
リフォームを行う際に申請できる補助金はたくさんあります。リフォームにはそれなりの費用がかかりますので、補助金の対象になるならぜひ申請したいところです。
しかし、種類が多く、条件もさまざまです。
情報も複雑で、「自分は補助金をもらえるのだろうか」「自分が申請できる補助金はどれなのか」と迷っている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、リフォームの際に申請できる補助金を紹介します。
2018年度版の最新情報を掲載しています。あなたが今予定しているリフォームに該当する補助金があるのかどうか、この記事で確認することができます。
また、該当する補助金があった場合の申請の流れもまとめました。具体的にどのような準備が必要なのか、補助金申請の全体像が見えてきます。
さらに、補助金を確実にもらうために知っておきたい重要ポイントも3つお伝えします。
補助金交付の条件は複雑なため、補助金の対象になっていても、ちょっとしたことで補助金がもらえなくなってしまう可能性があります。
この3つのポイントを押さえておけば、もらえるはずの補助金がもらえないというもったいない事態を避けられます。
記事を最後まで読めば、補助金申請の準備がすぐにでも始められる状態になっているはずです。
まずは、自分のリフォームに該当する補助金があるのかどうか確認してみてください。
そして、該当する補助金が見つかったら、申請に向けて早速動き出してみてはいかがでしょうか。
目次
1.リフォーム時に申請可能な補助金一覧
リフォーム時に利用できる代表的な補助金として、国の支援事業によるものが4種類あります。さらに、各地方自治体もさまざまな補助金を用意しています。
補助金の内容はそれぞれ大きく異なるため、各補助金の概要、交付額、対象を以下にまとめました。
あなたが予定しているリフォームが補助金の対象となるかどうか確認し、利用できる補助金が見つかったら活用していきましょう。
1-1 ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金
ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)とは、
・断熱性を高める
・エネルギー効率の良い設備を導入する
・太陽光などを使って発電する
といった方法で、室内環境を快適に保ちつつ省エネを実現した住宅のことです。
再生可能エネルギーを使用して、年間で消費するエネルギー量の収支を0にすることを目指しています。
ZEH補助金は、ZEHの基準を満たす住宅に対して交付されます。
ただし、補助金を受け取るためには、ZEHをよく知る専門家である「ZEHビルダー/プランナー」にリフォームを依頼しなければなりません。
各ビルダー/プランナーで割当戸数が決まっており、予算にも限りがあります。補助金を希望する場合は、早めに業者に連絡を取って確認したほうがよいでしょう。
<補助金額>
補助金額は70万円/件です。
さらに、所定の蓄電システムを導入する場合には、3万円/kWhが加算されます。
(上限:30万円または補助対象経費の1/3のいずれか低い金額)
なお、2018年度から、さらに高度なZEH+が定義されました。
ZEHの基準に加え、追加要件を満たすと、補助額が115万円/件となり、所定の蓄電システムを導入する場合には、3万円/kWhが加算されます。
(上限:45万円または補助対象経費の1/3のいずれか低い金額)
<対象>
リフォーム対象の住宅を、申請時に申請者自身が所有していることが条件になります。
また、ZEHには具体的かつ専門的な定義があり、これを満たした住宅のみが補助金の対象となります。
「ZEHビルダー/プランナー」が工事を行うことも要件の1つです。該当する業者は、以下のサイトで検索できます。
詳細は、以下のサイトでご確認ください。
※平成30年度のZEH支援事業(補助金)について(資源エネルギー庁)
1-2 高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援補助金(断熱リノベ)
住まいの断熱改修を検討している方向けの補助金で、高性能な断熱材や窓を用いた住宅の省エネリフォームを支援する制度です。
また、戸建住宅向けには、家庭用蓄電池と家庭用蓄熱設備の導入支援もあります。
