
「最近平屋建て住宅が注目されているらしいけどどうなの?」
平屋のメリット、よいところってたくさんあります!筆者個人的には平屋建てこそ究極の住宅だと思います。
今さら説明不要かもしれませんが、「平屋建て」とは二階を作らず、一階しかない建築様式のこと。
平屋建てにするか二階or三階建てにするか、悩んでいるのなら、平屋の良さをすべて知ってからどちらにするか決めても遅くはありませんよ。
この記事では平屋建ての良さ、メリットを具体的に解説します。もちろんデメリットについてもお伝えします。さらに平屋建ての住宅を建てるのに向いているライフスタイル、しないほうがいい人についても解説します。
これを読めば、あなたもストンと納得できて、平屋建てに難色を示しているご家族にも、自信を持って平屋建て住宅を勧めることができるかもしれません。
ぜひ最後までお読みください。
1.こんなにある!平屋建てのメリット10個
この章では平屋建ての良いところ、メリットを余すところなくご紹介します。平屋建てに暮らしたことがない人にとっては感覚として掴みづらいことも多いと思いますので、できるだけイメージしやすいように具体的に解説しました。
もし、あなたがご家族と平屋建ての住宅に暮らしたらどんな感じになるのかな? と想像しながら読んでみてください。
(1)上下階への移動動線がない・移動が楽
あたりまえですが二階がないということは、階段がないということ。
日常生活で毎日必ず使う部分(トイレ・キッチン・浴室・洗面所・リビング・寝室等)がすべて同じフロアにあるためシンプルで、部屋間の移動が楽です。
(2)家が広く感じられる
平屋建ては工夫次第で奥行き感をだし、家を広く感じさせることができます。
上階がないため天井を高くしたり、外部との一体感をもたせたりすることで広さを感じさせることが可能です。
その結果、自然光や風を取り入れた、ゆったりとした雰囲気をつくることができます。
(3)洗濯動線が楽
「洗濯」には (脱ぐ)→洗う→干す→畳む→(収納する)という5つの作業があります。これらの作業がワンフロアで完結し、できるだけ集約させることで洗濯動線が短くなり、家事の効率があがります。
何より「たくさんの洗濯物を持って二階の物干しベランダまで上がらなくていい」というのはとても楽です。
洗濯物を干す、取り込む。「洗濯」は家事の中でも意外に体力を使う仕事ですから侮れません。
(4)掃除が楽
意外に面倒な「階段の掃除」が不要になるのはもちろん、二階の部屋を掃除するために一階から掃除機を持って上がる負担もなくなります。
窓や外壁など、家の外部の掃除も楽になります。
(5)家族のコミュニケーションが密になる
リビング(居間)を家の中心とする間取りにしやすく、家族が自然に集合できるような空間をつくりやすくなります。
子供の動きにも目が届きやすくなり、上階の子供部屋に向かって大声を出す(「ゴハンよ〜!」「もう寝なさい!」などなど…)ストレスもなくなります。
(6)メンテナンス費用を抑えることができる
一戸建て住宅は定期的にメンテナンスが必要になるのですが、工務店さんに頼んで行う屋根の補修や高いところの修繕などは、平屋建てだと大掛かりな足場が不要でメンテナンスが容易になるばかりか、結果、修繕費用を抑えることにもつながります。
(7)バリアフリー住宅として有利で老後も安心
体の不自由な家族がいるご家庭でも平屋建てなら危険の多い階段がないので、転倒や転落事故の心配も少なくなります。
また、歳をとると階段の昇り降りはつらくなるものです。その点平屋建ては老後も楽で安心な生活が送れるでしょう。
(8)階段を作らないからスペースを広く使える
一般的に階段を作るためには平面で4〜5畳分のスペースが使われます。この分の広さを有効に使うことができるようになります。
(9)耐震性に優位・台風にも強い構造
上階になるほど地震時の建物の揺れが大きくなります。大きくなる揺れに耐えるためには堅牢な構造が必要となります。
平屋建ての場合、重心が低くなるため建物の揺れが2,3階建てよりも揺れが小さく、建物の重量もは軽いので耐震性に優位だといえます。
台風など強風の際にも、高さがないぶん耐風性能に長け、被害を受けにくいといえるでしょう。
(10)地震・災害時の避難が容易
地震や火事、その他の災害時に非難する際、階段を使わずすぐに家からの脱出が容易です。
2.知っておきたい!平屋建てのデメリット5個
こうして数多くの良さ、メリットがある平屋建てですが、残念ながらデメリットもあります。
せっかく平屋建てを建てるならデメリットも確認しておき、それを克服する方法もしっかり把握しておきましょう。
(1)家の中だけでなく外からも、プライバシーの確保が難しい
家族の関係を密にできるのがメリットでしたが、反面それぞれのプライバシーの確保が難しくなります。
たとえ家族であってもプライベートな時間や空間は必要ですから、間取りについては家族全員でしっかり話し合って決めるようにしましょう。
また家のつくりが開放的になるので、家の外からもプライバシーを守ることが難しくなります。
前面の道路や、隣の家の二階からリビングが丸見えだった、というようなことにもなりかねません。遮るものがないと、外に話し声が丸聞こえになったりする恐れもあります。
床レベルを周囲から見えづらい高さに設定する、建具には型ガラス・すりガラスを使用する、ブラインドや透過しないカーテンを使うなど、外からの視線を遮るための工夫をして対策しましょう。
(2)広い土地が必要
狭い土地に多層建てにして建物を大きくしていくのとは違い、平屋建ては、土地の面積を広く使うことになるので、ある程度の広さの土地がないと建てることが難しくなります。
