リフォームを希望通りに成功させるための予算のたて方

図面と模型

「家がだいぶ老朽化してきたので大規模なリフォームがしたいが、資金がそれほど用意できない。
今の手持ちの資金で、どうやって予算を組めばいいんだろう?」

「トイレのリフォームをしたいけど、できれば洗面所も一緒にリフォームしたい。うまく予算を立てられたら可能になるのかな?」

リフォームを考え出したら、最初に悩み出すのはやはり予算のことですよね。

だからと言って、いきなりリフォーム会社に問い合わせるのも気がひけるし、仮に問い合わせて高額な見積を出されても、それが適正なのかもわからない……

そんな悩みを持つあなたに、プロがリフォーム予算の立て方をわかりやすく解説します。

この記事を読めば、リフォームにかかる費用のおおよその見当がつき、迷わずにリフォーム予算を立てることができるようになります。また、予算を立てる際のポイントや見落としがちなポイントもわかります。

1.今用意できる資金で可能なリフォーム内容を知る

見積書

まず、今あなたが用意できる資金でどんなリフォームが可能なのか、おおよその予算で可能なリフォーム内容について、まずは知っておきましょう。次章の1-1.では、場所別のリフォーム予算を紹介していますので、合わせてご覧になれば、さらに理解が深まります。

手持ちの資金で可能なリフォーム内容がわかれば、リフォーム計画を見直すことができ、予算も立てやすくなります。

◆予算別・可能なリフォーム内容

50万円程度部分的な設備の入れ替えができる。トイレや洗面台を一新したり、キッチン周りであれば、IHヒーターや食洗機の導入なども可能。宅配ボックスの設置などもできる。
100〜150万円程度キッチンや浴室の設備の入れ替えなどが可能になる。外壁周りもこれくらいの予算があればできる。部屋の広さにもよるがフローリング張り替え、壁紙張り替えなども可能。
300〜500万円程度複数箇所を同時にリフォームできる。水周りを一気にリフォームすることも可能。間取りの変更まで含めたリフォームもできる。中古住宅を購入してリフォームしたい場合、リフォーム予算として500万円程度は最低必要。
1000万円程度フルリフォーム(リノベーション)が可能になる。

トイレ・洗面所等の1箇所のみで、資材のグレードにこだわらなければ、50万円以下の資金でもリフォームが可能です。複数箇所のリフォームを考えているのなら、最低でも300万円前後の資金は用意する必要があるでしょう。

1-1.リフォームしたい場所別の予算額を知る

次にリフォームしたい場所別の予算額を見ていきましょう。すでにリフォームしたい場所が決まっているのなら、こちらが参考になります。また複数箇所のリフォームを考えているなら、前章と合わせてご覧ください。

今の資金では無理かな?と思われる複数箇所のリフォームも、複数箇所を一気にリフォームする場合は、ひとつひとつのリフォーム予算の合算価格よりも安くできる場合があります。

リフォーム
したい場所
費用相場の
中心的な価格帯
備考
トイレ20〜50万円洋式便器を交換する場合、50万円程度
キッチン60〜80万円システムキッチンを新しく設置する場合などは100万円程度
風呂・浴室80〜100万円ユニットバスを新調する場合は100万円超
洗面所20〜50万円シンプルな機能でよければ10万円程度でも可能
外壁・外壁塗装100〜120万円使用する塗料のグレードで予算が決まる。外壁張替は150万円超
屋根周り20〜40万円屋根面積で費用が決まる。塗装と同時に補修工事が必要になることが多い
ベランダ・
バルコニー
20〜100万円新しくベランダを取り付ける場合は20万円程度
門扉・フェンス20〜50万円カーポート設置程度なら10万円程度。全面改装なら100万円超も
和室10〜20万円畳の取り替えのみなら15万円程度(部屋の広さによる)
洋室・子供部屋20〜50万円和室を洋室にする場合は50万円程度かかる

 価格帯の幅は、使用する資材や設備のグレードなどで大きく変わってきます。あまりこだわらない方であれば、下方の金額に近くなると考えていいでしょう。とはいえ、低品質の資材は耐久年数なども少なくなりますので、品質を落としすぎることはおすすめしません

2.希望のリフォームを可能にする予算を立てる際のポイント

 

キッチン

無計画にリフォーム予算を組むと予算オーバーの原因になります。用意できる資金の中で最大限満足できるリフォームを行うためにも、予算の立て方にはいくつかのポイントがあります。予算オーバーを防ぎ、リフォーム後に後悔することがないように必ずチェックしましょう。

