一戸建て住宅の固定資産税額は約20万円|マンションとの違いについても解説

一戸建ての購入を検討する際、購入後の固定資産税っていくらぐらいかかるのだろうかと気になりますよね。

固定資産税の額がわかれば、家を建てた後にかかる将来的な費用の心づもりができます。

実は、対象となる不動産の場所が具体的に想定できれば、自分でおよその固定資産税を計算することがでます。

そこで、この記事では、固定資産税の計算方法を具体的にお伝えします

さらに、マンションと比較して一戸建ての固定資産税は高いのか安いのかについても解説します。

一般的に一戸建ての方がマンションより固定資産税が安いといわれるのですが、なぜなのか、その理由についても解説します。

この記事を読むことで、固定資産税の計算方法がわかり、そして一戸建ての方がマンションより固定資産税が安い理由も理解できるようになるでしょう。

できれば、対象となる不動産の住所を具体的に想定して是非一緒に計算してみてください。

1.固定資産税の計算方法

計算機

まずはじめに、1-1.で固定資産税の基本となる計算式を示します。続く1-2.で土地と家屋は分けて計算することを説明し、1-3.で実際の計算例を示したいと思います。

ここでは、固定資産税の計算の大枠をつかんでみましょう。

1-1.計算式

固定資産税の計算式はこちらです。

固定資産税=課税標準額×1.4%

固定資産税は市町村税(東京23区は都が課税)ですので市町村によって多少異なる場合もありますが、基本的には全国どこでもこの計算式になります。

課税標準額」は東京都や全国の市町村が対象不動産を現況の地目に応じで評価し、固定資産課税台帳に記している金額です。

固定資産課税台帳を閲覧できるのは納税義務者本人、同居の家族の人、納税管理人および本人から委任または同意を受けた人など一定の人のみです。

中古住宅や土地の購入を検討しているのみの段階では固定資産課税台帳は閲覧できないというわけです。

すなわち購入の「検討段階」では固定資産税の計算はできないように思うかもしれませんが、ご安心ください。

対象となる土地の住所・面積と、家の建築価格・築年数(新築の場合は建築価格のみ)がわかれば、おおよその課税標準額が計算可能です。

課税標準額の計算方法は、第2章で詳述します。

1-2.土地と家屋を分けて計算する

ポイントは固定資産税は、「土地」と「家屋」を分けて計算する点です。

土地と家屋を別々に評価し、それぞれについて課税標準額を算出するのです。

固定資産税は、土地の課税標準額から土地の固定資産税を、家屋の課税標準額から家屋の固定資産税を計算し、それを合計した額となります。

1-3.実際の計算例

それでは実際の計算例を見てみましょう。

ここでは仮に以下のような条件で試算してみます。

条件

土地:面積150平米、課税標準額782万5千円
家屋:面積100平米、課税標準額600万円

この場合、固定資産税(年額)はこうなります▼
(東京都主税局の平成30年度算出例より)

土地 7,825,000円×0.014=109,550円
家屋 6,000,000円×0.014=84,000円
193,550円

一般的に、一戸建ての固定資産税は月にして1~2万円程度といわれますが、この計算例でもその金額に収まっていますね。

では次章でこの計算をもう少し詳しく解説していきましょう。

2.課税標準額の計算方法

検討中

ここでは、固定資産課税台帳が閲覧できない場合のおおよその課税標準額の求め方を、土地と家屋に分け、それぞれ説明します。

調べたい土地の住所・面積と、家のおよその建築価格・築年数を用意してみてください。一緒に計算してみましょう。

2-1.土地

まず土地の課税標準額の求め方から説明します。土地の課税標準額の計算式はこうです。

土地の課税標準額=①土地の評価額(=路線価×面積)×1/6(②小規模住宅用地の軽減措置)

(注:小規模住宅用地=土地の面積が200平米以下の場合)

ポイントは、路線価(その土地の1平米あたりの評価額)です。路線価がわかればその土地の評価額がわかります

①土地の評価額

土地の評価額は、路線価(円/平米)×面積(平米)で求めます。路線価は、ここを見ればわかります。

全国地価マップ 一般財団法人 資産評価システム研究センター)

