
「マイホームを建てたい!」と思っているが「何をしたらいいのかわからない」とお困りではありませんか?
初めての家づくりは、なにから手を付けたらいいのか見当がつかず、戸惑ってしまいがち。
まずは家が建つまでにいったいどんな手順があるのかを事前に知って、念願のマイホームに向けて動き出したいですよね。
そこでこの記事では、家を建てるまでの手順を11のステップで紹介します。
家を建てようと決めてから、家が完成して引っ越すまでに、どのような手順があるのでしょう?
家を建てるのが初めての方でも、家が建つまでにどんなことがあるのか、何をすればいいのか、全体の流れをイメージしてもらえると思います。
さらに、1つ1つの手順の中で特に注意すべき点も紹介しています。この注意点を押さえておけば、家という大きな買い物をするにあたって、迷ったり失敗したりすることが少なくて済むでしょう。
注意点をふまえて順番に行動していくことで、マイホームの完成にどんどん近づいていけるはずです。
この記事を読み終えた後、家づくりに向けて1歩踏み出していただければ幸いです。
目次
はじめに 家を建てる11ステップの手順とは
家を建てる手順を以下の11ステップにわけてみました。
どのような手順があるのか最初に把握しておけば、自分がいまどの段階にいて、これから何をすべきなのか、常に確認できて安心して家づくりを進めやすいと思います。
まずは、この11ステップを頭に入れておいてください。
①家のイメージを決める
家づくりをスムーズに進めるために、新居でどのような暮らしがしたいのか明確に思い描きます。
②予算を決める
予算によって建てられる家が大きく変わってくるため、家を建てる際に使える予算を算出します。
③住みたい土地を探す
土地を持っていない場合は、土地を購入する必要があるため、住みたい土地を探します。
④依頼先を選ぶ
業者ごとの特徴を踏まえて、自分の理想に近い家を建ててくれる業者を探し、見積もりを依頼します。
⑤土地を購入する
土地を持っていない場合は購入します。土地が決まれば、家の最終的な見積もりも出すことができます。
⑥設計を依頼する
間取りや住宅設備など、細かい点まで業者と打ち合わせて1つ1つ決めていきます。
⑦契約する
設計が固まったら、いよいよ建築工事の契約を行います。契約書類をしっかり確認します。
⑧建築確認申請を提出する
工事に着手する前に、建築確認申請を行わなければなりません。通常は契約した業者が行います。
⑨住宅ローンを申し込む
建築確認済証が交付されたら、住宅ローンの申込を行います。これより前に事前審査を申し込むこともできます。
⑩着工
工事が始まった後も、さまざまな儀式や近隣へのあいさつなど、やるべきことは残っています。
⑪完成、引き渡し
工事が終了した後、竣工検査で問題がないかどうか確認してから、ようやく引き渡しとなります。
次章からは、各ステップについて、注意点も交えながら詳しく説明していきます。
1.家のイメージを決める
最初にやるべきことは、どのような家が建てたいのかイメージを明快にすることです。
イメージが決まると、家づくりがスムーズに進むからです。
家のイメージを決めるために考えるべきポイントは、以下の3点です。
(1)どんな暮らしがしたいのか
新しい家でどのような暮らしがしたいのか明確にします。家づくりの軸になる部分です。
(2)どんな家に住みたいのか
家全体のイメージを思い描いていきます。これが決まると、建築を依頼する業者も自然と絞られていきます。
(3)どんな間取りに憧れるのか
家全体のイメージが決まってきたら、間取りを考えてみます。間取りは生活の快適さに直結します。
この3つのポイントを具体的に決められるように、ネットで検索したりモデルハウスに出向くなどして情報収集をしましょう。
頭の中だけで思い描いているのと実物を見るのでは、イメージできる範囲が大きく異なるからです。
不動産情報サイト、業者への資料請求、住宅展示場の見学などを積極的に行ってみてください。
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関連記事2.予算を決める
次に、家を建てるための予算を決めましょう。予算によって建てられる家が大きく変わってくるからです。
