二世帯住宅の価格は?豊富なデータや販売例から購入費用を詳しく解説!

二世帯家族

二世帯住宅を建てたいけれど価格はどれくらいだろう?」「一般的な戸建て住宅と比べて二世帯住宅の費用感をつかみたい」とお考えですか?

住宅の購入は人生の中で最も大きな決断のひとつ。だからこそ適正価格を把握して、満足できる買い物をしたいですよね。

ただし、二世帯住宅を検討中の方にとって、一般的な戸建て住宅と比較して価格を正確に把握しにくいのは事実です。なぜなら、各々の好みや望む生活スタイルによって、住宅価格にもバラつきがあるからです。例えば、同居の方法によって住宅の何をどこまで共用するか、また建売を購入する場合は「新築」にするか「中古」を選ぶかなどです。
だからこそ、家族で相談したり具体的に検討するためにも、ベースとなる費用感をしっかり把握しておきたいところ。

そこでこの記事では、二世帯住宅の価格について、データや実際の販売物件の価格を参考に解説していきます。さらに、購入価格を抑えるためのコツや、購入時の諸費用にも触れています。

最後まで読めば、二世帯住宅を購入する際の費用感のイメージが明確になり、家族で話し合ったりハウスメーカーに見積もりを取るなど、具体的に検討できるようになります。ぜひ最後まで目を通してください。

1. 二世帯住宅の価格相場は?

平面図と電卓

二世帯住宅は間取りのタイプや、購入方法によって価格が上下します。ここでは、新築で建てる場合、中古物件の購入を検討する場合、リフォームする場合に分けて事例やデータを基に解説していきます。

1-1.新築で建てる場合の平均価格は3,566万円

新築で二世帯住宅を建てる際、ハウスメーカーのサイトなどを見ても、販売価格の事例は公開されていないことがほとんどです。これはその事例によって建設に際しての事情はさまざまで購入価格が上下するからだと考えます。

では、実際の価格がブラックボックスなのかと言うと、そうではありません。客観的な調査結果データを基にある程度割り出して予測することができます。

 

土地代を除いた新築物件の建築費用について、以下の調査結果があります。

表1 平均の床面積と建築費用(単世帯n=1601、二世帯n=275)

注文住宅動向トレンド調査

「2014年 注文住宅動向・トレンド調査(リクルート住まいカンパニー調べ)」
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_money/h0wp13844/

このデータを元に単世帯住宅、二世帯住宅それぞれの価格を坪単価に換算すると、

・単世帯住宅…61万円
・二世帯住宅…62万円

ということが分かります。坪単価にすると単世帯でも二世帯でもほとんど同じだといういことがわかります。すなわち、住宅の面積の大きさが価格の差になるというわけです。

このデータから、新築住宅の坪単価を約「60万円」と仮定し、具体的な価格帯を算出してみましょう。

二世帯住宅の居住スタイルは、主に以下の3タイプに分類できます。

 完全同居型(寝室以外の設備をすべて共用する場合)
 ・一部共用型(設備を部分的に共用する場合)
 ・完全分離型(居住スペース、設備をすべて分けて暮らす場合)

購入価格は以下のデータがあります。完全同居型→一部共用型→完全分離型の順に必要とする床面積や設備が増えるため、価格も上がることが理解できます。

・完全同居型…3,200万円
・一部共用型…3,695万円
・完全分離型…4,009万円

「2014年 注文住宅動向・トレンド調査(リクルート住まいカンパニー調べ)」
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_money/h0wp13844/

坪単価を60万円として面積を逆算すると、それぞれのタイプの平均坪数は以下のように考えられます。

・完全同居型(3,200万/60万)=53坪
・一部共有型(3,695万/60万)=61坪
・完全分離型(4,009万/60万)=66坪

面積のバラつきを考慮して、坪数の幅を±5坪とし具体的な価格帯を算出すると、

・完全同居型(48~58坪×60万円)2,880~3,480万円
・一部共有型(56~66坪×60万円)3,360~3,960万円
・完全分離型(61~71坪×60万円)3,660~4,260万円

今回は坪単価60万円で計算を行いましたが、仕様をおとしたり工夫をすることによって抑えることも可能です。

二世帯住宅を新築する場合、居住人数やライフスタイルに応じて設計時点から柔軟に計画できるところはメリットです。先ほどの価格帯をベースに、工法や必要な設備、内外装のこだわりにより、実際の価格は上下します。

1-2.中古物件を購入する際の価格は物件によって開きがある

二世帯向けの中古物件の場合、価格にバラつきがあります。築年数や地域・間取りにより、価格に幅があるからです。極端な話、1,000万円を切る物件から1億円を超える物件まで価格は様々です。

