
吹き抜けのある家、って憧れますよね。
家全体が明るく開放的になり、いつも日差しが差し込む、温かでお洒落な家…そんなイメージに魅せられる人は多いでしょう。
吹き抜けは、空間を広く見せたり、採光にとても優位なことから、比較的狭小な住宅や日当たりの悪い敷地に建てる住宅にもおすすめできます。
実際の事例を見ながら、自分たちにマッチする吹き抜けの家をイメージしてみてください。
これだと思う事例があれば、次のステップです。吹き抜けの家にするためのポイントを頭に入れて、吹き抜けのあるわが家を実現しましょう。
目次
1.吹き抜けのある家 14事例を一挙紹介
「吹き抜けのある家」といっても、その形やスタイルはさまざま。吹き抜けの場所、吹き抜け部分に大きな採光部があるか、などで違ってきます。
タイプ別に分けて、実例写真をたっぷりご紹介しましょう。自分たちが描く「吹き抜けのある家」のイメージが自然と固まってくるはずです。
1-1.吹き抜けの場所別
〜玄関に吹き抜け〜
画像出典:重量木骨の家
画像出典:重量木骨の家
〜リビングに吹き抜け〜
画像出典:有限会社岡崎工務店
画像出典:スタイル工房
画像出典:トヨタホーム
1-2.敷地面積別
〜狭小住宅〜
画像出典:重量木骨の家
画像出典:ハウスネットギャラリー
〜広い敷地〜
画像出典:ハウスネットギャラリー
〜平屋の吹き抜け〜
画像出典:イノウエ
画像出典:はりまの家
1-3.吹き抜けの窓別
〜大きな開口部〜
画像出典:セキスイハウス
画像出典:YOU HOUSE
〜小窓〜
画像出典:ポラスの注文住宅・建て替え
画像出典:ポラスの注文住宅・建て替え
2.吹き抜けのある家にするメリットとデメリット
吹き抜けのある家に魅力を感じる方はとてもたくさんいらっしゃいます。
何と言っても見た目が素敵だと感じる人が多いのはもちろんですが、機能性や実用性もあるのです。
その反面、デメリットがあるのも確かです。メリットとデメリットをわかりやすく解説しながら、さらにデメリットの対策まで紹介します。
自分たちに合うスタイルには何が必要なのかを見つけて、吹き抜けのある家を実現しましょう。
2-1.吹き抜けがもたらす3つのメリット
「吹き抜け」とは、建物の2層または数階にわたって天井(上階の床)がなく、上下階がつながっている空間のこと。
吹き抜け部分の天井が高いため圧迫感がなく、空間を広く感じさせる効果があります。
吹き抜けが一般の住宅に多く取り入れられるようになったのは、そのメリットがあるからと思われます。
ではその特長をみていきましょう。
1.明るく開放感が出る
吹き抜けにする最も大きな魅力は、何と言っても開放感です。
同じ面積でも、天井が低い空間と2階以上まで空間が広がっているのでは、広さが違う感覚になります。
狭い面積でも実際より広く感じられるのです。
また二層分の高さの開口部から採光をふんだんに取り入れることができると、部屋全体が自然光で明るくなるのも魅力です。
特に、日当たりの悪い敷地では、天井や壁の上部から採光できるので計画上有効な手段となります。
2.家族の気配を常に感じることができる
吹き抜けによって、家全体に空間の繋がりをつくることができ、家族がどこにいても気配を感じられるようにすることが可能です。
自然とコミュニケーションが密になってくるというメリットが望めるかもしれません。
小さな子供や高齢の親と同居の場合はなおさら、存在、気配を感じることができて、安心できるというものですね。
3.お洒落な家にできる
開放感のある空間にすることで、「お洒落な雰囲気」と感じる方が多いです。
部屋をスッキリ見せながらお洒落感もUPするため、インテリアにこだわったりと楽しめるのも魅力です。
リビング階段との相性もよく、取り入れている住まいも多いようです。
2-2,吹き抜けゆえの3つのデメリットと対応策
魅力がいっぱいの吹き抜け仕様ですが、その反面デメリットを生んでいるのも事実です。
見た目ではわからない3大デメリットとその解決策まで、じっくり解説します。
1.光熱費が高くなる場合は高断熱・高気密・シーリングファンで対応
広い空間は魅力のひとつですが、一方でその縦長の空間ゆえ、冬は温かい空気が2階に上昇して1階が寒くなり、逆に夏は2階が暑くなる傾向にあります。
夏は冷房をしても2階は涼しくなりにくく、光熱費が割高に。
まず家全体での冷暖房を考えて、高断熱・高気密密性の住まいにすることを同時に考える必要があります。
その上で、冬は床暖房を上手く活用して上下温度差を抑え、天井にシーリングファンをつけ夏は空気を循環させるなど、一年中快適な室内環境にする工夫が必要です。
参考画像:お気楽建築士の住宅問答Blog
2.音や臭いが部屋中に伝わる場合は防音設備と間取りで解消!