家を建てるために使える予算は、以下のようにして割り出します。
(1)自己資金を把握する
預貯金など手持ちの資産のうち、家を建てるために使用して問題ない金額を割り出します。親から資金援助が得られる場合は、それも自己資金として加えておきます。
(2)住宅ローンの借入額を計算する
十分に生活が成り立ち、無理なく返済できる住宅ローンの借入額を考えます。
『借りられる金額』ではなく、『返済できる金額』であることが大事です。
現在支払っている家賃を目安に、どの程度の金額なら余裕を持って返済できるか考えてみるとよいでしょう。
住宅ローンのシミュレーションサイトを使うと、借入可能額などの具体的な数字が得られます。※住宅保証機構 住宅ローンシミュレーション
さらに、条件に該当すれば、国や地方自治体の補助金制度も利用できます。
少しでも給付があると予算が増えて、家を建てる際の選択の幅が広がりますので、施工業者やお住まいの自治体に問い合わせると良いでしょう。
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関連記事 関連記事3.住みたい土地を探す
土地を持っていない場合は、土地の購入も必要になります。住みたい土地探しを行いましょう。
土地を探す場合は、以下の4点をチェックします。長く住み続ける場所ですので1つ1つの項目をしっかり確認しましょう。
(1)住みたい場所
具体的にどの地域に住みたいか決めます。住みたい地域が決まれば、その地域に絞って具体的に土地を探すことができます。
(2)周辺環境
スーパーや病院など毎日の生活に必要な施設の有無や、治安や騒音、夜間の環境などを確認します。実際の生活を思い浮かべながら街を歩いてみると良いでしょう。
(3)日当たり、水はけ、地盤など
日当たりや、水はけ、地盤などもチェックが必要です。いくら立地や周辺環境が良くても、土地の状態次第では住環境が悪化してしまいますし、追加工事が必要になる場合もあります。
(4)土地の用途や建築制限
土地には「用途地域」が定められており、住居、商業、工業など、土地の使いみちの大枠が決まっています。また、「建ぺい率」や「容積率」などの決まりがあり、家の面積や高さにも制限があります。これらによって建てられる家が変わってきます。
4.依頼先を選ぶ
住みたい土地のイメージが決まったら、家を設計し、建ててくれる依頼先を選びます。依頼先には以下のような種類があります。
それぞれに得意分野や特徴がありますので、自分のイメージする家を建ててくれる依頼先を選ぶようにしましょう。
・大手ハウスメーカー
広範囲に展開する規模の大きな住宅建設会社。質の高い住宅を手頃な価格で購入できますが、個性的な外観や設計の家を希望する場合には不向きです。
・工務店
地域の建設業者。小規模なので、細かな要望にも対応してもらいやすいですが、会社によって実力にばらつきがあります。
・設計事務所
建築士の国家資格を持つ設計専業の事務所。オリジナリティのあるデザインの家を建てられますが、設計料は他の依頼先に比べ割高で、竣工までのトータル工期も長くなりがちです。工事の施工は紹介される工務店で行うことが多いです。
良さそうな依頼先が見つかったら、概算見積もりを依頼します。
この段階では概算の見積もりになりますが、自分の予算やイメージに近い家を建ててくれる依頼先かどうか判断する材料の一つとして、見積もりを出してもらうのが参考になるからです。
契約すると決めなくても相談には応じてくれるはずですので、気になる依頼先があったらまずは相談して見積もりをお願いしてみると良いでしょう。
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関連記事5.土地を購入する(土地を持っていない場合)
土地をまだ取得していない場合は土地購入のことも含めて相談にのってくれる依頼先を探すのがベターです。
土地が決まらないと家の基本的な設計ができず、概算見積もりも出せないからです。
土地を購入するまでの流れは、一般的に以下のようになります。
(1)買付証明書を提出する