物件情報検索サイトでは、「二世帯住宅向き」という条件で検索可能です。具体的にイメージできるように、実際の販売中だった(2018年9月時点)情報を以下に記載します。

(1)完全同居型の例

トイレは2階にも設置されていますがその他設備は1階に集約され、完全同居型を想定した二世帯向け住宅です。

完全同居型平面図

築年数:42年
間取り:4LDK
土地面積:125.38m²
建物面積:94.91m²
住所:神奈川県藤沢市
価格:1,780万円
(引用)LIFULL Home’s
https://www.homes.co.jp/kodate/b-1365070008129/

(2)完全分離型の例

1・2階それぞれに玄関、浴室、キッチン、トイレが設置されており、それぞれの生活空間を行き来せずに生活できる完全分離型の二世帯向け住宅です。

完全分離型平面図

築年数:35年
間取り:5LDK
土地面積:356.75m²
建物面積:197.62m²
住所:兵庫県神戸市
価格:3,080万円
(引用)LIFULL Home’s
https://www.homes.co.jp/kodate/b-1190980007202/

(3)一部共用型の例

玄関と浴室、洗面所は二世帯で共用できるように1階にだけ設置されています。一方でキッチンは1・2階それぞれに設置。一部共有型の二世帯向け住宅です。

一部共有型平面図

築年数:21年
間取り:4SLDK
土地面積:173.3m²
建物面積:147.39m²
住所:東京都日野市
価格:3,880万円
(引用)LIFULL Home’s
https://www.homes.co.jp/kodate/b-88740000530/

※データはいずれも2018年9月時点

中古物件は新築するよりも、早く手に入れることができるのがメリットでしょう。実際の物件を内見することができますし、引越しをするだけで生活がスタートできるからです。

しかし、ピンと来る物件が見つかっても、他の検討者に先を越されてしまうと候補から外さなければいけません。二世帯向きの住宅は、単世帯用の住宅や賃貸マンションよりも、そもそも物件数が限られるためです。

間取りや設備など、居住予定の家族のライフスタイルにマッチする物件があれば、早めに決断するのが吉と言えます。

1-3.二世帯向けのリフォーム価格は1,000~1,500万円前後

リフォームの場合、物件をイチから新築したり、中古で購入するよりは費用は安価ですみます。公開されている二世帯住宅へのリフォーム事例や、リフォーム会社の情報によると、リフォーム費用はおよそ1,000~1,500万円前後のケースが多いようです。

“「完全分離タイプ」や「一部同居タイプ」といった大掛かりなリフォームであっても1,000万円〜1,500万円程度、多くの共有部分を残す「完全同居タイプ」などの部分的なリフォームであれば300万円〜”
(引用)二世帯住宅リフォームの費用とプラン-住友不動産の新築そっくりさん
https://www.sokkuri3.com/kodate2/advantage/4-1-10/detail/

“二世帯リフォームの費用と相場の中心価格帯:1000〜1250万円”
(引用)二世帯リフォームの費用と相場-ホームプロ
https://www.homepro.jp/hiyou/nisetai/kodate.html

ただ、費用はリフォームの規模によって上下します。間取りをどのように変更するか、どの設備を二世帯分に増やすかで予算は大きく変わってくるからです。

ここからは、実際のリフォーム事例を見ていきましょう。

〇事例1
リフォーム箇所:キッチン、和室
リフォーム内容:築年数を経た母屋部分を撤去し、そのスペースにご両親や息子さんのスペース、バスルーム等を増築。離れは皆で過ごすLDK、和室、ご夫妻のプライベートルーム等にリノベーション。
費用:1,070万円
(引用)受け継がれる住まい~3世帯同居のカタチ【リノベーション編】-ホームプロ
https://www.homepro.jp/jirei/K58115.html

〇事例2
リフォーム箇所:キッチン、浴室・バス、トイレ、洗面、リビング、洋室、玄関
リフォーム内容:完全2世帯住宅で、1階はご両親、2階をご夫婦の生活空間として、キッチン・トイレ・浴室等の水廻りを新設。
費用:1,448万円
(引用)気兼ねなく生活できる完全分離の2世帯住宅にフルリフォーム!-ホームプロ
https://www.homepro.jp/jirei/K43610.html

〇事例3
リフォーム箇所:リビング、ダイニング、キッチン、居室、バス、洗面、トイレ、玄関
リフォーム内容:1階は間取りを変更し、庭から直接出入りできる位置にお母さまの部屋をプランニング。バリアフリーや介護のしやすさにも配慮(中略)2階はご夫妻の寝室とお子さま3人それぞれの個室、ご主人の書斎を確保し、プライベートスペースを充実。
費用:1,600万円
(引用)安心&モダンな二世帯住宅。-パナソニックリフォーム株式会社
https://home-renovation.panasonic.com/example/113/

