
「我が家の防犯対策は本当に万全なのだろうか?」
あなたはそんな悩みを抱えてはいませんか?
警察庁が発表した平成29年度の「侵入窃盗の発生場所別認知件数」によれば侵入窃盗の発生場所のうち、一戸建て住宅は41.0%と、侵入犯に最も狙われているのです。
(出典:住まいる防犯110番)
このデータから分かるように、侵入犯にとって一戸建て住宅が最も狙いやすいようです。
次に狙われるのはあなたの家かもしれません!
あなたの家の防犯対策は万全ですか?
泥棒に侵入され、お金だけではなく大切なものを失ってしまってからでは遅いです。そうならないためにも防犯対策をしっかりとしておきましょう。
この記事では一戸建てのためのさまざまな防犯対策を紹介します。
この記事に書かれている対策をとることで「泥棒に入られて大切なものが盗られるかもしれない」という不安が解消でき、安心な暮らしができよう、お役に立てると幸いです。
目次
1 侵入犯の侵入経路を理解する
防犯対策をする前に侵入者がどこから侵入してくるのかを知りましょう。
警察庁が「住まいる防犯110番」に掲載している平成29年度の侵入者の手口のなかで、「侵入窃盗の侵入口」の統計によると第一位が「窓」で57.6%を占めています。
それに続く第二位は17.5%で表出入口(玄関)となっています。
図:手口で見る侵入犯罪の脅威「侵入窃盗の侵入口」
(出典:住まいる防犯110番)
つまり一戸建て住宅を狙う侵入者の約3/4は「窓」「玄関」を侵入先としているのです。防犯上心掛けたい窓やドアの防犯ポイントは下図を参考にしてください。
(出典:都市防犯研究センター)
では次に、「泥棒に入られない7つの対策」を次章から詳しく説明していきます。
2 一戸建て住宅の7つの防犯対策
2-1 戸締りをする
一つ目の防犯対策が戸締りです。「そんなことか!ウチはいつも戸締りしてるし」と思う方も多いかと思います。ところが意外な統計データがあるのです。
警察庁が「住まいる防犯110番」に掲載している平成29年度の「侵入窃盗の侵入手段」によると第一位はなんと「無締り」で、実に45.4%にものぼります。
図:手口で見る侵入犯罪の脅威「侵入窃盗の侵入手段」
(出典:住まいる防犯110番)
つまり侵入者の約半数は無施錠の扉や窓から侵入しているのです!
侵入者はあなたの家をよく観察して侵入してきます。ほんの短時間 近所に買い物に行ったすきに泥棒に入られたという事例や、ご近所さんと立ち話をしていた隙に侵入されて被害にあったというパターンもあるようです。
戸締りをするかしないかはあなたの防犯意識にかかってきます。戸締りをするだけでかなりの防犯対策になります。ほんのわずかの時間の外出でも戸締りを心がけるようにしましょう。
2-2 近所の人と協力する
二つ目の防犯対策が「地域の人と協力する」ことです。泥棒は人の目を嫌がります。犯罪する側は人に見られることを最も恐れ、警戒しているからです。
近所の人が自分の自宅周辺に侵入した泥棒を見つけて通報し、捕まったというケースが多くあるようです。
また泥棒は郵便受けポストをよく見ています。ポストに新聞や郵便物がたくさん溜まっているというのは「留守をしています」と教えているのと同じです。
そこで近所の人に協力してもらい、長時間の外出の際には郵便物を預かってもらうようにしてはいかがでしょうか。
地域の人と協力しあうことで「自分の不在中に泥棒が入るのでは」という不安を少しでも取り除きましょう。
以上、 二つの対策はいずれも無料(タダ)でできる防犯対策です。
タダだからと侮るなかれ。この二つを徹底するだけで十分防犯対策になります。
この二つの防犯対策はあなた本人の「防犯意識」が大切です。少しの間でも外出する際には常に防犯意識を持つようにしましょう。
2-3 窓の防犯対策
次に窓の防犯対策ランキングを紹介していきます。1章で紹介した「侵入窃盗の侵入口」のデータにもあるように、侵入窃盗の侵入口の第一位は「窓」です。
ですから、まず第一に「窓」に対する防犯対策が重要なのです。ここでは「窓」の防犯対策をランキング順に紹介していきます。
1位:防犯ガラスを設置する
最も効果的な窓の防犯対策は防犯ガラスにすることです。