「土地を購入したい」という意思表示を売主に提示するもので、購入金額や条件などを記載します。法的拘束力はなく、撤回してもペナルティはありません。「予約」のようなものと考えると良いでしょう。
(2)住宅ローンの事前審査を受ける
住宅ローンを利用する予定がある場合は事前審査の申し込みをしておきましょう。事前審査に通れば、契約後の本審査に通る可能性が高いことがわかった状態で話を進められるからです。
住宅ローンは、原則として土地と建物セットで申し込むことになります。
しかし、住宅ローンの融資が実行されるのは建物の引き渡し時ですので、土地代の支払いなど、建物完成前に必要な代金に住宅ローンを充てたい場合は、「つなぎ融資」を依頼する必要があります。
つなぎ融資とは、実際のローン実行までの間につなぎで借り入れるしくみで、建物引き渡し時に実行される住宅ローンで返済を行います。
すべての金融機関でつなぎ融資ができるわけではありませんので、つなぎ融資を希望する場合は、対応してくれる金融機関で住宅ローンを組むようにしましょう。
(3)重要事項の説明を受ける
土地を契約する前に、土地に関する重要事項説明を受けます。
これは宅地建物取引業法で義務付けられており、宅地建物取引士が内容を説明します。疑問に思ったり、気になる点はないかどうか、説明を聞き確認しておきましょう。
(4)契約する
説明を受けて問題がないと判断したら契約します。なお、契約の際には土地代金総額の10%程度の手付金を支払うのが一般的です。
6.設計を依頼する
いよいよ家の詳細なな設計に入ります。
間取りや外観、外装・内装の仕上げ材料の選定、キッチンや浴室などの住宅設備の選択、電気のスイッチやコンセントの位置に至るまで、1つ1つ決めていきます。
設計者との打ち合わせをスムーズに行うためにも、以下のような点はあらかじめ明確にイメージし、できれば箇条書きにまとめておくと良いでしょう。
(1)間取りに関連すること
・必要な部屋にはどんな部屋があるのか。その部屋でだれがどんなことをするのか(したいのか)。
(2)屋外部分に関連すること
・駐車場、駐輪場はどの程度必要か。自家用車の大きさは?(将来を見越して)
・庭は必要か?ガーデニングなどに興味はあるか?バルコニーは必要か?どこに設けるか?
(3)躯体・外装に関すること
・外壁の素材や形状にあこがれやこだわりはあるか?
・耐震や免震等の構造に強いこだわりはあるか?
・らせん階段などに強いこだわりがあるか?
(4)内装や室内設備に関すること
・キッチンや洗面などの形状、設備のグレードについてこだわりはあるか?
・家具や棚はどうするか?(作り付けにするのか既製品を使うのか)
・内装素材にこだわりはあるか?(無垢のフローリング材、壁紙、タイルの材質などの素材)
すべての希望を叶えられず、妥協する部分も出てくるかもしれませんが、そんなときも「自分たちの思い描く理想の暮らしに近い選択肢はどれか?」と考えてみてください。
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関連記事7.契約する
設計が決まったら詳細の工事費を見積提示してもらいます。
予算額に合わなければ設計を変更したり価格交渉をし、納得できる金額に収まったら工事請負契約を締結します。
契約書類は一般的に「工事請負契約書」「工事請負契約書約款」「実施設計図・仕様書」「見積書」という4種類の書類があります。
内容に少しでも疑問点があれば、契約締結前に確認しましょう。特に以下のような点が明確になっているかどうか確認してください。
・契約書に記載されている代金や支払期日に誤りがないかどうか
・約款に遅延金や違約金、欠陥が見つかった場合の保証、災害などによる損害の対応、契約解除方法について具体的に記載されているかどうか
・見積書に知らない項目や曖昧な項目が含まれていないかどうか
・見積書の明細と実施設計図・仕様書の内容に相違がないかどうか
可能であれば契約書類のコピーを事前にもらって、読んでおきましょう。契約書類はボリュームがあり、手渡されたその場ですべてを確認するのは困難だからです。事前に時間を取って読んでおけば、不明な点があっても業者に質問することができます。後からトラブルが発生しないように、納得できるまでしっかり確認しておきましょう。