「どのような設備を増やしたいか」「部屋数は何部屋増やしたいのか」といった家族の希望を明確にして、現状の住まいを最大限に生かす方法をリフォーム会社に提案してもらいましょう。

2. 二世帯住宅の建築/購入価格を抑える3つのコツ

建て方模型

この章では、二世帯住宅の購入価格を抑える3つのコツを解説していきます。「快適な二世帯住宅に住みたいけど予算に限りが…」というケースが出てくるからです。

理想の住まいと現実な予算の間で、上手く落としどころを見つけるために、ここでご紹介する方法を理解しておきましょう。

2-1.共用部分の割合を増やす

一部共用型の二世帯住宅を検討している場合、共用部分の割合の調整によって費用を抑えられます。共用部分が増えれば住居内の設備は少なくてすむからです。特に、浴室やキッチンなど水周りの設備は、増設する際の費用が高額です。

世帯内で共用している部分を調査したデータがあります。共有設備を検討する際の参考にしていただけます。

表2 同居世帯と共有している部分

同居世帯と共有している部分

「2014年 注文住宅動向・トレンド調査(リクルート住まいカンパニー調べ)」
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chumon/c_money/h0wp13844/

上位にランクインするバスやキッチンは、新たに設置するのにかなりの費用が掛かります。

例えば、1つの二世帯住宅の中でキッチンとバスを1つずつ増設する場合、少なくとも追加で以下の費用が必要です。

・キッチン…50~150万円前後
・バス…50~100万円前後
(参考)キッチン施工事例-大阪のマンション水回りリフォームなら優和プランニング
https://yuuwa-planning.jp/kitchen-case/
https://yuuwa-planning.jp/bath-case/

また、増設する際には、壁や天井・床を施工する費用もかかります。この施工費用はバラつきがあります。増設する設備を余裕のある空きスペースに設置するのか、間取りを大幅に改造して設置するかで費用は異なるからです。
複数の住宅メーカーの見積もりを依頼して、比較することをお勧めします。

もし共用で使用できる場合、数十~数百万円の費用が浮くため、お財布へのインパクトは大きいですね。

各々の生活スタイルや人間関係によって、「お風呂は共用でもいいけど、キッチンは別々にしたい」というケースもあるでしょう。「共用してもいい設備は何か?」「別々にしたい設備は何なのか」を家族で話し合ったうえで検討してください。

2-2.複数の住宅メーカー、工務店から見積もりを得る

二世帯住宅の新築やリフォームを検討する際には、複数の住宅メーカー、工務店から見積もりを得るようにしてください。1社だけの見積もりでは適正価格か判断しにくいからです。

また、高額な住宅の施工を依頼するうえで、価格以外の部分も住宅メーカー、工務店を選ぶポイントです。

例えば、期日を決めて見積もりを依頼したのに、平気で締切に遅れて提出されたらどう感じるでしょう?高額な買い物をするのに、わざわざそのメーカーに任せようとは思わないですね。その後のやり取りにも不安が残ります。

見積りをとり、内容を精査するのは当然です。ただ、ストレスなくコミュニケーションできることは、快適な住まいを手に入れるための、業者選びのポイントといえます。そのためにも複数の業者に見積り依頼してください。

2-3.建物をシンプルにする

価格を抑えたい場合、建物自体をシンプルな造りにすることです。端的には、建物の形を極力四角形に近づけることです。

コの字型やL字型の住宅は、四角形の家よりも価格は高くなります。なぜなら、柱や壁の量が増えるため、材料や施工コストが増えるからです。また、2階建ての家を建てる場合は。1階と2階の壁の位置を揃えると費用を抑えられる傾向にあります。壁の位置が異なることで、耐久性を維持するために梁を大きくするためのコストが上乗せされるなどの理由からです。完全に同じ間取りというのは難しいかもしれませんが、できるだけ上下階を似せるように検討してみましょう。

以上のように、新築する際の建築費用を抑えたい場合は、シンプルな設計となるように建築士さん、メーカー、工務店に相談してみてください。工務店からの見積もりを見て「もう少し費用を抑えたい」と感じたら、壁の数や、そもそもの形を見直すことを工務店と一緒に検討してみてください。

3.住宅購入にかかる費用まとめ

新築・中古問わず、住宅を購入する際には諸経費が掛かります。小さなものは数千円から大きなものは数十万円以上と幅があるため、住宅購入を検討されるなら一通り理解しておくべきです。主な費用を以下にまとめました。