先ほどの、住まいる防犯110番「侵入窃盗の侵入手段」データを見ると、侵入者は侵入手段として無締りの次に「ガラス破り(38.2%)」を得意としていることがわかります。
(出典:住まいる防犯110番)
ガラス破りを防ぐのが「防犯ガラス」です。ただし防犯ガラスは一枚あたり約5万円前後と高価な対策です。全部の窓のガラスを入れ替えるとかなりの費用になります。
費用はかかりますがこの方法はガラス破りに対して効果が高い対策です。予算に余裕のある方にはこの方法をおすすめします。
ドライバーによる「こじ破り」、バールなどによる「打ち破り」に高い抵抗力を発揮します。
2位:クレセント(注:下図 赤丸部分の名称)周りを強化する
二つ目の窓の防犯対策は「クレセント周りの防犯強化をする」ことです。
侵入者はガラス破りをして侵入する際、ガラスを大きく破壊して侵入するわけではありません。
そんなことをするとガラスを破る音が何度もするため、人に聞きつけられる可能性が高くなるからです。
侵入者は窓のほんの一部分のみガラスを破り、手だけを入れて外からクレセントを解錠し、窓サッシを開けて侵入するのです。
それを防ぐための防犯グッズが以下の二種類です。
① 暗証番号ダイヤル付きクレセント
(写真引用:Amazonより)
商品名:万能型交換用ダイヤル式クレセント錠「あかないんです」ブラック/大カマ
値段:5800円(2019.1.7現在)
「暗証番号ダイヤル付きクレセント」を使うことで、たとえ外から侵入者が窓を割ってクレセントを開けようとしても1000通りの暗証番号ダイヤルが付いており、暗証番号が合致しないとクレセントを開けることができません。
1000通りのダイヤルを回せば開錠できてしまうのでは?と思われるかもしれませんが、侵入者はそんなにのんびりと時間をかけません。
そんなことをしている間に誰かに見つかってしまうリスクを避けるのです。「これは時間がかかる」と思わせるだけで十分効果があります。
②防犯フィルム
「暗証番号ダイヤル付きクレセント」と合わせ、窓ガラスに防犯フィルムを貼ることも効果的です。
(写真引用:Amazonより)
商品名:光 防犯フィルム 透明ガラス用 2枚入 BGF4739
値段:2,765円(2019.1.7現在)
「1位」で紹介した防犯ガラスに入れ替えていれば必要ありませんが、予算の都合で防犯ガラスにできない場合、防犯フィルムを窓ガラスに貼ることで防犯ガラスを同様の効果があります。
ただし、ガラスにフィルムを貼る場合に注意したいのが「熱割れ」です。熱割れについてはコラムにまとめますが、購入したフィルムの説明書などをよく読んでから貼るようにしてください。
ガラスが直射日光を受けると、日射熱によってあたためられた部分が膨張します。
一方、ガラス周辺のサッシに埋め込められた部分や影の部分はあまり温度が上昇しません。
あたためられた部分がしだいに膨張していくのに対し、周辺部や影の部分にはあまり変化がないので、周辺部付近に引張応力が発生します(熱応力)。
そのガラスのエッジ部の許容強度を越える引張応力が発生すると熱割れが起こります。
※熱割れは、冬の晴れた日の午前中に起こりやすくなります。サッシ周辺が冷え切っているのにガラス面は日射を十分に受けて温度が上昇するので、大きな温度差が生じて熱応力も大きくなるからです。
ガラスフィルムを貼付するとガラスの日射熱吸収率が高まり、サッシ埋め込み部分などのガラス周辺部との温度差が大きくなりやすくなります。そのために、熱割れが発生する可能性が高くなります。
特に、直射日光を多く受ける部分に日射熱吸収率の高いフィルムを貼ろうとする場合には、様々な要因を検討して熱割れを回避する必要があります。
(引用:3M「熱割れ」について)
3位:二重ロックをかける
窓の防犯対策第3位は「二重ロックをかける」ことです。
クレセントの項でも書いたように侵入者はガラスを破り、クレセントを開錠しサッシを開けて侵入します。
クレセントだけではなく窓の下に「補助錠」かけることでサッシを開けにくくし、二重ロック効果を得られます。
仮にクレセントが開けられても「補助錠」が妨げとなって、泥棒は窓サッシを開けることができないのです。
