2018年ゼロエネルギー住宅(ZEH)のデメリット・メリットも詳説

ゼロエネルギー住宅

ゼロエネルギー住宅は快適で環境に優しい家と言われていますが、デメリットは存在しないのかと疑問に思うことはありませんか?

ゼロエネルギー住宅について調べているとメリットはたくさん見えてきます。けれども、デメリットも漏れなく全部把握できれば、ゼロエネルギー住宅についてより正しい判断ができそうですね。

そこで、2018年最新のゼロエネルギー住宅のデメリットについて考え、わかりやすく解説します。さらにメリットと気をつけるべき注意点も併せてお伝えします。

ゼロエネルギー住宅の全体像がしっかり理解でき、ゼロエネルギー住宅を建築する/しないなどの判断にこの記事がお役に立てば幸いです。

1.2018年ゼロエネルギー住宅(ZEH)のデメリット5つ

デメリット

ゼロエネルギー住宅(ZEH)のデメリットは5つあります。誤った判断をしないためにも、しっかり把握しておきましょう。それでは、これから解説していきます。

1-1.初期投資がかかる

ゼロエネルギー住宅(ZEH)は一般住宅に比べて初期投資がかかります。

それはゼロエネルギー住宅にするために3つの必要条件を満たさないといけないからです。
その3つの条件とは以下になります。

1. 高断熱:高断熱建材を使う
2. 省エネ:暖房・冷房・換気・給湯・照明の消費量を20%削減する
3. 創エネ:太陽光発電を設置

ゼロエネルギー住宅図説

 

出典:平成 27年12月「ZEHロードマップ検討委員会とりまとめ」(経済産業省)

これらの要件を満たすためにかかる初期投資の費用はだいたい「250万~300万円」と言われています。

これは一般社団法人環境共創イニシアチブ(*ZEH支援事業の補助金の執行団体)の審査第二グループ長の高橋和道氏が2015年11月14日の朝日新聞で言及しています。

ゼロエネルギー住宅(ZEH)は一般住宅に比べて初期投資費用がおおよそ250万円〜300万円余分にかかることをしっかり念頭に入れておきましょう。

参考:一般社団法人環境共創イニシアチブ(略称「SII」)の高橋和道・SII審査第二グループ長
「多くの家庭が、250万~300万円かけて実際にZEH化を達成している」(2015年11月14日朝日新聞記事)

1-2.太陽光発電のメンテナンス費用がかかる

太陽光発電パネル

太陽光発電システムは定期メンテナンス費用(相場価格2万円/回)がかかります。

太陽光発電は日常生活でほとんど目に触れない屋根の上にあるので、定期メンテナンスをしないと損傷発生に気づかずに放置してしまい、徐々に発電効率が落ちるリスクが高まるからです。

よくある事例として下記があります。

・外部からの飛来物でガラスが割れるなどの損害(大雨、強風などの悪天候等)
・日中と夜間の寒暖差でハンダにヒビわれが生じ電気が通らない
・経年劣化などによるパネルの微細なヒビで発電量下落

太陽光発電システム保守点検ガイドラインには、定期メンテンナンスの目安は導入1年目に点検、それ以降は4年に1度の点検、と記載されています。

資源エネルギー庁もこのガイドラインを参考にして着実に保守点検及び維持管理を実施するよう奨めています。

太陽光発電の発電効率を維持するために、導入1年目、それ以降は4年に1度の定期メンテナンス(相場価格2万円/回)が必要であることを覚えておきましょう。

参考:資源エネルギー庁(2017年3月)事業計画策定ガイドライン P21より
参考:日本電機工業会・太陽光発電協会技術資料 太陽光発電システム保守点検ガイドライン より

1-3.太陽光発電のパーツ交換費用がかかる

太陽光発電システムはパーツ交換費用がかかります。

なぜなら、パワーコンディショナー、電力メーターの寿命が10年〜15年前後といわれているからです。

太陽光発電システム保守点検ガイドラインにも、電力メーターは壊れていなくても10年〜15年経過したら交換するよう記載されています。具体的な交換費用は以下になっています。

パワーコンディショナー交換(相場価格20万円〜30万円)
電力メーターの交換(相場価格 5万円〜10万円)

太陽光発電システムはパーツ交換費用がかかることを理解しておきましょう。

参考:資源エネルギー庁(2017年3月)事業計画策定ガイドライン P21より
参考:日本電機工業会・太陽光発電協会技術資料 太陽光発電システム保守点検ガイドライン より

1-4.発電量にムラがある

太陽光発電の発電量にはムラがあります。なぜなら太陽光発電の発電量は、日射量によって大きく違うからです。

晴れた日や日中、夏場は日照量も多くなるので発電量は増えます。逆に曇りや雨の日、夜間、冬場は日照量が少ないので当然発電量は少なくなります。

発電量にはいつもムラがあり安定していないことも覚えておきましょう。

1-5.家の設計に制限が出る

ゼロエネルギー住宅(ZEH)には家の設計に制約がでます。それは、高断熱、省エネ、創エネの3つの条件が最優先されるからです。

リビングに大きな窓を入れて開放感ある部屋にしたいと思っても、窓の開口部が最もエネルギーが逃げやすいため、高断熱を優先するとどうしても窓の「大きさ」や「位置」に制約をかけざるを得ません。

