5分で分かる!固定資産税が増えるリフォームと増えないリフォーム

家

家のリフォームをしてしまうと固定資産税が増えてしまうかも、と不安に思う方がいらっしゃるのではないしょうか。

リフォームを行う前に、固定資産税が増えるか増えないかを知っておけば安心ですね。

固定資産税が増えてしまう可能性がある目安の一つに、「建築確認申請」が必要なほどの大幅なリフォームかどうか、ということがあります。

建築確認申請が必要なほどの大幅なリフォームの場合、固定資産税は増える可能性が高いと言えます。

逆に、建築確認申請の提出が不要な範囲のリフォームであれば、「劣化に伴う、必要な補修」程度のリフォームとされ、固定資産税は増えないケースが多いと言えるでしょう。

注)「建築確認申請」と「固定資産税の課税」は連動しているわけではありません。大きく関係しているのは「不動産登記を必要とするか」です。不動産の変更登記をしなければいけないような増改築には確認申請を伴うケースが多いため、この記事では比較的理解しやすい確認申請と関連付けて解説しています。確認申請すれば固定資産税増、しなければ増えない、ということではありませんのであくまで目安としてお考えください

本文では、固定資産税が増える可能性のあるリフォームと増えない可能性の高いリフォームについて、より具体的に詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

また、検討しているリフォームによって固定資産税が増えそうな場合は、一定期間、固定資産税を減額できる制度がありますので、こちらについても活用方法をお伝えします。

更に、リフォームの際に活用できる補助金の制度にも後半では触れています。あわせて確認しておきましょう。

1.固定資産税が増えない可能性の高いリフォームと、増える可能性のあるリフォームの違い

電卓とお金

この章では、固定資産税が増える可能性のあるリフォームと、増えない可能性が高いリフォームの違いについて、お伝えします。

ポイントは、リフォーム内容です。具体にどんなリフォームで固定資産税が増える可能性があるのか、詳しくみていきましょう。

1-1.そもそも固定資産税額はどのようにして決まるのか

はじめに固定資産税をどのようにして決定しているのかを知っておきましょう。

どうやって決まるのかを知っておけば固定資産税が増えることになる条件が理解できるからです。

家屋の固定資産税は以下の算式によって算出されます。

課税標準額×税率(1.4%※)=税額

(※2019年2月現在の税率)

家屋の場合、固定資産課税台帳に登録されている価格がそのまま固定資産税・都市計画税の課税標準額となります。(課税標準の特例が適用される場合は適用後の額となります。)

新築又は増改築された家屋については新しく固定資産課税台帳に価格を登録する必要があるため、当該家屋の調査を行い、評価する必要があります。

その評価をするために行われる調査が家屋調査です。

登記所からの通知又は所有者からの連絡等により新増改築家屋を把握した後、当該家屋が所在する区の各市町村(東京都23区内は都)の家屋評価担当職員が家屋調査を行います。

具体的には、各種建築資料(建築確認申請書、見積書、請負契約書、竣工図等)を参考にして、実際にどのような資材がどれだけ使用されて建築されているか等、外観、内装及び建築設備等の施工状況を確認します。

3年に一度、「評価替え」として価格を見直すことになりますが、原則として一度家屋調査を終えた家屋は建築物価の変動及び経過年数に応ずる減点補正率によって見直しが行われるため、家屋の状況が変わらない限り再度家屋調査を行うことはありません。

固定資産税については▼この記事▼でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

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1-2.固定資産税額が増えない可能性の高いリフォームとは

リフォームしても固定資産税が増えない可能性が高いケースとは、「劣化に伴う、必要な補修」程度のリフォームをする場合です。

これは、一軒家、中古マンション、どちらのリフォームにも当てはまります。

なぜ上がらない可能性が高いのか、建築確認申請せねばならない規模の工事ではないから、さらに言えば新築時以上に建物の価値が上がるものでなく、不動産登記も必要ないからです。

通常、増築、大規模の模様替え、用途変更など「登記を必要とする」ような大幅なリフォーム(リノベーション)の場合、建築確認申請が必要です。しかし「劣化に伴う必要な補修」程度のリフォームは、確認申請の必要がない場合がほとんどです。

具体的には、以下に当てはまるようなリフォームは、固定資産税にほとんど影響がないと考えていいでしょう

注)場合によっては固定資産税に影響がある可能性もありますので、その点はご注意ください。
固定資産税が変わらない可能性が高い例
1. 経年劣化にともなう、修繕のための内装リフォーム 例)壁紙や床の張替え
2. 主要部分にかかわらない、壁や柱などの変更 例)間切り壁や間柱の改修

1-3.固定資産税が増える可能性のあるリフォームとは

建物の種類、構造又は床面積について変更があり登記所に当該事項に関する変更の登記を申請する必要があるようなリフォーム、更にいうと建築確認申請が必要となるような大がかりなリフォームの場合、建物の価値が上がる可能性があり、固定資産税も上がる可能性が高いと言えます。