2-1.家の総点検をしてリフォームをする規模を決める

 

リフォーム予算を立てる前に、お家の総点検を行って、問題のある箇所はどこなのか?リフォームが必要な箇所はどこなのかをはっきりとさせておくことが大切です。

リフォームを考え出したということは、家全体が古くなっているということです。最初は老朽化が目立つ1、2箇所だけリフォームすればいいと思っていても、数年後に違う箇所のリフォームをすることになるかもしれません。トイレやキッチンだけのリフォームを考えていたとしても、結果的に水周り全体のリフォームをしなければならなくなるというケースもあります。

後からリフォームしたいところを追加していくと、予算オーバーの原因にもなります。だいたいでもいいのでリフォームの規模を決めましょう

2-2.リフォームの予算配分の優先順位を決める

リフォームの規模を決めたら、次に予算配分の優先順位を決めます。なぜなら、重要箇所や緊急性の高い箇所のリフォームを優先するべきだからです。水周りがすでに故障などしている場合は、他の部屋のリフォームよりも優先しなくてはいけないはずですよね。

(1)複数箇所のリフォームを行う場合

一番予算をかける場所とそれほどかけなくていい場所をしっかり決めます。優先順位を決めておかないと、それほどこだわらなくていいところにハイグレードの資材を使ってしまったりして、一番予算をかけてリフォームしなくてはいけない部分の予算が減ることになりますし、最悪予算オーバーとなってしまいます。

(2)1箇所のみリフォームを行う場合

トイレなど、1箇所のみのリフォームを考えている場合でも優先順位を決めておくことは大切です。トイレ便器の機能を最高にしたいのか、便器のグレードは普通でもいいから、壁紙などの資材に高級感を求めるのか。全てを最高のグレードにしたら予算オーバーは確実です。

大規模リフォームでも小規模リフォームでも、どこの予算を一番厚くすればいいかの優先順位を必ず考えておきましょう

2-3.一戸建てとマンションのリフォーム予算の違い

一戸建てとマンションではリフォーム予算の立て方に違いがあります。戸建とマンションではリフォームできる部分が違うからです。マンションの方は予算オーバーを気にするよりも、リフォーム可能な箇所の確認が最重要です。一戸建の方は、予算オーバーにならないように予算計画をしっかり立ててください。

①マンションの場合

お住いのマンションごとにリフォーム範囲が制限されているはずです。分譲マンションには「管理規約」が定められていて、専有部分と共有部分についての記述、工事を行う場合の手続きなどの規則があるはずですので必ず確認してください。集合住宅ですから、自分が住んでいる範囲以外の部分に手をつけることはできませんし、様々な制約の中でのリフォームとなります。使用できる資材などにも制限があるケースがあるので注意しましょう。リフォーム費用は一戸建てに比べて抑えられる傾向があります。

②一戸建の場合

戸建の場合は最終的には建て替えも可能ですから、予算さえ許せば思い切ったリフォームを行うことが可能です。そのぶん戸建は予算がふくらむ傾向があります。資金が潤沢で予算オーバーしても構わない方は別ですが、限られてた予算内でリフォームしたい場合は、計画をしっかり立てましょう。

2-4.予算を抑えるためにできること4つ

予算はできるだけ抑えて、リフォームを完了させたいですよね。ここではほんの少しの工夫で予算を抑える方法と、予算を抑える上で注意したいポイントを解説します。

①リフォーム計画を万全にして追加リフォームを避ける

前章でも述べましたが、無計画なリフォームは予算オーバーの最大の原因になります。特に追加のリフォームは予算オーバーの元。リフォームがスタートし、キレイになっていく家を見ているうちに追加のリフォームをしたくなる方がいますが、これも最初にリフォーム計画をきちんと立てていれば防げることです。必ず最初にリフォーム計画を立てましょう

②最低限の機能だけを揃えた資材を使ってコスト削減を図る

高機能の資材はハイテク技術が搭載されているぶん高価格となります。資材の品質を下げるのではなく、ムダな機能を削ぎ落としたシンプルなものを選ぶだけでもかなりの節約になります。オプション機能の有無でも価格が変わることがあるので、しっかりチェックをして選びましょう。納得できる範囲であればアウトレット品を利用するという手もあります。