サイトを開くと、固定資産税路線価と相続税路線価の地図検索があります。

「路線価」という名前がですがこれらは別の路線価情報ですので、間違えずにこちらをクリックしましょう。

固定資産税路線価等

そして、調べたい土地の町名または郵便番号を入力して、検索してください。以下のようなマップが出ます。

路線価図

ここで、調べたい土地が接している道路の数字が、路線価です。角地など、複数の道路の接していれば、高い方の数字になります。

例えば、数字が313000の道路に接する土地150平米であれば、こうなります。

土地の評価額=31.3万円/平米×150平米=4,695万円

②小規模住宅用地の軽減措置

2-1.の課税標準額の算定式で、土地の評価額に1/6をかけているのは、小規模住宅用地には軽減措置があるからです。小規模住宅用地とは一戸の住宅につき200平米以下の土地をいいます。

小規模住宅用地であれば、土地の課税標準額は、土地の評価額(①)に1/6を乗じます。

住宅の敷地が200平米を超える場合は200平米を超える部分のうち、家屋の床面積の10倍までの部分は課税標準額が評価額の1/3となります。

①で例にあげた土地は150平米なので小規模住宅用地に当たり、この土地の課税標準額はこうなります。

土地の課税標準額=4,695万円×1/6=782万5千円

③土地の固定資産税を求める

土地の課税標準額がわかったので、1-1で示した基本の計算式にあてはめれば、土地の固定資産税が計算できます。

土地の固定資産税=782万5千円×0.014=10万9千550円

2-2.家屋

次に家屋の課税標準額を計算してみましょう。

家屋の課税標準額の計算式はこのようになります。

家屋の課税標準額=再建築価格(①)×経年減点補正率(②)

①再建築価格

再建築価格とは、その家をもう一度建てた時にかかるであろう建築費のことです。

再建築価格は、東京都または市町村がさまざまな項目から算出しているものなので、正確な価格を個人で計算することは困難です。

一般に、再建築価格は市場の新築価格の5~7割程度といわれていますので、ここでは6割と仮定して計算してみましょう。

例えば、新築時の建物価格が2,000万円であれば、2,000万円×6割、つまり再建築価格 約1,200万円として考えてみます。

②経年減点補正率

経年減点補正率は、経年劣化によって家の価値が減った分を考慮して、残った価値の割合を示すものです。

例えば、評点による区分経過年数25年にあたる※木造一戸建ての場合はこの表のようになります。

(※総務省「固定資産評価基準 家屋 別表9」参照)

は築年数、下は経年減点補正率)

1 2 3 4 5
0.80 0.75 0.70 0.68 0.65
6 7 8 9 10
0.63 0.61 0.59 0.56 0.54
11 12 13 14 15
0.52 0.50 0.47 0.45 0.43
16 17 18 19 20
0.40 0.38 0.36 0.34 0.31
21 22 23 24 25
0.29 0.27 0.25 0.22 0.20

①の再建築価格1,200万円の場合、建築後12年経っていれば、上の表から経年減点補正率は0.50なので、家屋の課税標準額はこうです。

家屋の課税標準額=1,200万円×0.50=600万円

 

③家屋の固定資産税を求める

家屋の課税標準額がわかったので、1-1で示した基本の計算式にあてはめれば、家屋の固定資産税が計算できます。

家屋の固定資産税=600万円×0.014=8万4千円

 

④新築住宅の軽減措置

新築住宅については軽減措置があります。

新築住宅は下記の条件を満たせば、居住部分で1戸あたり120平米相当分まで、通常3年間 家屋の固定資産税が1/2になります。

新築住宅の軽減措置を受けるための条件
・居住部分の床面積の割合が全体の1/2以上であること
・一戸当たりの床面積が50平米以上、280平米以下であること

さらに耐火・準耐火建築物か認定長期優良住宅か、によって5年度分もしくは7年間分と減額期間が延長されます。当然ですが減額期間が終了した翌年は税額が増えるので注意しましょう。