(Amazonより出典)
商品名:ガードロックサッシ窓用補助錠ガードマン3個組ブロンズNo.393B
値段:939円(2019.1.7現在)
以上が「窓」の防犯対策です。一番効果的なのが「防犯ガラス」です。
防犯ガラスの費用が出せないという方は「防犯用クレセント」と「補助錠」を組み合わせるなどして窓からの侵入を手間取らせるような対策をしましょう。
2-4 玄関の防犯対策
次は玄関編です。
「玄関」は窓に次いで侵入者が侵入しやすい場所です。家の正面ともいえる玄関からも侵入者は入ってくるのです。
「玄関」にも十分な防犯対策をしましょう。玄関は何か一つ対策をしておけば安心というわけではなく、鍵の挿入口、ドアの隙間などできるだけ多く対策をしておくことが大事です。
ここでは3つの防犯対策を紹介します。
補助錠をつける
1つ目の防犯対策が窓と同様、補助錠をつけることです。
補助錠をつける理由は「ピッキング(鍵の挿入口から鍵を開ける侵入手口)」に時間がかかるからです。
都市防犯研究センター調べ「侵入者が侵入をあきらめる時間」のデータによれば「5分以内」は合計で68.5%、「10分以上」かかるとほとんどの侵入者はあきらめるといいます。
警察庁でも「侵入に時間をかけさせることが、侵入されるかどうかの大きなポイントになります」と呼びかけています。
(出典:住まいる防犯110番)
ここでのオススメがディンプルキーの設置です。下の写真のようなデコボコがついた鍵のことをディンプルキーといいます。
ディンプルキーにすることで侵入者はピッキングに時間がかかるため、ディンプルキーが使われているとわかるとピッキングを諦めることが多いようです。
ディンプルキーへの交換の相場は条件にもよりますが5,000円から1万円程度のようです。ただしディンプルキーへ交換できない鍵もありますので工務店さんなどと相談してみてください。
ディンプルキーに変更することが玄関の対策には最もおすすめですが、これができない場合は次から紹介する方法をオススメします。
「隙間を防犯」する
2つ目がドアの隙間の防犯対策です。
侵入者はこじ破りという方法も使います。ドアとドア枠の隙間に、釘抜きのようなL字型をした工具・バールを差し込み、「てこの原理」でドア錠を破壊して侵入する方法です。
古典的な方法ではありますがこの手口の被害件数は依然として多いようです。そのため、ドアの隙間にも十分な対策をしておくようにしましょう。
ドアとドア枠との隙間にガードプレートを設置することでこじ破りを防ぐことができます。
(写真引用:Amazon)
商品名:ベスト 281 ステンレス ガードプレート 中 2-79
値段:972円(2019.1.7現在)
サムターン回し対策
3つ目の対策が「サムターン回し対策」です。
錠の周辺にドリルで穴を開けたり、ドア枠の隙間を利用して道具を差し込み、内側のサムターン(鍵のつまみ)を回して解錠する方法をサムターン回しと言います。
(出典:YouTube 「Channel ACibe」)
この「サムターン回し」への対策には「サムターンカバー」を設置することが有効です。
(写真引用:モノタロウ)
商品名:サムターン回し防止具
値段:420円(税込)(2019.1.7現在)
サムターン回し対策には様々な方法がありますが、この防止具をつけることで十分効果的な対策となってくれます。
以上3つの全てを対策すれば「玄関」の防犯対策は安心です。
多少費用がかかってしまいますが、どれか一つでもぬけ穴があると侵入される確率が高まります。万全な防犯対策をしたいものです。
[番外編]インターフォンで対策する
上記3つでも十分効果のある対策ですが、侵入者が玄関に小細工をする前に何か対策をしたいという方にオススメなのがインターフォンの設置です。
財団法人都市防犯研究センターの調べによると、実に45.7%の侵入者が住宅に侵入する前にまず「インターホンで呼ぶ」ことで留守であることを確認しています。
(出典:住まいる防犯110番)
ここで有効なのが「外でもドアホン」です。
(写真引用:Amazon)
商品名: パナソニック(Panasonic) ワイヤレスモニター付テレビドアホン 電源コード式 VL-SWH705KL