断熱材、ガラス、窓に関しては補助対象製品が決まっていますので、使用製品をリフォーム業者に確認してから申請しましょう。
<補助金額>
高性能建材(断熱材、ガラス、窓)の場合、補助率は補助対象費用の1/3以内です。
戸建住宅の場合、家庭用蓄電池の設備費として3万円/kWhまたは補助対象経費の1/3のいずれか低い金額、工事費として5万円/台または補助対象経費の1/3のいずれか低い金額が補助されます。
補助金の上限額は、戸建1住戸あたり120万円、集合住宅の場合は15万円です。
<対象>
リフォーム対象の住宅を、申請時に申請者自身が所有していることが条件になります。
また、高性能建材(断熱材、ガラス、窓)の場合は、補助対象製品を使用したリフォームのみが対象となるので注意が必要です。対象商品は以下のサイトでご確認ください。
なお、補助金の対象として申請できるのは、該当製品の材料費と、一体不可分の工事費のみとなっています。
リフォーム工事全体の費用が申請できるわけではありません。
また、家庭用蓄電池と家庭用蓄熱設備については、戸建住宅の断熱改修と同時に導入・回収する場合のみ補助対象となります。
詳細は以下のサイトでご確認ください。
住宅の省エネ・断熱リノベーションの支援補助金について
平成30年度 高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業
1-3 次世代省エネ建材支援補助金
1-2で紹介した断熱リノベと似た補助金制度です。
短工期で施工可能な高性能断熱パネルや潜熱蓄熱建材など、付加価値のある次世代省エネ建材を使用した断熱リフォームを支援します。
補助対象製品が決まっていますので、使用製品をリフォーム業者に確認してから申請しましょう。
<補助金額>
補助率は補助対象費用の1/2以内です。
戸建住宅の場合は1住戸あたり200万円、集合住宅の場合は1住戸あたり125万円が上限となります。
下限額はいずれも1住戸あたり20万円です。
<対象>
リフォーム対象の住宅に申請者が常時居住しており、申請時に申請者自身が所有していることが条件になります。
また、高性能断熱パネルまたは潜熱蓄熱建材のいずれかの改修が必須です。いずれかの改修を行えば、任意製品である玄関ドア、窓、ガラス、調質建材も補助対象となります。
ただし、改修に使用できるのは補助対象製品のみです。対象商品は以下のサイトでご確認ください。
詳細は以下のサイトでご確認ください。
住宅の省エネ・断熱リノベーションの支援補助金について
平成30年度 次世代省エネ建材支援事業 公募要領(二次公募)
1-4 長期優良住宅化リフォーム補助金
既存住宅を長く使うためのリフォームを支援する制度です。
劣化対策、耐震性、省エネ対策など、住宅性能を向上させるリフォームが対象となります。
また、子育てしやすい環境の整備も目的としており、複数世帯同居のためのリフォームも補助対象です。
子や孫の世代まで安心して住めるような家にリフォームしたい場合に選択肢となる補助金です。
<補助金額>
補助対象リフォーム工事費等の1/3が補助されます。
補助限度額は、リフォーム後の住宅性能ごとに、100万円~250万円に設定されています。
また、三世代同居対応改修工事を行う場合は、補助限度額が50万円引き上げられます。
<対象>
劣化対策、耐震性、省エネ対策など、住宅の性能を一定の基準まで高めるリフォーム工事が補助の対象となります。
リフォーム工事後に基準を満たしていることも要件となります。
また、工事前にインスペクションを実施することや、維持保全計画とリフォーム履歴を作成することも、補助金の要件に含まれています。これらにかかる費用も補助対象となっています。
詳細は以下のサイトでご確認ください。
平成30年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業について
http://h30.choki-reform.com/doc/overview_koubo_h30.pdf
http://h30.choki-reform.com/doc/summary_doc_all.pdf
1-5 地方自治体による補助金
地方自治体による補助金制度は、市町村ごとに異なります。この記事では、多くの自治体が補助金を用意している3つの分野を紹介します。