③リフォーム会社には予算額をはっきり提示する

見栄を張らずに予算額をはっきりと提示し、予算内で収めたいことをリフォーム会社に伝えることも大切です。出せる金額の上限が見えれば、リフォーム会社のほうもコスト削減の方向で見積もりを見直してくれるものです。「もう少し安くして」などと、あいまいな値引き交渉をすると、リフォーム会社もどこの予算を削ればいいのかわからなくなってしまいます。予算配分の優先順位のほか、予算を抑えてもいい部分、予算は抑えたくない部分もはっきりと伝えましょう

④激安・格安リフォームには注意する

激安・格安リフォームを売りにしているリフォーム会社も存在しますが注意が必要です。激安・格安で売られているものには必ず理由があるからです。食品であれば、賞味期間が切れる直前だったり、衣料品であれば規格外品であるなど必ず理由がありますよね。リフォームの場合もその裏には、なんらかの理由があるのです。

工事に使用する資材が低品質であったり、決められた資材の中からしか選択ができないシステムになっていることもあります。アフターサービスが万全でなかったり雑な対応をされることも考えられます。予算を抑えたいからといって激安・格安リフォームにいきなり飛びつくのは止めましょう

3.予算内で希望のリフォームを実現するために知っておきたいこと

リビングダイニング

ここまで読めば、自分が理想とするリフォームの実現について、だいたいの予算の立て方がわかったのではないでしょうか。この章ではさらに納得できるリフォーム実現のために、お金に関する情報を3つご紹介します。

3-1.資金計画をしっかり立てつつローン活用も考える

どうしても資金が足りないという方はローンの活用も考えましょう。背伸びをしないで堅実なリフォーム計画を立てることは基本ですが、最初は手持ちの資金だけでやり繰りできると思っていても、いざリフォームを考え出すと、あれもこれも……、と予算金額が大きくなってしまうこともあります。

リフォームローンと一言で言っても、さまざまな種類のローンがありますので、あなたの実現したいリフォーム内容やご自身の経済状況などを考慮して、無理のないローンを組むようにしてください。

3-2.減税制度や補助金を賢く利用する

一定の条件がありますが、リフォームには減税制度や補助金制度の適用があります。リフォームの種類によっては補助金が出たり減税の対象になり、大幅に予算を削減できる場合もありますのでぜひ活用しましょう。

特に「耐震」や「バリアフリー」をはじめ、「省エネ」「同居対応」「長期優良住宅化(耐久性向上)」などを目的としたリフォームを行った場合、一定の要件を満たせば減税対象となります。また条件付きですが住宅ローン減税もあります。固定資産税や贈与税などにも減税措置制度がありますので覚えておきましょう。

国や地方公共団体には住宅リフォーム支援制度があり、補助金を得ることができます。地域によって制度や補助金の額が異なりますので、一度、お住いの地域の支援制度を調べてみるといいでしょう。

3-3.工事費以外にかかるお金を知っておく

リフォームは工事費以外にもかかるお金があります。予算を工事費のみで立ててしまうと、思わぬ出費に泣くことになりますので注意してください。たとえば、工事現場に車で通ってくる職人さんのために、一定期間駐車場を確保しなければいけない場合もあります。リフォーム期間が長期になれば、かかる費用もバカになりませんよね。

全面的なリフォームを行う場合には、一時的に仮住まい生活となりますので、ホテルなど短期間の滞在先を確保しなければなりません。さらに引越しをしたりトランクルームに荷物を預けるためのお金がかかります。それ以外にも契約や事務手続きにも諸費用がかかりますので気をつけてください。

リフォームを行えば、インテリアも一新したくなるもの。キレイになったお部屋にふさわしく、ソファやカーテンを新調したくなるかもしれません。そのための予算もしっかり計算しておきましょう。

4.まとめ 

いかがでしたか。

予算内で理想のリフォームを実現するためのポイントをまとめました。

・最初にしっかりとリフォームの計画と予算を立てること
・予算配分についても優先順位を考えておくこと
・予算を抑える工夫をするとともにローン利用も考える
・リフォーム減税・補助金を賢く活用する
・工事費以外の出費も把握しておく

特に、リフォーム計画と予算をしっかり立てることは最重要ポイントでしたね。ここをいい加減にしてしまうと、後から追加でリフォームをすることになり、出費がかさむ原因になりますから、必ず時間をかけましょう。

リフォーム後のきれいになった部屋や家をイメージしながら、リフォームの計画を立てたり予算を決めるのは楽しい作業ですよね。

あなたのイメージ通りのリフォームの実現に、この記事をぜひ役立ててください