「家族の気配が常に感じられる」メリットは、逆に言えば、音が家全体に響くことがあるということです。
TVの音が2階にまで聞こえたり、来客の話し声がうるさくて静かに過ごせない、といったことに。
そこで寝室や子供部屋など静かにしたい部屋には設計段階で防音対策をしておくのも一つの方法です。
また調理の匂いが家全体に広がってしまうといったことがあるため、キッチンは吹き抜けの空間から遠くしたり、仕切りを設けたうえで換気計画をうまく講じるなど、計画時に工夫をしましょう。
3.掃除やメンテナンスが大変な場合はキャットウォーク、梁の採用も◎
2階以上の高さに天井とガラス窓があり、ファンが優しく回っている光景は素敵ですが、その高さゆえメンテナンスが面倒です。
故障や照明灯具交換の際に足場を組まなねばならないような計画は、たとえ数年に1回のことでも後々維持費と手間がかさむことは頭に入れておくべきでしょう。
でも少しの工夫でこれを避けることも可能です。
たとえば光が差し込むガラス窓の2階床に当たる高さにキャットウォーク(メンテナンスの時だけ上がる渡り床)を設けるのも手です。掃除の時に活用できます。
また、シーリングファンや照明器具を昇降機能付き(およそ10万円程度の負担増)にすれば簡単に掃除、メンテナンスができます。
もうひとつは、見せる梁をつけることです。今人気が高まっています。
梁が足場になったり、梁に照明器具をつけることで掃除も手軽になるというメリットも。
上手に活用して、いつも綺麗で快適な空間を保ちたいものです。
参考画像:RoomClip mag
参考画像:新進建設
3.吹き抜けの家にする時の2つの注意点
ここまで、吹き抜けの家のメリットとデメリット、そしてデメリットを解消する対応策まで、解説してきました。
「よし、吹き抜けのある家にする!」と決意したら、具体的に話を進める前に、考えておくべき注意点があります。
2つに分けて紹介します。
3-1.完成後の維持にかかる費用も頭に入れておく
念願の吹き抜けのある家が完成した後に準備しておくべきことは、吹き抜けの維持費です。
もちろん、手が届く範囲で日々の掃除をこなすことが大前提です。
まず、大きな窓から差し込む光により、壁のクロスが通常より早く劣化することも考えられます。
また、手が届きにくい窓にした場合、その掃除にキャットウォークや梁で対処できないと清掃専門業者に依頼するしかありません。
5年以上経過した時点で、専門業者に相談する必要が生じるかもしれません。その場合のメンテナンス費も準備して貯金しておきましょう。
3-2.吹き抜けの注文住宅を多く扱っている工務店に相談する
依頼する時には、吹き抜けのある住宅を多く手掛けている、経験豊富な工務店に相談するのが一番です。
建物自体の高気密・高断熱はもちろん、ガラスを多く使う時には耐震性も重要になります。
そのあたりをよく理解して、相談に乗ってくれる工務店を選びましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
憧れの吹き抜けのある家を手に入れることは、そう難しいことではありません。
14の事例でさまざまな吹き抜けの家を見ていただき、イメージが固まったところで、現実的なメリット・デメリットを解説しました。
吹き抜けがもたらす3つのメリット
1.明るく開放感が出る
2.家族の気配を感じることができる
3.お洒落な家にできる
吹き抜けゆえの3つのデメリットと対応策
1.光熱費(冷暖房費)が高くなる
2.音や臭いが家中に伝わる
3.掃除やメンテナンスが大掛かり
デメリットの解説では、対応策もしっかり紹介し、実現に向けた具体策が練られるように提案しています。
さあ、スタートするぞ!と思ったら
1.完成後の維持にかかる費用も頭に入れておく
2.吹き抜けの注文住宅を多く扱っている工務店に相談する
この2つの注意点で気を引きしめて、吹き抜けのある家づくりを楽しんでください。
素敵な家が完成することを願っています。
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