建物の種類、構造又は床面積について変更したとき、所有者又は登記名義人は、当該変更があった日から一月以内に、登記所に当該事項に関する変更の登記を申請することが義務付けられています。 

変更登記をした場合、登記所からその旨、各市町村(東京23区は都)の固定資産税担当窓口に通知されます。

建築確認申請が必要なリフォームには、次のような場合が該当します。

※建築確認申請が必要かどうかについては、工務店や建築士のいるリフォーム会社などに聞き、場合によっては行政の窓口に相談してもらうなどして、必ず事前に確認するようにしましょう。

①増築をともなうリフォーム

現在検討しているリフォームによって家の建築面積・延床面積が増える場合は建築確認申請が必要となります。(建築基準法上の「建築」にあたる行為)

床面積が増えるような場合、不動産の登記も必要となります。床面積をもとに固定資産税評価額も算出されることから、面積が増える分、固定資産税も増えることが予想されます。

空いている敷地に部屋を増築する、2階建てから3階建てにする、などのケースがこれに当てはまります。

②スケルトンリフォーム

スケルトンリフォームとは、建物の骨組みだけを残し、外観から内装、また耐震性能の向上など構造部以外多くの部分を改修するリフォームのことで、これも建築確認申請が必要です。(「大規模の修繕、模様替え」にあたる)

元の建物とは全く価値が変わるため、固定資産税も大幅に増える可能性が高いです。

ただし耐震化のための改修工事、バリアフリー改修工事又は省エネ改修工事をした場合は、減額、減免の制度があります。詳しくは2章にて解説します。

③使用用途が変わるリフォーム

もともとは自宅として使用していた建物をリフォームし、事務所やお店として使用する場合にも、建築確認申請が必要です。(「用途変更」にあたる)

建物の種類が変わる場合、変更登記が必要となり、登記手続きをした旨は市町村(東京23区は都)の固定資産担当部署に通知されます。

やはり建物そのものの価値が変わるため、リフォーム後、評価額が上がる可能性が高いです。

2. 固定資産税が減額される3つのリフォーム

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固定資産税が増えてしまう可能性が高いリフォームだとしても、一定の条件を満たせば、固定資産税が減額される制度が3つあります。ぜひリフォーム前にチェックしておきましょう。

※市区町村によって、提出する書類の名称など、異なる場合があります。詳細については、各市区町村の地方税担当課等にご確認下さい。

ここでは、東京23区を例としてお伝えしますので、参考にして下さい。

【例:東京23区の場合】

① 省エネリフォーム

平成20年 1 月 1 日以前からある住宅について、平成32年3月31日までの間に、一定の要件を満たす 省エネ改修工事を行った場合、当該家屋に係る改修工事完了年の翌年度分の固定資産税額の3分の1が減額 されます

減額の対象となる住宅

平成20年4月1日から平成32年3月31日までの間に、次の①から④までの工事のうち、①を含む工 事を行うこと
(①の工事は必須です)

① 窓の断熱改修工事(二重サッシ化、複層ガラス化など)
② 床の断熱改修工事
③ 天井の断熱改修工事
④ 壁の断熱改修工事

注)①から④までの改修工事により、それぞれの部位が現行の 省エネ基準に新たに適合することが必要になります。

○改修後の住宅の床面積が50㎡以上、280㎡以下であること。
〇改修工事に要した費用が50万円を超えていること。

改修工事が完了した年の翌年度分(1月1日完了の場合はその年度分)に限り、当該住宅の一戸あたり 120㎡の床面積相当分まで固定資産税の3分の1が減額されます。

詳しくは東京都主税局のホームページをご参照ください

② バリアフリーのリフォーム

バリアフリー改修工事をした住宅にかかる固定資産税の減額制度として、改修工事完了年の翌年度分(改修工事完了日が 1 月 1 日の場合はその年度分)の固定資産税に限り、当該住宅の一戸あたり 100 ㎡の床面積相当分までの固定資産税額を 1/3 減額する制度があります。

