狭くても快適!狭小住宅の間取り例9選と空間を活用する3つの工夫

模型の家

「小さな土地に家を建てたいが、どんな間取りが実現できるだろう?」「十分な居住空間を確保できるのだろうか」

気になるところですよね。

土地は小さかったとしても、家を建てるとなると大きな決断。居住するのに不便さを感じないい間取りとしたいですよね。

狭小地に家を建てる場合は、間取り以外にも限られた空間を最大限に活用する工夫が必要です。

具体的に検討する過程で家族との相談、工務店・住宅メーカーと相談の準備のためにも、現実的にどのような間取りが可能なのか、どんな工夫ができそうか事前に把握しておきたいですね。

そこでこの記事では、狭小住宅の間取りについて、実際の建築事例を紹介していきます。

限られた空間を有効活用している事例から敷地面積10坪以下~30坪程度の間取り事例を集めてみました。

さらに、狭いながらも居住スペースを確保するための工夫や狭小住宅だからこそ気を付けたい注意点も併せて解説しています。

最後まで読むことで、検討している坪数で狭小住宅を建てる際に実現できる間取りや、気を付けた方が良いことをまとめてご理解いただけるでしょう。

この記事を読んでから工務店やハウスメーカーに相談すれば、より自信を持って設計打ち合わせすることができると思います。ぜひ参考になさってください。

1.狭小住宅の具体的な間取り例9選

木の住宅模型

ここでは狭小住宅の施工例をいくつかご紹介していきます。

事例を参考にすることで、あなたが検討している敷地で実現可能な間取りのイメージが膨らむと思います。ご自身の住宅にアイデアを生かすことができるでしょう。

9つの事例を集めてみました。ぜひ参考になさってみてください。

(1)3階建て-延床面積22.3坪

【1F】

実例1平面図1階

【2F】

実例1平面図2階

【3F】

実例1平面図3階

【ロフト】

実例1ロフト階

1階に玄関、駐車場・駐輪場と水回り、2階に主寝室と子供室を配置しています。各階とも長い廊下は作らずに、階段の踊場から各部屋に入るようにスペースを有効利用していることがお分かりいただけるでしょうか。

3階にLDKを配置し、見晴らしと日照を確保しています。

この間取り事例のように、密集地に住宅を建てる場合、上階にLDKを配置するのは一つのアイディアです。上階のほうが日照を比較的確保しやすく、明るい空間が確保できます。

明るく風通しが良いリビングのほうが気持ちよく家族のコミュニケーションが活発になるだろう、というわけです。

概要

敷地面積 32.97㎡(9.9坪)
建築面積 22.7㎡(6.9坪)
延床面積 73.6㎡(22.3坪)

(参考)狭小住宅の間取り・3階建てのプランならT&W(ティーアンドダブリュー)

(2)3階建て-延床面積26.3坪

【1F】

実例2平面図1階

【2F】

実例2平面図2階

【3F】

実例2平面図3階

2階のLDKに大きな開口部が設けられ、光や風を取り込める解放感あふれる間取りです。

また、リビングやキッチン部分には壁面収納を設置したり、螺旋階段によって空間を有効活用していることが分かります。

狭小住宅の間取りを考える際に、螺旋階段の活用も検討したいポイントと言えます。階段の面積を小さくすることができるため空間を有効活用する手段の一つです。

概要
敷地面積 76.3㎡(23坪)
建築面積 45.5㎡(13.7坪)
延床面積 86.85㎡(26.3坪)
(参考)狭小住宅の間取り・3階建てのプランならT&W(ティーアンドダブリュー)

(3)2階建て-延床面積18坪

実例3平面図

夫婦2人暮らしを想定した住宅です。洗面脱衣所、キッチン、バルコニーを2階にまとめて設置し、家事動線を短くできることは狭小住宅ならではのメリットと言えます。

2人暮らしで部屋数を必要最小限でよいと割り切れれば、18坪の床面積でも十分に快適な空間を確保できます。

概要
1F床面積 9坪
2F床面積 9坪
延床面積 18坪
(参考)都市工房

(4)3階建て-延床面積43.9坪

実例4外観パース

実例4平面巣

20坪と限られた敷地面積ながら、3階建ての二世帯住宅として設計されている例です。

1階が親世帯、2・3階が子世帯住宅。浴室やキッチンなどの水回りは両世帯(1階と2階)に設置され、完全分離型のプライバシーが確保された設計です。

20坪の敷地でも二世帯分の設備を確保している例として、二世帯住宅を検討中の方に参考になると思います。

概要
建築面積 63.76㎡(約20坪)
延床面積 145.31㎡(約44坪)
(参考)狭小住宅の間取り・3階建てのプランならT&W(ティーアンドダブリュー)

(5)平屋-延床面積21.86坪

実例5平面図

2人向けの2LDKの平屋住宅の事例です。夫婦別寝室(洋室と和室)ながら、引き戸1枚で仕切られているため、程良い距離感を保つことができる設計です。

寝室からトイレ・浴室・洗面所へのアクセスが良く介護にも向く間取りです。ゆったりした空間は一部の居室で確保し、生活動線自体はコンパクトに保つことできることは狭小住宅のメリットといえるでしょう。

