依頼するのが一番だと言えます。複数の事業者から見積もりを取ったり、資料を取り寄せて間取りやデザインを確認して、依頼する事業者を絞っていきましょう。

6.後悔を残さずに家を建てるための3つのポイント

心の落ち着く場所

どんなに用意周到に計画しても、イメージと現実の間にはどうしてもずれが生じやすいものです。まして、家を建てるという経験は、人生で1度きりという人も少なくありません。経験も知識もなく、素人状態のまま家を建てることになるわけで、何もない状態からイメージ通りの家を建てるのは難しいものです。

そこで、家が建ってから後悔することのないよう、特に重要なポイントを3つ挙げておきます。
この3つを徹底すればするほど、「こんなはずじゃなかった……」という後悔を減らすことができます。逆に、この3つをおろそかにしてしまうと、迷いが消えずなかなか決断できなくなってしまいますし、後から揉め事が生じる原因にもなります。

家は、金額的にも大きな買い物ですし、毎日使うもの。後悔はできるだけ避けたいものです。自信を持って家を建てられるように、以下の3点は家を建てるまでのプロセスの中で何度も確認してください。

6-1 迷ったら「どんな暮らしがしたいのか」に立ち返る

間取りや設備、立地など、家を建てる前に決めるべきことはたくさんあります。もし迷ってしまうことがあったら、2-1で明確にした「どんな暮らしがしたいのか」をもう一度思い出してみましょう。これが家づくりの軸だからです。

あなたは新しい家でどんな暮らしがしたいのでしょうか?そもそも、なぜ家を建てたいのでしょうか?
例えば、「家族みんなでもっと広々と暮らしたい」という願いで家を建てるのならば、都心よりも少し郊外に家を建てたほうが、広々とした家を建てられるでしょう。逆に、「通勤・通学の時間を減らして家族の時間を増やしたい」ということであれば、多少狭くても都心に家を建てたほうが望みが叶います。

「どんな暮らしがしたいのか」を常に考えながら判断することで、納得できる家づくりが実現します。だからこそ、「どんな暮らしがしたいのか」を最初にはっきりさせておくことが非常に大切になります。

6-2 家族と十分に話し合う

家族とは、とにかく十分な話し合いの時間を取りましょう。配偶者をはじめとした家族や、お金を出してくれる両親と、意見が合わずに揉めてしまうケースが多いからです。

例えば、自分の部屋が欲しい夫と、キッチンやリビングを広くしたい妻。実家の近くに住んでほしい両親と、離れた地域に住みたい子ども夫婦。こういった意見の対立は、なかなかすり合わせるのは大変ですが、身内とはいえ、個々の意見が違うのは当然のこと。みんなが「十分話し合った」と思えるように、可能な限り時間をかけて話をしてください。

「どんな暮らしがしたいのか」という部分からみんなでしっかり話し合うようにして、あやふやな部分を残さないようにしましょう。

6-3 優先順位を明確にする

家を建てるにあたって、絶対に譲れないポイントは何でしょうか?優先順位をはっきりさせましょう。
せっかく家を建てるなら、できるだけ理想の家を実現したいものですが、多くの場合、すべての望みを完璧に叶えるのは難しいからです。
予算の都合で妥協しなければならないこともあるでしょうし、6-2で書いたように、家族の中で意見が一致せず、全員の意見を通すことができない場合もあるでしょう。

優先順位を付ける際にも、2-1で紹介した「どんな暮らしがしたいのか」という点が判断基準になります。

例えば、「とにかく広くて快適なリビングが欲しい」という意見と、「キッチンの設備に徹底的にこだわりたい」という意見がぶつかったら、どちらを優先させるでしょうか?
もし「家族みんなでもっと広々と暮らしたい」という理由で家を建てるのであれば、キッチンの設備よりも広くて快適なリビングのほうが、望む暮らしに近い選択肢だといえます。

「自分たちの思い描く理想の暮らしに近づける選択肢はどちらなのか?」と考えると、自然と優先順位が決まっていきます。

7.まとめ

家を建てる前には、以下のことをする必要があります。

・住みたい家のイメージを明確にする
・建物と土地に使える予算を固める
・土地も必要な場合は土地を探して取得する
・信頼できる依頼先事業者を選ぶ

そして、納得してさまざまな決断を下すためには、何より、新しい家でどんな暮らしがしたいのかを明確にし、それを軸として判断していくことが重要です。

理想の家というのは、あなたが望むような暮らしが実現できる家のことなのです。