注文住宅を建てるための費用|知らないと損する費用を抑える方法まで

軸組み

「注文住宅を建てるのが夢だけど、どれくらい費用がかかるものなの?」

という疑問をお持ちの方はとても多いはず。

家に関する自分の希望をふんだんに盛り込んで、思い通りの家づくりが可能になる注文住宅だからこそ、費用が膨大に膨らんでしまう恐れがあります。

注文住宅建築にかかる費用の中でも、建築費は飛び抜けて大きな額のお金を使うことになるのですから、すごく気になりますよね。

この記事を読めば、相場価格から建築にかかるおおよその費用がわかります。

建築費用の内訳がくわしくわかりますので、安心して注文住宅を建てることができるようになります。そして、建築費用を抑える具体的な方法もご紹介します。

さらに、注文住宅を建てた前後にかかる費用もご紹介します。これを知っておけば、大まかな予算を立てられるので、追加の出費で痛い思いをすることもなくなります。

抑えるところは抑えつつ、理想の家づくりを目指しましょう。

1.注文住宅の建築費の相場

まず建築費の相場を知っておきましょう。

今自分で用意できる費用と、他の人が注文住宅建築にどれくらい費用をかけたのかを比べることで、住宅ローンをどの程度借りればいいか、親族から資金援助してもらうことは可能か、など資金繰りについて想定し、具体的に考えることができます。

2017年度の住宅金融支援機構の調査結果を見てみましょう。

参考:2017年度 フラット35利用者調査
https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf

建設費(万円) 住宅面積(㎡) 敷地面積(㎡)
首都圏 3,627.0 127.0 173.2
近畿圏 3,408.1 126.9 195.1
東海圏 3,437.2 130.1 253.8
その他 3,193.0 128.5 301.9

表1 住宅金融支援機構 2017年度 フラット35利用者調査より 注文住宅融資利用者の主要指標(抜粋)

2017年度の建築費の全国平均は3,356万円で前年度の3,312万円より上昇しています。

住宅面積の全国平均は、128.2㎡(約39坪)となっています。

表1の数値を見比べてみると、住宅面積の平均値はどこの地域もほぼ同じですが、首都圏の建設費は他の地域よりも200万円程度高くなっています。

ここから首都圏の坪単価が高いということが読み取れます。ちなみに、建築費の最高平均値は東京都の3,936万円です。

さらに、住宅面積はどのエリアも同じくらいなのに、敷地面積には開きがあります。

首都圏では庭を持つような敷地を得ることが難しく、郊外では敷地に余裕を持った住宅建設ができそうだと推測できます。

ご紹介した「住宅金融支援機構」のサイトには、都道府県別の詳細データも在ります。

注文住宅建設にかかる費用はエリアによって大きく差が出ますので、建築予定都道府県の相場をよく調べておきましょう。

2.建築費用について知る

建築中

一般的に建築費用と呼ばれているものについて解説します。建築費用は大まかに分けて、本体工事費と別途工事費の2つがあります。

「家を建てる費用」と言うとき、一般的に想像するのは、本体工事費のみのことが多いですが、実は本体工事費と別途工事費を合わせた費用を指します。

これらの内訳をしっかり把握しておくことで、どこの費用を抑えれば予算内で理想の家が建てられるのかがわかります。

それぞれの内訳は、建築を手がけるハウスメーカーによって、名称や内容に若干の違いが出る場合がありますので注意してください。

2-1.本体工事費

1つ目の費用は「本体工事費用」です。これは文字通り、建物本体にかかる費用のことを指します。

庭や駐車場などの外構工事などにかかる費用は含まれません。
一般的に本体工事費用の中には、以下のような費用が含まれています。

◎本体工事費に含まれる主な工事一覧

(メーカーによって名称や具体的な内容等が異なります)