概要
建築面積 73.90㎡
延床面積 72.25㎡

(6)3階建て-延床面積22.8坪

実例6平面図1階

実例6平面図2階

実例6平面図3階

1階は光が入りにくいため、寝室にしています。明るさと風通しを確保できる2階にLDKを設置し、3階の子供部屋に出入りする際は必ずリビングを経由します。

リビングが生活動線の中心となり、家族全員の顔が見やすくコミュニケーションしやすい間取りです。

子ども部屋への出入りの様子を把握しておきたいというご家庭は参考になさってみてはいかがでしょう。

概要
1F床面積 8.15坪
2F床面積 8.15坪
3F床面積 6.52坪
延床面積 22.82坪
(参考)都市工房

(7)3階建て-延床面積28.1坪

実例7平面図1階

実例7平面図2階

実例7平面図3階

1階には納屋とウォークインクローゼットを配置し、大容量の収納を確保。2階にダイニング・キッチン、浴室を集約し、家事動線が短くなっています。

3階には寝室と洋室があり、洗面所とトイレもしっかりと確保されているのは便利なポイントと言えます。

建物が正方形に近い形で、廊下がほとんどなく無駄なスペースがありません。また、各階の役割が明確に分担され、生活動線がよくまとまった設計といえるでしょう。

概要
敷地面積 71.49m²(約21.63坪)
延床面積 92.88㎡(約28.1坪)
(参考)桧山建工

(8)2階建て-延床面積27.0坪

実例8平面図

1階は全ての動線をLDKに集中させ、南向きのため陽当たりも良好。キッチンも対面式のため家族の顔が見やすい設計で、コミュニケーションを増やせそうです。

2階は大きな寝室を2部屋設置し、10.5帖の寝室はドア・机ベッド・収納を2つずつ設けたことで、家族が増えた場合は2部屋に分割可能です。

子供がまだ小さい家族なら、子供の成長を見据えて柔軟性のある間取りにすることも考えてみましょう。

概要
1F床面積 44.71㎡
2F床面積 44.71㎡
延床面積 89.42㎡(27坪)

(9)2階建て-延床面積28.7坪

実例9平面図

リビング部分は決して広くありませんが、吹き抜けが明るさと開放感をもたらします。

また、2階のワークスペースは将来的に家族が1名増えた場合は、間仕切りを設置して洋室にすることもできる設計です。広めのウォークインクローゼットを確保し収納量も確保しています。

空間が限られているため、隣家との位置関係によっては室内が暗くなりがち。吹き抜けをうまく取り入れるのは開放感のある空間つくる一つのアイディアです。

概要
1F床面積 51.90㎡
2F床面積 42.85㎡
延床面積 94.75㎡(28坪)

2.狭小住宅のスペースを最大限に活用するための3つのポイント

整理された収納棚

ここまで実際の間取りを取り上げてきました。あなたの考えている土地にはどの間取りが実現可能か、具体的にイメージいただけたましたか?

次にこの章では、狭小住宅を実際に建てる際、居住空間を快適にするための工夫のポイントを詳しく見ていきましょう。

空間を活用するためのポイントを3つに絞って、実際の活用事例とともに解説していきます。

2-1.空間を完全に区切らない

スペースを有効活用するための方法の1つは、間仕切り壁をなるべく作らないことです。

狭小住宅の場合はただでさえ使える空間が限られているため、寝室などのプライバシーを保ちたい部屋以外は、極力間仕切りで仕切らないことをおすすめします。

工夫の1つとしてスキップフロアはおすすめです。2階建ての住宅でも3層の空間を確保できるなど、実際の面積以上に居住や収納に使うことができるからです。

(例)スキップフロア

中2階

(参考)重量木骨の家

例えば1階と2階の間に中2階を作ることで、高さ方向を有効活用して居住スペースを作ったり、フロア下部に収納可能な空間を作ることができます。

無駄のない空間活用で収納スペースを確保したい場合などにはおすすめです。

2-2.デッドスペースを有効活用する

壁収納

狭小住宅では、デッドスペースを上手に活用することを考えてみましょう。家具は極力置かずに収納できれば居室空間を広くできます。

特に壁や階段下などのデッドスペースを有効活用しましょう。ここでは活用事例をいくつかご紹介します。

【壁を有効活用している事例】

(1)スキマを見逃さずに収納として活用

少しの空間でも貴重な収納スペースに。

隙間収納

(参考)暮らし二スタ-狭小住宅の片づく収納計画のコツ

(2)壁いっぱいにシェルフを造りつけて収納に活用

造り付けのシェルフをつければ、家具を最低限に減らして居住空間を広く確保できます。

壁収納

(参考)暮らし二スタ-狭小住宅の片づく収納計画のコツ

【階段下を有効活用している事例】

(1)階段下の空間はキャビネットに

開閉式のキャビネットにすることですっきりと収納できます。

階段下収納

(参考)houzz.jp

(2)玄関近くの階段下は下駄箱に最適

階段下収納

玄関近くの空間は下駄箱として活用できます。

(参考)homify.jp

2-3.半地下室、地下室を設ける

限られた土地に家を建てる場合、半地下・地下室の設置を検討してみましょう。地下空間をつかうことでさらにスペースを確保できるからです。

3階建てやロフトの設置など、建物を地上に伸ばす計画は、敷地条件によっては建築物の高さ制限に触れることがあります。この場合地下室を検討することが有効な手段のひとつです。