8.建築確認申請を行う
契約を行ったら、建築確認申請を行います。
建築確認申請は、これから建てようとしている家が建築基準法等、建築関連の法令を遵守しているかどうか確認を受けるために行うもので工事着手前に必ず申請しなければなりません。
通常は契約した依頼先(設計者)が行政や民間の指定確認検査機関に代理申請しますので、自分たちで行うべきことは申請書に押印することくらいです。
法令に適合していることが確認されると、建築確認済証が交付されます。この建築確認済証が交付されて初めて、着工も住宅ローンの本審査も可能になります。
9.住宅ローンを申し込む
契約が済み、建築確認済証が発行されたら住宅ローンの申込を行います。
ローンの審査には「事前審査」と「本審査」があり、この段階で申し込むのは「本審査」です。
少し前の段階である事前審査を含めた住宅ローン実行までの流れは以下の通りです。
(1)ローン事前審査
金融機関の仮審査です。土地を購入する場合は、ステップ6で説明した通り、土地購入の段階で事前審査の申込が行えます。
土地を既に持っている場合は、建設業者が決まった後、家の工事の契約を行う前に事前審査を申し込みます。
事前審査は必須ではありません。また、事前審査に通っても本審査に必ず通るとは限りません。
しかし、事前審査を受けずに本審査に申し込んで、万一審査に落ちてしまったら、せっかくの契約が白紙に戻ってしまいます。
事前審査を受けておけば、「本審査に通る可能性が高いだろう」という見込みが立ちますし、本審査もスムーズに進むことが多いため、申し込むことをおすすめします。
(2)ローン本審査
工事請負契約を結んで、建築確認が住んだ後に行われる審査です。事前審査よりも詳細な審査が行われるため、さまざまな書類を提出する必要があります。
(3)ローン契約
本審査を通過したら、住宅ローンの契約を行います。
(4)ローンの実行
実際のローンの借り入れは、住宅の引き渡しと同時に行われます。
10.着工
ここまでのステップがすべて終わって、ようやく工事が始まります。
あとは業者に任せて完成をゆっくり待ちたい、と言いたいところですが、やることはまだあります。
(1)近隣住民へのあいさつ
工事が始まる前に、ご近所にあいさつしておきましょう。工事に伴ってどうしても騒音などが発生してしまうためです。
住み始めた後のご近所づきあいにつながりますからできる限りあなた自身が挨拶しておいたほうが良いでしょう。
(2)地鎮祭
工事の無事や安全を祈願して行う儀式です。工事を始める前に行います。ただし近年では、地鎮祭は行わなかったり、簡易的に済ます方も多いです。
(3)上棟式
柱や梁などの骨組みが完成して、棟木を上げるときに行われる祭祀です。上棟式も地鎮祭同様すべての人が必ず行うわけではありません。
11.完成、引き渡し
工事が終わると、マイホームが完成です。
家の引き渡しの前に、竣工検査と呼ばれる建物のチェックがあります。
完成した家が契約した設計通りに作られているかどうか、欠陥がないかどうかを確認するための機会で、施工業者および設計監理者と一緒に行います。
契約通りの家ができたかどうか確認するためにも、事前に改めて契約時の設計図を確認しておきましょう。
また、万一不具合があった場合は、いつまでに改善対応してもらえるのか、できるだけ書面で明確にしておきましょう。後で揉めごとにならないようにするためです。
不具合の修理などが終わり、問題がなくなったら、家の鍵を受け取って引き渡しをうけます。
まとめ
家を建てる手順を、11ステップに分けてみました。
家が完成して住み始めるまでにどのような手順があるのか、全体像を頭に入れることはできたでしょうか?
また、各ステップで注意すべき点を記述しましたのでその段階になったら振り返って確認してみてください。
注意点が事前に把握できていれば今後、迷ったり失敗したりすることも減ると思います。
自分の理想の家を手にするために、この記事を参考にぜひ「初めの1歩」を踏み出してみてください。
▼次にぜひお読みいただきたい記事です!▼
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