仮設工事費

敷地測量などの準備から、工事に必要な電気、水道、工具などに価格費用

足場(外部、内部)建物の位置出し(やり方)、養生などの費用

建築現場の清掃片付けや廃材処理費も含みます

土工事・基礎、地業工事費

一般的な住宅では基礎を作るための掘削、地ならし、特殊なケースでは地階を設けるための掘削など、地面をいじる工事にかかる費用と基礎そのものを作る工事費

傾斜地などの場合は土留壁をつくることもあります

地盤が弱い場合は基礎の強度を増したり、地盤改良工事などを行います

木工事費

木造住宅の場合は建物の骨組みとなる躯体(くたい)を作る工事費。

また、建物内部の木で作られる壁や造作なども含みます。

屋根工事費 瓦や鉄板(ガルバリウム鋼板等)などで屋根を葺く工事費。雨樋なども含みます
左官工事費 しっくいなどの塗り壁、土間コンクリート、モルタル塗りなどの左官仕事にかかる工事。タイル工事なども含む場合があります。
建具工事費 玄関ドア、窓サッシ、室内ドア、障子、ふすまなどのすべての建具にかかる工事
塗装工事費 建物内外のペンキ塗りにかかる工事。錆止め塗装やペンキを塗る前の下地処理なども含みます。
内装工事費

床:フローリング、樹脂シート、カーペット、畳など

壁:石膏ボード、合板貼り、ビニールクロス(壁紙)仕上

天井:下地組みからボード貼り、塗装やビニールクロス仕上げ

キッチンユニット、洗面台などの造作、ユニットバスの設置、その他さまざまな内装工事にかかる工事費です

雑工事・その他工事費 上記に分類されないその他雑多の工事やその物件特有の特殊な工事など
電気設備工事費 地絡(アース)設備の設置、分電盤・ブレーカーの設置、照明、コンセントなどの電気配線スイッチ、テレビアンテナ配線、電話やLAN配線など電気に関わる様々な工事費
給排水衛生設備工事 キッチン、トイレ、洗面、お風呂などすべての水回りの配管、水栓器具設置工事全般の工事費。ガス設備の配管、コンロ器具設置なども含まれます。
空気調和設備工事 換気設備(各室換気扇、レンジフードなど)、ダクト工事、全熱交換器(ロスナイ)設置、24時間換気設備など

予算配分として、本体工事費は総費用の約70〜80%程度にするのが良いとされています。

たとえば、予算の上限が3,000万円なら、本体工事費にかけられるのは約2,100〜2,400万円ということになります。

注意していただきたいのは、ハウスメーカーなどが出している広告の「3,000万円の家」といった宣伝文句は、本体工事費のみを指していることが多く、これを鵜呑みにしてしまうと、結果的にかかる総費用は、3,000万円を大幅にオーバーしてしまうことになります。

注文住宅に関する広告を見るときは、その価格は何を指しているのかをよく確認するようにしてください。

2-2.別途工事費

別途工事費とは、建物以外にかかる工事・設備費用を指します。具体的には、本体工事によって建てられた住宅で生活するために必要不可欠な工事費用です。

ハウスメーカーや工務店によっては、「付帯工事費」と呼ばれていることもあります。金額や内訳についても会社ごとに異なり、支払い方法なども違うことがほとんどなので、必ず見積もり段階で確認をしておきましょう。

別途工事費用の予算配分としては、総費用の15%~20%です。

◎別途工事費用となる主な工事一覧

(メーカーによって名称や具体的な内容等が異なります)

外構工事費 駐車場、塀、門扉、フェンス、庭、植栽など、建物の外まわりの工事
電気設備工事費 電柱から宅内の最初の引き込み位置までの電気引込工事、メーター設置工事
給排水工事費 前面道路埋設の上下水道本管から宅地内への引き込み接続配管工事、メーター設置工事
ガス工事費

(都市ガスの場合)前面道路埋設のガス本管から宅地内への引き込み配管工事、メーター設置工事

(プロパンガスの場合)プロパンガスボンベ設置場所でのメーター、配管工事

冷暖房設備工事 ルームエアコン、全室空調設備機器の設置、床暖房設備工事
照明器具設置工事 照明器具設置工事

◆場合によっては必要となる工事

解体工事費 家を建てる予定の土地に前から建っている建物を解体する工事
地盤調査費 建設予定地の地盤が家を建てられる状態か調査をする費用
地盤改良工事費 地盤が弱いことがわかった場合、家を建てられる状態に地盤改良する費用(地質によって方法はさまざま)