値段:44,800円(2019.1.7現在)
「外でもドアホン」は万が一 留守にしていてもスマートフォンから家にいるように振る舞うことができます。少し高額ですが万全の対策する際には外せません。
2-5 その他出入り口の防犯対策
玄関以外の出入り口も侵入手段の一つになります。ここでは二つ紹介します。
面格子の設置
一つ目が「面格子の設置」です。
侵入者はこの面格子が設置されるのを見るだけで、「ここへの侵入は時間がかかる」と考えます。面格子の相場は4万円前後です。
一戸建てであれば、キッチンやトイレ、浴室といった水まわりやクロゼットの窓など、死角になりやすい、北側の窓などに取り付けることをおすすめします。
防犯カメラの設置
二つ目が「監視カメラの設置」です。
防犯カメラを設置することで防犯意識の高さをアピールでき、侵入者が防犯カメラがあることに気づいただけで侵入を諦めることもあります。
万が一侵入されてしまったとしても映像証拠を残し、警察に提出することができます。最近では一万円以下の高性能な防犯カメラもあります。
(画像引用:Amazon)
商品名: 無線ネットワーク監視防犯カメラ – GENBOLT WiFi ドーム型防犯カメラ
値段:5,499円
死角になりやすいベランダや人目につきにくい出入口に設置するとよさそうです。
2-6 外構の防犯対策
庭などの外構まわりも防犯対策が欠かせません。外構の対策は「見通しを良くすること」が重要です。
窃盗犯がその家に目を付けた理由としてあげた理由に以下のようなものがあります。
・人通りが少なく、人目につきにくい
・塀や植木などで隠れる場所があり、表からの見通しが悪い
・建物に死角があり、表から犯行が見えない
・見通しの悪い位置に勝手口がある
・2階のバルコニーや窓へあがる足場がある(雨どい、カーポート、塀)
・面格子のない小窓がある
(出典:株式会社セキュリティハウス・センター「泥棒が目をつけるポイント)
当然のことながら廻りからの見通しが悪いところは窃盗犯が侵入するのに好都合です。
そのため防犯対策として家の外構は周囲からの見通しを良くすることが大切です。以下の四つができていると安心です。
1 暗がりを作らない照明、センサーライトを設置する
2 室外機や車庫の屋根などの2階への足場を作らない
3 足を踏みいれると音の出る砂利を敷き詰める
4 見通しのよいベランダにする(隠れるところを作らない)
2-7 警備会社に頼む防犯対策
「上記に紹介した対策をしてもまだ不安だ」という方はホームセキュリティ会社に依頼してみてはいかがでしょう。
初期費用を除けば、月々5,6千円程度から警備サービスを受けることができるようです。
ここまであげてきた防犯対策に加え、警備会社に依頼することで防犯対策はより強固になります。
3 実例からみる防犯対策にかかる費用
以上の防犯対策を実際に導入した家の費用が以下の通りです。総額は75万円ほどでした。
防犯グッズ | 価格 |
ガードプレート | 972円 |
サッシ窓補助錠 | 939円 |
サムターン回し防止具 | 420円 |
ディンプルキー交換 | 10,000円 |
テレビドアホン | 44,800円 |
防犯カメラ | 5,499円 |
面格子 | 80,000円 |
防犯ガラス | 500,000円 |
外構整備 | 100,000円 |
計 | 742,630円 |
ちょっと高いな、と思った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし泥棒に入られてしまってこのお金以上の価値あるものを失ってしまうことを考えると、費用がかさんでも防犯対策を万全にしておくことが大切だと思いませんか?
4 まとめ
今回の記事に書いてある7つの防犯対策をすることで、より安心な生活を送ることができると思います。
少々費用がかさんだとしても、大切なものを失うまえに、万が一に備えた防犯対策をしてみてはいかがでしょう。
▼次にぜひお読みいただきたい記事です!▼
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