たとえば、4部屋確保するのに、二階建てなら、一階、二階にそれぞれ2部屋作ればいいわけですが、平屋建ての場合、一階に4部屋分の広さが必要になります。
手頃な価格で広い土地が買える地域であればあまり問題にならないかもしれませんが、地価が高い都市中心部では広い土地を見つけること、購入することが難しいでしょう。
これを克服する対策はなかなか困難ですが、必要な部屋を最低限まで省略しワンルームに近い間取りでコンパクトな平屋を計画するなど設計上の工夫でミニマムな間取りを考えてみましょう。
(3)坪単価としては高くなりやすい
二階建てや三階建てと比べて、平屋建ては「坪単価」は高くなります。
坪単価とは、家を建てるときの1坪(約3.3平米)あたりの建築費のことで、家を建てるときの金額の目安として一般的に参考にされている値です。
同じ床面積の二階建てと平屋建てで比べてみると、平屋建てにする場合は、基礎工事の部分が二階建てに比べて多くなり、屋根も広く大きくなるので、坪単価が高くなってしまうのです。
反面、壁などは二階建てに比べて少なくなりますし、階段を作る費用もかかりません。トイレや電話・電気の配線など通常なら二階に設置するために必要な工事も要らなくなるので、工夫をすることで建築費用を抑えることは可能です。
坪単価については▼こちらの記事をぜひご覧ください
関連記事(4)防犯対策が必要
二階に比べて、一階は外部からの侵入しやすくなるので防犯カメラを設置するなど対策が必要となります。
光や風を取り入れやすい大きな窓は、隣接する住宅から内部が見えないようにするカーテンなども必要になります。
かといって、家の周りに高い塀を作ってしまうと、せっかくの開放感がなくなってしまったり、逆に死角を作ることにもなるので、設計担当者とよく話し合って防犯対策をしましょう。
(5)日当たりが悪くなる可能性がある
平屋建ての場合、中央部に配置される部屋は日差しを確保することが難しくなります。これは天窓を付けたり、中庭を作ることで対策できますし、思い切って収納場所にしてしまうとか、浴室にしてしまうという手もあります。
また、都市部であっても平屋建て建築はできますが、近隣が二階建て以上の家ばかりの住宅街だったりすると、日当たりが悪くなってしまうことがあります。
さらに、建てる時点では、日差しを遮る建築物が周りになかったとしても、将来的に、近隣でマンション建設の計画がないかどうかなど、事前に調べておいたほうがいいでしょう。
3.平屋建てにしたほうがいい人・しないほうがいい人
せっかく憧れの平屋建てにしたのに、自分のライフスタイルには向かなかった……というようなことがないように、平屋建てにしたほうがいい人としないほうがいい人の違いを知っておきましょう。
3-1.平屋建てにしたほうがいい人
・体が不自由な人、高齢者、小さい子供がいる家族や老後の生活を快適にしたい人
二階がないぶん、移動が楽な平屋建てなので、高齢者や小さい子供、身体的なハンデをお持ちの方などは、平屋建てのメリットを十分に得ることができるでしょう。
小さい子供たちは、階段などから落ちてケガをする危険もないので、子供の行動を見張らなくてはいけないお母さんのストレスも減らせます。生活がコンパクトになるので、疲れも少なくて済みますね。
スロープを作り、部屋のドアを引き戸にするなど、本格的にバリアフリー住宅として設計すれば、車イス生活も楽にできるようになります。
人間誰でも歳を取れば、身体的な不具合が出てくるものなので、老後のことを考えて、今から平屋建てにしておくのも賢い選択です。
・社交性が高く友人関係も活発なタイプ
平屋建ては家族のコミュニケーションを密にしますが、広々としたスペースに友人家族を呼んでホームパーティーなどを行うのにも向いています。
隠れてコソコソするのは苦手、広いリビングでみんなとワイワイやるのが夢、といった社交的な方に向いています。
3-2.平屋建てにしないほうがいい人
・自分のプライバシーをしっかり守りたいタイプ
平屋建ては、プライバシーを守ることが難しい間取りになってしまいます。
ある程度、設計段階で改善できますが、二階建て、三階建てと比べると、息苦しく感じてしまう方もいます。
時々は孤独な時間を満喫したい人、ひとりで集中する時間が必要な趣味をお持ちの方は避けたほうがいいかもしれません。
また、思春期を迎えた年ごろのお子さんも、親の干渉を嫌がりますので、平屋にしたい場合は、お子さんの意見も取り入れ、十分話し合ってから間取りを決めましょう。
・自宅で仕事をしている人
プライバシー確保が難しい間取りになりやすい平屋建てですから、フリーランスでお仕事をしている方などは、仕事中に邪魔が入りやすくなる可能性が高いです。
開放的な間取りになるので、気分的にも開放的になりやすく、部屋にこもってコツコツ作業を行うといった際に、気が散ってしまうことも考えられます。
どうしても平屋にしたい場合は、仕事部屋は窓を小さくするなど、間取りを工夫したほうがいいでしょう。
4.まとめ
平屋建てには憧れるけど、実現は難しいかも、と思っていた方も多いかもしれません。
しかし、これだけメリットがあるのなら、ぜひ、平屋建ての家を持ちたいですよね。
平屋建て建築には反対だった家族も、これを知ったら大賛成してくれるかも?
デメリットもいくつか挙げましたが、設計の時点で設計担当者としっかり話し合えば、抑えることができることばかりです。また、間取りに関しては、家族でしっかり話し合って決めましょう。
この記事をぜひ、家づくりの際に参考にしてくださいね。
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