別途工事費用は、土地の状態によって大きく変わってくるので注意してください。

たとえば、地盤が弱い土地に家を建てようと思ったら、地盤改良工事が必要になります。

地盤改良工事の相場は50万円~300万円と幅広く、地盤の強弱と建築予定の家の大きさ等によって、かかる費用が大幅に変わってしまいます。

道路から奥まった位置に家を建てる場合などは、ガス管や水道管の引き込み工事にかかる費用も通常の場合より高くなる場合もあります。

別途工事費がどれくらいかかるのか、あらかじめ確認をしておくようにしましょう。

3.建築費用を抑える方法

リビングイメージ

注文住宅はオーナーであるあなたの希望をほぼ際限なく叶えることが可能ですが、そのぶん気をつけないと、大幅な予算オーバーを招きます。

理想の家をイメージしていても、予算的に実現が難しいとなったら悲しいですよね。

そこで、建築費用を抑えるポイントをご紹介します。

これらのポイントは、資材を使う量を減らしたり、工事の工程を減らすことができるので、結果的に建築費用を抑えることができ、確実に費用削減の効果が出せます。

(1)できるだけシンプルな形の家にする

一番安価に建てることができる形状は正方形・長方形です。凝った形状、デザインにすると、そのぶんの工事費がかかります。

中庭を設けるコの字型の家も人気が高いですが、やはり建築費用は高くなります。

(2)壁を多く作らないようにする

壁が増えれば増えるほど建築費用は高くなります。たくさん部屋を作ろうとすると壁もたくさん作ることになるので、建築費用を抑えたいなら、間取りを検討し直しましょう。

部屋数を減らすと、採光や、風通しなどがよくなります。

(3)水周りの設備を集中させるようにする

キッチン、トイレ、浴室など水周りの設備はできるだけ集中させることで、配管工事費の削減ができます。

本当に二階にも洗面所やトイレは必要なのか?など、設計の段階でよく検討するようにしましょう。

(4)資材や設備のグレードに気をつける

注文住宅に使われる資材や設備は、安価なものから高級品まで選べます。全ての資材や設備を高級なもので揃えようとすれば、予算はすぐにオーバーしてしまいます。

自分がこだわりたい場所・部屋だけグレードの高いものを使い、それ以外は標準的な資材にするなど、優先順位を決めておくことが大切です。

大切なことは、メリハリをつけることです。こだわりたいところにはトコトンこだわり、こだわらなくていいと思うところは、できる限り経費を削減するようにすることでトータルで建築費用を抑えることができます。

4.注文住宅を建てる前後にかかる諸費用一覧

コスト

注文住宅建築には、建築費用だけでなく、税金など諸費用がかかることを忘れてはいけません。予算の目安としては、総費用の10%程度となります。

また、これらの費用はローンが使えず現金一括払いとなることが多いので、必ず諸費用を払うぶんの現金を手元に残しておくようにしてください。

◎諸費用一覧

仲介手数料

(土地購入者のみ)

家を建てるための土地を新たに購入した場合は仲介手数料がかかります。法律で定められている仲介手数料の上限は取引金額の3%+6万円(簡易計算方式)です。
地鎮祭、上棟式費用(必要な人のみ)

神様に土地の利用を許していただき、工事の無事やその後の生活の安泰をお願いする儀式が地鎮祭です。一方、建物の躯体(骨組み)の建て方が進み、屋根の最上部の架構材(棟木)を取り付けた際に行う祭事です。ともに地域によって差があり、最近は行わないこともあります。

住宅ローン関係費用 住宅ローンを利用する場合、印紙税や抵当権設定登記費用、火災保険料、生命保険料、ローン保証料、融資手数料などの費用がかかります。金融機関によって異なるので確認が必要です。
登記手続き費用

表示登記時に土地家屋調査士、所有権保存登記の際に司法書士に申請手続きを依頼をしますが、それに対する報酬がそれぞれかかります。

その他、戸建てや土地を購入する場合には所有権移転登記が、建替えの場合には建物の滅失登記が必要です。登記手続きの報酬額は、登記の種類や建物の状況によって異なりますが、通常の場合は2~5万円程度です