これらの補助金の金額や条件は、自治体や制度ごとで様々です。該当する補助金があるかどうか、リフォームの前に調べておきましょう。
・省エネ
省エネリフォームに対する補助金制度は、地方自治体レベルでも多数あります。
太陽光発電システム、燃料電池、LED照明機器、窓の断熱化など、省エネ設備に対する補助金は多くの自治体で用意されていますので、リフォームを検討する際に調べてみるとよいでしょう。
・耐震
耐震診断や耐震補強工事に対する補助金制度もあります。
昭和56年5月31日以前に旧耐震基準で建築された建築物が主に対象となっています。
また、地震発生時に倒壊・転倒のおそれがあるブロック塀の撤去等に対して、補助金を給付する自治体もあります。
築年数の経過した建物をリフォームする際には、調べてみることをおすすめします。
・バリアフリー
住まいをバリアフリー化するためのリフォームにも補助金が給付されます。
代表的なものが介護保険です。要支援者または要介護者と認定された人がお住まいの住宅では、収入に応じて1~3割の自己負担で工事が可能です。
20万円を上限に補助金が支給されます。
また、介護保険以外にも、バリアフリーリフォームに対する補助金を交付する自治体があります。
高齢のご家族がいる場合や、両親との同居を考えている場合など、リフォーム前に一度調べてみてはいかがでしょうか。
なお、申請できる補助金制度がお住まいの自治体にあるかどうか調べたい場合は、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」が便利です。
http://www.j-reform.com/reform-support/
2.補助金申請の流れ
使える補助金が見つかった場合、どのように申請すればよいのでしょうか。
一般的な補助金申請の流れは、以下の通りです。
①適切なリフォーム業者に相談する
②リフォーム補助金の申請を行う
③リフォーム工事を行う
④工事が完了し、補助金が支払われる
この章では、各項目についてもう少し詳しく触れていきます。
全体の流れを理解して、スムーズに補助金申請ができるようにしましょう。
なお、制度によっては流れが異なる場合があります。各補助金の要項を必ずご確認ください。
2-1 適切なリフォーム業者に依頼する
補助金を利用したい場合は、適切なリフォーム業者に依頼しなければなりません。リフォーム業者によっては、補助金が交付されないケースもあるからです。
例えば、1-1で紹介したZEH補助金の場合、「ZEHビルダー/プランナー」が工事を行うことが条件の1つになっています。
つまり、ZEH補助金を受け取りたければ、必然的にZEHビルダー/プランナーに依頼しなければならないのです。
補助金申請をスムーズに進めるためにも、自分が利用したい補助金の条件に当てはまる業者かどうか、相談や見積もり依頼を行う前に確認しておきましょう。
2-2 リフォーム補助金の申請を行う
依頼するリフォーム業者が決まったら、補助金申請の準備を始めます。
申請自体は、リフォーム業者が代行するのが一般的ですが、一部の書類の作成や準備は必要になります。
注意しておきたいのは、申請のタイミングです。補助金によって、申請がリフォーム工事の契約よりも前になる場合と後になる場合があります。
例えば、長期優良住宅化リフォーム補助金の場合は、補助金の申請前に契約を結んでいなければなりません。
一方、断熱リノベ補助金は、補助金の交付が決まってから契約しないと、補助金対象から外れてしまいます。
利用したい補助金はどのタイミングで申請すればよいのか、必ず事前に確認しておきましょう。
2-3 リフォーム工事を行う
補助金の交付が決まったら、リフォーム工事開始となります。補助金の交付が決まる前に工事を始めてしまうと、補助金を受け取れなくなってしまいますので注意が必要です。
また、工事完了の期限が決められている補助金もあります。所定の期間内に工事を終えて手続きを完了できないと、補助金の対象外になりますので、こちらも注意が必要です。
事前にリフォーム業者とスケジュールをよく確認しておきましょう。
2-4 工事業者が工事完了報告を行う
リフォーム工事が終わったら、工事業者が補助金の申請先に対して工事完了の報告を行います。その後、依頼主に補助金が振り込まれる流れとなります。
補助金交付のタイミングはさまざまで、交付まで数ヵ月を要することもあります。