3.都市計画税とは

航空写真

都市計画税は固定資産税とともに納付する税金で、都市計画事業や土地区画整理事業の費用にあてられます。

都市計画税は、土地および家屋が都市計画区域内で市街化区域にある場合に課すことができる税金です。すべての市町村でかかるわけではありません。

取得予定の土地、家屋に都市計画税が課されるかどうかについては該当市町村のホームページ等で確認するとよいでしょう。

都市計画税の基本的な計算式は、土地・家屋とも以下のようになります。

都市計画税=課税標準額×0.3%

課税標準額は、家屋については固定資産税と同じですが、土地については、小規模住宅用地の場合、固定資産税の課税標準額の2倍になります。

(固定資産税の軽減措置が評価額の1/6なのに対し、都市計画税は1/3であるため。)

東京都の場合、小規模住宅用地(土地)の都市計画税は条例により算出された税額をさらに1/2とする軽減措置がとられています(平成30年度時点)

4.一戸建てとマンションの固定資産税の比較

マンション

一般に、同じ地域・同価格の一戸建てとマンションを比べた場合、一戸建ての方が固定資産税が安いといわれています。

その理由は、土地と家屋の価格配分の違いと、家屋の耐用年数の違いによるものです。どういうことなのか?詳しく説明します。

4-1.土地と建物の価格配分の違い

同じ価格の一戸建てとマンションを比較すると、一戸建ての方が土地の価格の割合が多くなります。

例えば、同じ5000万円の物件であれば、土地の価格が、一戸建てではそのうち3000万円分、マンションでは1500万円分という具合です。

マンションの土地の持分は全戸数に按分して区分所有するため一戸あたりの所有する土地面積は小さいです。

また一方、マンションの建物のほうは鉄筋コンクリート造であることが多く、木造の一戸建てよりも高額となることが多いです。

ここで、小規模住宅用地の軽減措置(2-1)を思い出してください。土地の固定資産税は、200平米まで1/6に軽減され、軽減率が大きかったですね。

土地の価格の割合の大きい一戸建ての方が、軽減の恩恵をより大きく被り、固定資産税が安くなるのです。

4-2.家屋の耐用年数の差

マンションの耐用年数は60年程度、木造一戸建ては25年程度といわれますが、このも影響します。

新築耐用年数が経過すると、経年減点補正率(劣化した家屋の価値の割合)は最後0.2になります。

家屋の課税標準額は、再建築価格に経年減点補正率をかけたもの(2-2)でした。

耐用年数が25年の木造一戸建ては、25年で0.2になるので、課税標準額はどんどん下がります。

一方、マンションは、60年かけて0.2になるので、なかなか課税標準額が下がりません。課税標準額がどんどん下がる一戸建ての方が、固定資産税もどんどん下がるのです。

さらに、マンションでは定期的に大規模修繕を実施しますが、そうすると固定資産税は上昇します。

これが、一戸建ての方が、一般にマンションより固定資産税が安いといわれる2つめの理由です。

細かい計算は省略しますが、2章で計算した方法でマンションの固定資産税を試算してみました。

木造一戸建て(経年12年)の固定資産税の資産は年193,550円でしたが、鉄筋コンクリート造のマンション(家屋3,500万円、区分所有土地面積75平米、経年12年として概算)では年237,377円となりました。

まとめ

固定資産税の基本となる計算式は、課税標準額×1.4%です。

そして「土地と家屋は分けて計算する」でしたね。

課税標準額の求め方は、土地については2-1、家屋については2-2で詳しく説明しました。

土地の課税標準額算出のポイントは、「路線価」を路線価図から見つけることでしたね。

家屋については、建築価格の6割と仮定して再建築価格として、経年減点補正率を乗じて課税標準額を求めました。

固定資産税がいくらかかるのか、気になる物件があれば、いつでも、この記事の手順に従って計算してみましょう。

▼次にぜひお読みいただきたい記事です!▼

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