引越し費用 引っ越し費用は距離や規模で変わってきます。必要のないものはどんどん断捨離して荷物を減らすようにしましょう。
仮住まい費用 今住んでいる住まいを建て替える場合には必ず必要となります。家が建つまでどんなに早くても4ヶ月程度、長いと1年程度になるのでかかる費用に注意しましょう。
家具・調度品等

窓などサイズが変わるので、カーテンの買い替えは必須です。今まで使っていたインテリア用品が新しい家の雰囲気と合わず、総取り替えになる可能性もあります。

こだわりの家を建てたら、インテリアもこだわりたくなるものです。ここで予算オーバーをしないように気をつけましょう。

税金

家を購入するとき、家を購入した後と、2つのタイミングで税金がかかります。家を購入した際の税金には軽減措置や特例などがあり、大幅に減税することもできます。

特例措置は市区町村によっても異なりますし、家を買ったタイミングなどでも違ってきますので、必ず事前に確認をしておくようにしてください。

減税について知らないまま家を建ててしまうと損をしてしまいます。費用負担を減らすためにも節税ノウハウについて調べておきましょう。

◎家を購入するときにかかる税金

印紙税 設計や工事の依頼時、住宅ローン設定時にそれぞれの契約書に対して印紙税がかかります。契約書に印紙を添付する形で納税します。
不動産取得税 土地や建物を取得した際にかかる都道府県税です。固定資産税の評価額を基準に、原則として4%を乗じた額を納税します。
登録免許税 土地や建物の登記時、住宅ローン契約に伴う抵当権設定手続きに登録免許税がかかります。税額は登記の種類ごとに異なります。
消費税 建築費用(土地代金、ローン保証料、火災保険料、生命保険料を除く)にかかかってきます。今後、税率アップが予定されているので要注意です。

◎家を買った後にかかる税金(毎年払う税金)

固定資産税 一部例外がありますが、ほとんどの土地と建物にかかる税金です。
都市計画税 指定された区域に家を所有している場合にかかる税金です。市町村によって税率が異なり、指定区域であっても課税されない場合があります。

5.注文住宅を建てる前に知っておく注意ポイント

鍵と平面図

注文住宅建築にかかる費用は、おすまいの地域によって、土地の値段や建築費に大きく違いが出るため、これくらい費用があれば大丈夫、といった判定が簡単にできません。

加えて、建てたい建物の構造や敷地面積によっても費用が異なりますので、理想の家づくりがどれくらい実現できるかどうかは、全てあなたの予算の立て方次第になります。

特に資材や設備が自由に選べる注文住宅ですから、かなり気をつけて予算を立てていかないと、あっと言う間に予算がオーバーしてしまいます。

これまでの復習になりますが、注文住宅建築にかかる全体費用(総費用)と比率をしっかり把握しておきましょう。

特に一番大きい額となる本体工事費用が最もオーバーしやすいので十分に気をつけてください。

・本体工事費用……総費用の70%~80%

・別途工事費用……総費用の15~20%

・諸費用……………総費用の5~10%

たとえば、総費用の上限が3,000万円としたら、2,100万円~2,400万円程度が本体工事にかけられる費用の上限になります。

この金額を超えてしまうと、すぐに予算オーバーとなってしまう可能性が高くなります。

上記のように、注文住宅にかかる費用は分割して具体的に把握しておくことで、予算オーバーを防ぎ、資金不足を避けるようにすることが大切です。

6.まとめ

これまで「将来は絶対に注文住宅で理想の家を建てるんだ!」とハウスメーカーのカタログをパラパラとめくりながらある程度、頭の中で予算を立てていた方も、たくさんいらっしゃるでしょう。

しかし、この記事で、注文住宅建築には、家を建てる以外にもさまざまな費用がかかるということをしっかり理解していただだけたと思います。

せっかく理想の家を建てるのですから、資金不足で泣くのは嫌ですよね。

しっかりと費用面の計画を立てて、夢の家づくりを成功させてくださいね。

▼次にぜひお読みいただきたい記事です!▼

関連記事