すぐにお金が入るとは限らないことを念頭に置いておきましょう。
3.補助金を確実にもらうための重要ポイント
リフォームの補助金を確実にもらうためには、押さえておくべき重要なポイントが3つあります。
補助金の対象になっていても、この3つのポイントが守られていないと、補助金がもらえなくなってしまうおそれがあるからです。
もらえるはずの補助金がもらえなくなってしまうのは、非常にもったいないことです。以下を踏まえて申請を行い、確実に補助金を受け取れるようにしましょう。
3-1 併用できない補助金がある
目的の重複する国の補助金を併用することはできません。
例えば、長期優良住宅化リフォーム推進補助金は、ZEH補助金や高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援補助金、次世代省エネ建材支援補助金と併用できません。
また、地方自治体の補助金であっても、国の資金が原資となっている補助金があります。そのような補助金を2つ以上併用することはできません。
地方自治体の窓口に問い合わせて、希望する補助金が併用可能かどうか確認しておきましょう。
もし複数の補助金の対象になるものの併用できない場合は、最も金額の大きい補助金を選ぶようにしましょう。
3-2 申請のタイミングが大切
補助金を確実に受け取るためには、申請のタイミングが非常に大切です。
申請受付期間や工事実施期間、工事終了後の完了報告の期限まで、補助金申請のスケジュールは細かく定められています。
どれか1つでもタイミングを誤ると、補助金をもらうことができなくなってしまうのです。
2-2でも触れましたが、補助金申請が通る前に工事を開始してしまうと、補助金の対象外となってしまいます。
また、補助金の交付件数が決まっている場合や、予算が限られている場合もあります。
その場合、申請期間中に補助金を申請したとしても、早い者勝ちで期間中に受付が終了してしまう可能性もあります。
利用したい補助金についてよく調べ、申請スケジュールを把握したうえで早めに動くようにしましょう。
3-3 適切な業者を選ぶ
補助金を利用したいのであれば、業者選びが非常に大切です。理由は2つあります。
① 多くの補助金で、工事業者に関する条件が定められているため
例えば、ZEH補助金は「ZEHビルダー/プランナー」が工事を実施しなければ対象外となります。
また、地方自治体の補助金の多くは、地元のリフォーム業者が工事を請け負うことが条件となっています。
業者選びを間違ってしまうと、その段階で補助金を受け取れなくなってしまうのです。
② 補助金の申請は基本的にリフォーム業者が代行するため
書類の作成や提出、リフォーム後の報告などは、基本的にリフォーム業者が行います。
補助金について詳しく、申請に慣れた業者に依頼したほうが安心です。
できるだけ早い段階で補助金について調べておき、最初から条件を満たす業者に相談するようにしましょう。
また、補助金を利用したい旨を最初から業者に話しておくと、補助金について詳しい業者かどうか判断がつきやすくなります。
4.まとめ
リフォームの補助金には、
・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金
・高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援補助金
・次世代省エネ建材支援補助金
・長期優良住宅化リフォーム補助金
があるほか、地方自治体レベルで省エネ、耐震、バリアフリーなどの補助金制度も用意されています。
また、申請できる補助金がある場合は、
・適切なリフォーム業者に依頼する
・リフォーム補助金の申請を行う
・リフォーム工事を行う
・工事業者が工事完了報告を行う
という流れが一般的です。
補助金には、制度ごとにさまざまな条件があります。ポイントを外してしまうと、もらえるはずの補助金がもらえなくなってしまうこともあります。
もし利用できそうな補助金が見つかった場合は、その制度について詳しく調べ、補助金の交付条件やスケジュールなどを把握しましょう。
そして、確実に補助金が受け取れるように、業者に相談しながら準備を進めるようにしましょう。
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