3-1.購入時にかかる費用

・申込証拠金
物件の購入申込みの際に不動産会社に支払います。目安として2~3万円が相場です。

・手付金
一般的には購入代金の5~20%前後を売買契約成立時に売主に支払います。この手付金は売買代金に充当され、万が一契約を解除する際には買主が売主に支払うと契約解除できます。

・仲介手数料
仲介会社を通して不動産を購入する際、仲介会社に支払う手数料です。上限価格は物件価格の3.24%+64,800円です。3,000万円の物件を購入する場合の上限価格は、3,000万円×3.24%+64,800=1,036,800円です。

・不動産取得税
住宅購入の際に土地と建物それぞれにかかる税金で、不動産の価格(固定資産評価額)に税率3%を掛けて計算します。二世帯住宅の場合は減額されるケースもあります。詳細は「4-2.税制メリットを享受できる」を参考にしてください。

・ローン借入費用
住宅ローンを申し込む際に必ず必要な費用です。具体的な費用は借り入れを行う銀行によって異なります。

3-2.購入後にかかる費用

・水道負担金…新たに水道を利用する際に水道局に納付するお金のことで、上下水道から水道管を引くための費用です。別名水道加入金、給水分担金とも言います。費用は3万円~40万円前後と自治体によってその額は大きく異なります。

・家具購入費用…新居に入居するにあたり、新たに家具の購入が必要な場合、上乗せして見積もっておきましょう。

・引越し費用…現在の住居から引越しする際の費用です。荷物量と移動距離、引越し会社によって費用は異なります。

4.二世帯住宅の購入価格以外の金銭的メリット

二世帯住宅を購入することで、いくつかのメリットを享受できます。購入時には建築費用や物件価格に目が行きがちですが、それ以外のメリットも頭に入れて検討するといいでしょう。

4-1.購入費用、生活費を折半できれば一世帯当たりの負担は安くなる

二世帯住宅の場合、見かけの建築費や物件価格は単世帯住宅よりは割高に見えますが、支払いも二世帯でできる場合、一世帯あたりの費用はお得といえます。4,000万円の住宅を購入しても、費用の負担を折半すれば、各世帯2,000万円の負担で済みます。

また、完全同居型や一部共有型の場合、購入後に月々発生する電気代やガス代と言ったランニングコストも折半できるのが、単世帯との違いです。毎月の負担で見ると少しだけでも、数年~数十年積み重ねると大きな違いになります。

4-2.単世帯で居住するより税金が割安になる

・不動産取得税の軽減
不動産取得税は、不動産の価格(固定資産評価額)に3%の税率に掛けて計算します。新築住宅は不動産価格から1,200万円の控除されるうえ、二世帯住宅の場合は控除が2戸分受けられるためお得です。

つまり4,000万円の二世帯住宅を購入した際の不動産取得税は、4,000万円-(1,200万円×2)=1,600万円×3%=48万円と算出できます。

・固定資産税の軽減
住宅の固定資産税は、土地と建物の両方に適用されます。どちらも二世帯住宅ならではの、節税メリットを享受できます。
(a)土地の固定資産税
固定資産税は、固定資産税評価額に1.4%の税率を掛けて計算します。住宅用地は200㎡までの部分を1/6に軽減し、税率を掛けて算出します。こちらも二世帯住宅の場合は二戸分軽減されるため、軽減範囲は200㎡×2=400㎡まで適用されます。

固定資産税評価額が3,000万円の場合、3,000万円×1/6=500万円×1.4%=70,000円と算出できます。

(b)建物の固定資産税
延床面積120㎡以内の新築物件の場合、建築後3年間は固定資産税が半額になります。軽減も二戸分が適用されることで、最初の3年間は120㎡×2=240㎡まで軽減措置を受けられます。

まとめ

二世帯住宅の購入を検討する際の価格について、事例やデータを基に解説してきました。あなたが描いている二世帯住宅を購入するために必要な費用はイメージいただけたでしょうか?
最も大きな建物の購入費用を、改めて以下にまとめます。

【新築の場合】
・完全同居型=2,880~3,480万円
・一部共有型=3,360~3,960万円
・完全分離型=3,660~4,260万円

【中古の場合】
・築年数、間取り、立地によりバラバラ

【リフォームする場合】
・1,000~1,500万円前後

住宅購入は大きなお金が動くため、購入を検討する際には二世帯の家族間での相談が不可欠です。家族の誰かが不満を残したまま意志決定を進めてしまうと、住み始めてから「こんなはずではなかった…」ということになりません。

そこで、今回ご紹介した価格を基に家族のライフスタイルにマッチする二世帯住宅のタイプを話し合い、実際に住宅メーカー、工務店から見積もりを頼んでみてください。満足のいく住まいを手に入れられることをお祈りしています。