減額の対象となる改修工事には以下のような要件があります。詳しくは東京都主税局のホームページをご参照ください。

減額の対象となる要件
(1)新築された日から 10 年以上経過した住宅であること(※1)。
(2)居住部分の割合が当該家屋の 1/2 以上あること(但し、家屋の賃貸部分は 減額になりません)。
(3)平成 28 年 4 月 1 日から平成 32 年 3 月 31 日までの間に法令で定めるバリアフリー改修工事が行われたものであること。
(4)改修後の住宅の床面積が 50 ㎡以上、280 ㎡以下であること(※2)。
(5)バリアフリー改修工事に要した費用の額が一戸あたり 50 万円を超えていること。ただし、国又は地方公共団体からの 補助金等の交付等がある場合には、当該バリアフリー改修工事に要した費用の額から当該補助金等の額を控除した 額が、一戸あたり 50 万円を超えていること(※3)。
(6)改修工事完了後、原則として 3 か月以内に申告すること。
(7)申告時に、
①改修工事完了年の翌年の 1 月 1 日における年齢が 65 歳以上の方
②要介護認定又は要支援認定を 受けている方
③障害のある方(地方税法施行令第 7 条該当)
のいずれかの方が当該家屋に居住していること。
(8)耐震基準適合住宅に係る減額等の適用中でないこと(この減額と重複して適用することはできません。)。
(9)以前に、当該対象家屋がバリアフリー改修工事をした住宅にかかる固定資産税の減額を受けたことがないこと
(※1)平成 28 年3月 31 日までに改修された住宅については、H19 年1月 1 日以前から所在する住宅であること。
(※2)平成 28 年3月 31 日までに改修された住宅については、この要件を満たす必要なし。
(※3)平成 28 年3月 31 日までに改修された住宅については、地方公共団体からの補助金等の交付等がある場合には、 当該バリアフリー改修工事に要した費用の額から当該補助金等の額を控除した額が、一戸あたり 50 万円を超えていることが要件。

③ 耐震化バリアフリーのリフォーム

耐震改修を行った要安全確認計画記載建築物等の固定資産税が、申告により減額される制度があります。改修が完了した翌年度から2年度分の固定資産税の1/2が減額されます。

ただし、耐震改修に要した費用の 2.5%が限度となります。

減額の対象となる家屋
○ 要安全確認計画記載建築物または要緊急安全確認大規模建築物であること
○ 平成32年3月31日までの間に建築基準法に基づく現行の耐震基準に適合させるように一定の改修工事を施した家屋であること
○ 耐震対策緊急促進事業のうち耐震改修を行う事業に係る政府の補助を受けていること
○ 耐震基準に適合した工事であることの証明書等を受けていること
○ 所管行政庁に対して耐震診断結果を報告していること
○ 耐震改修促進法に規定された所管行政庁の命令または指示の対象となった家屋でないこと

上記の要件は専門的な知識も多く、改修工事の内容及び証明書の発行について改修工事の設計 及び工事監理をする建築士等によく相談する必要がありますので注意してください。

制度の詳細は東京都主税局のホームページをご参照ください。

3. 活用したい補助金制度

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リフォームによっては、条件を満たすと補助金を受け取ることができる制度が大きく分けると4つあり、できれば利用したいですよね。

かかる費用を少しでも減らせるよう、申請できる制度についてもここで確認しておきましょう。

※お住まいの地域により、実施されているリフォーム支援制度が異なります。下記サイトからも簡単に確認することができますので、参考にしてみてください。
また、最新情報については、各地方公共団体に問い合わせておくと安心です。

参考:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト

▼補助金制度についてはこの記事に詳しく書かれていますので参考にしてください▼

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① バリアフリー化補助制度

高齢者や、障害者向けに住宅を改修する際に、補助金が受け取れる制度を設けている場合、介護保険と合わせて受け取りが可能です。

手すりの取り付けや、段差の解消など、対象となるリフォームの詳細が決められており、事前申請が必要ですので、お住まいの自治体に確認してみてください。

② 省エネルギー化補助制度

省エネルギー化補助制度とは、住宅の省エネ対策を推進するべく設けられた制度で、一定の省エネ性能を満たすリフォームをした場合、補助金が交付されます。

ただし、重複して申請できないなどの条件があります。

③ 耐震化助成制度

耐震リフォームをしたい方におすすめなのが、こちらの制度。

耐震リフォームは高額な場合もあり、まずは耐震診断を行い、必要部分を改修するのが一般的です。

④ ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業

ZEH(通称ゼッチ)とは、簡単に言うと、年間のエネルギーの収支が0になる家のことを指します。

ZEHには基準がありますが、あくまでも使うエネルギーと発電するエネルギーが年間で同じくらいになるように設計された住宅であればよく、必ずしもオール電化である必要はありません。

その定義を満たすリフォームを行うことで補助金を受け取ることが可能です。

ZEHは特に要件が複雑です。環境省のページで詳しく説明していますので、こちらもあわせて確認してみてください。

環境省 平成30年度のZEH(ゼッチ)関連事業(補助金)について

4. まとめ

リフォームすることで、固定資産税が増える可能性、増えない可能性、ご確認いただけたでしょうか。

最後におさらいしておきます。

ポイント

リフォームしても固定資産税が変わらない可能性が高いケース≒建物確認申請(不動産登記)が不要なリフォーム

具体的には

1. 経年劣化にともなう、修繕のための内装リフォーム 例)壁紙や床の張替え
2. 主要部分にかからない、壁や柱などの変更 例)間切り壁や間柱の改修

大幅なリフォームで固定資産税が上がる可能性が高い場合も、ご紹介した補助金制度や節税対策を参考に、少しでもお得にリフォームできるよう、お住まいの自治体に確認してみてください。

これからリフォームをお考えの方にとって、この記事が少しでも役に立つことができましたら幸いです。

▼次にぜひお読みいただきたい記事です!▼

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