地下室

(参考)SUVACO

また、地下室は一定の条件の範囲内で、容積率に算入しなくてよいというメリットがあります。

・地階(地下室)の床から地盤までの高さが、その階の天井の高さの3分の1以上
・天井が地盤から1メートル以下
・住宅の用途に供するもので、同建築物の床面積合計の3分の1以下

狭小住宅が十分な居住スペースを確保したい場合、地下室の設置はとても有効です。

もし地上階のみでは十分な間取りの確保が難しいといった場合は、地下室または半地下室の導入も検討してみるといいでしょう。

3.狭小住宅を建てる際に知っておくべき3つの注意点

チェックリスト

ここまで狭小住宅の間取りや、空間を有効活用するコツを解説してきました。具体的にスペースを有効活用していくイメージができたでしょうか。

ここでは狭小住宅の建築に際して注意したいポイントを3つご紹介します。間取りへのこだわりや、空間の有効利用に気を取られて、根本的なことが後回しになりがちだからです。

ここでポイントを抑えて、狭小住宅を検討する際の参考材料にしてください。

3-1.敷地境界線から建物外壁まで50センチ以上の空間が必要

民法第234条で「建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない」と定められています。外壁のメンテナンスや室外機を設置する必要があることが理由です。

狭小住宅の場合、限られた敷地に建物の面積を最大限に取りたいというケースも多いかと思いますが民法のこの条文をふまえて設計する必要がありますから忘れないでください。

3-2.防音の工夫が必須

もし、家を建築する土地が密集地の場合、「音」が大きな問題の一つになります。外部から入ってくる音、自分の家から外に漏れる音に十分配慮する必要があります。

特に狭小住宅の場合は、外壁が隣家と近接する可能性が高いため、防音対策は必須といってもよいでしょう。

対策の一つは開口部の防音対策をしっかり行うこと。具体的には二重サッシとすることです。窓は壁よりも薄く、最も音が通過しやすい部分だからです。

(参考)【二重サッシ・内窓で防音】こんな騒音に困っていませんか?!-ガラス窓専科MARUSHOYA

せっかく家を建てて長く住むのでしょうから、音を気にせずに過ごしたいもの。ぜひ開口部の防音対策を検討してください。

3-3.土地やエリアの制約に従う必要がある

狭小敷地で多くの居住スペース確保するためには、家を高さ方向に多層にすることが必然になります。しかし思い通りにスペースを確保できないこともあります。

その土地によって、条例等で制約がある場合があるからです。ここでは制約になりうる要素を3つご紹介します。

○建ぺい率
建ぺい率とは、敷地に対する建築面積の割合で、用途地域ごとにその限度の数値が定められています。
建ぺい率=建築面積÷敷地面積×100で算出します。
例えば、建築面積が50㎡、敷地面積が80㎡の場合、50㎡÷80㎡×100=建ぺい率62.5%です。

○容積率
容積率とは、敷地に対する延べ面積(各階の床面積の合計)の割合です。都市計画によって決められた数値、前面道路の幅員によって定められた数値の、いずれか小さいほうの数値が容積率の限度として適用されます。
容積率=容積対象延べ面積÷敷地面積÷100で算出します。
容積対象延べ面積が120㎡、敷地面積が80㎡の場合、120㎡÷80㎡×100=容積率150%となります。

○高さ制限
市街地における住環境保護や日照確保のために、建物に高さ制限が定められています。例として、第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域内ですと、場所によって絶対高さが10m、または12mと都市計画で定められています。

建設予定地でのこれらの制限がどうなっているのかは行政の都市計画担当課で確認することができます。

ただし、これらの建築関係法令や条例は難解なものも多いので建築士などの専門家に調べてもらうのがよいでしょう。

これから土地を購入するという場合、必ず確認するようにしてください。

4.まとめ

いかがだったでしょうか。9つの狭小住宅の事例と居住空間を広く確保する工夫など、狭い住宅でも工夫次第で広く豊かな空間を創ることが可能だということがお分かりいただけたましたか?

具体的な間取り事例の他にも、以下の内容をご紹介させていただきました。

狭小住宅でスペースを確保するための工夫として、

・空間は完全に仕切らないこと
・デッドスペースを活用すること
・半地下、地下室を設けること

狭小住宅を建てる際の注意点として、

・敷地境界線から建物外壁まで50センチ以上の空間を設けること
・防音の工夫が必要なこと
・面積、高さに制限があること

ここでご紹介した内容を十分に把握した上で、家族での相談や工務店・住宅メーカーとの相談をしてみてください。快適な住まいを手に入れて豊かな毎日を過ごせることを祈っています。

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