ソーラーパネルも創エネ効率優先で設置されるため屋根のデザインも思い通りに決められないことがあります。

ゼロエネルギー住宅(ZEH)の家は高断熱、省エネ、創エネの3つが必須条件なので窓や屋根の設計に制約があることも理解しておきましょう。

2.ゼロエネルギー住宅(ZEH)のメリット 6つ

よいところ

ゼロエネルギー住宅にはデメリットだけではなく当然ですがメリットもあります。それでは最新メリット6つについてもこれから解説していきます。

メリットも併せて理解することでゼロエネルギー住宅について更に正しい認識が深まるようになります。

2-1.光熱費が抑えられる

ゼロエネルギー住宅(ZEH)では一般住宅と比較して光熱費が抑えらます。

ゼロエネルギー住宅(ZEH)は、断熱を高め、暖房・冷房・換気・給湯・照明などのエネルギー消費を20%削減、更に太陽光発電などで発電した電力で自家消費できるからです。

一般住宅でかかっていた光熱費を抑えられるのはゼロエネルギー住宅(ZEH)の魅力です。

ゼロエネルギー住宅の図説

出典:経済産業省 ZEH普及に向けて〜これからの施策展開〜

2-2.夏は涼しく冬は暖かい

ゼロエネルギー住宅(ZEH)は、夏は涼しく冬は暖かいとても快適な家です。

それは冬場に家の外に逃げる熱と夏場に家の中に入ってくる熱を防いでくれる高断熱の家だからです。

直射日光や雨風にさらされる外側の窓枠は厳しい環境にさらされるため耐久性の高いアルミ樹脂を、内側の窓枠は室内窓のフレームは熱を伝えにくい樹脂素材を使用しています。そして窓ガラスも2枚や3枚の複層ガラスにしてより断熱性能を高めています。

外壁については断熱性能が高いグラスウールなどを使用してより高断熱仕様になっています。

外皮平均熱貫流率

出典:経済産業省 ZEH普及に向けて〜これからの施策展開〜

*外皮平均熱貫流率(UA値)は、住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値です。

2-3.補助金がもらえる

ゼロエネルギー住宅(ZEH)を建てると補助金がもらえます。

環境省・国土交通省・経済産業省の3省連携のZEHゼッチ支援事業(補助金)制度があり、これまでの補助金額は下記になっています。

平成28年度:定額150万円
平成29年度:定額75万円
平成30年度:定額70万円

更に蓄電システム(定置型)を設置すると以下補助金も申請できます。

蓄電システムの補助額 : 初期実効容量3万円/kWh
蓄電システムの補助額上限 : 補助対象経費の 1/3、又は、30万円のいずれか低い金額

ゼロエネルギー住宅(ZEH)を建てる時は補助金を活用しましょう。

*補助金について詳細と申請窓口は執行団体である一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)となります。

2-4.資産価値が高い

ゼロエネルギー住宅(ZEH)は資産価値が高くなります。それはBELSで最高の5つ星の認定を受けられるからです。

BELSとは国土交通省が定めた「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」に基づく第三者認証制度の一つです。

わかりやすくいうと、BELSは省エネの家かどうかを5段階の星マークで格付評価している国の機関です。

平成29年4月からは、ゼロエネルギー住宅(ZEH)の基準を満たした住宅には『ZEH』マークも付与されるようになっていることから、ゼロエネルギー住宅が優良住宅として高い位置付けになってきているということがわかります。

5つ星のゼロエネルギー住宅(ZEH)は資産価値が高いことも覚えておきましょう。

ゼロエネルギー住宅の概念図

出典:経済産業省

*ZEH表示については、住宅性能評価・表示協会にてご確認ください。

2-5.地球に優しい

ゼロエネルギー住宅(ZEH)は環境に優しい家です。

それはエネルギーの消費が少なく太陽光などの再生可能エネルギーを利用しており二酸化炭素の排出量が少ないからです。

ゼロエネルギー住宅(ZEH)は地球温暖化抑制に社会貢献できるエコな家ということです。

2-6.災害に強い

ゼロエネルギー住宅(ZEH)は災害に強い家と言われています。

なぜなら災害時に停電になったとしても蓄電システムを備えていれば電気を供給できるので生活に必要な電気機器を稼働させることが可能だからです。

いざという災害時にとても心強い家ですね。

3. ゼロエネルギー住宅(ZEH)の注意点3つ

注意点!

ゼロエネルギー住宅(ZEH)の直接的なデメリットではないけど、より正しい判断をするためにも知っておいた方がいい注意事項が3つあります。詳しくはこれから解説していきます。

3-1.売電価格は下がっている

売電価格は下がっています。それは太陽光の買取価格が年々引き下げられているからです。

平成24年FIT法施行当時は42円/kwだった価格も、現在、経済産業省から発表されている住宅用太陽光(10kW未満)の買取価格は以下年々減少しています。

平成29年度:28円/kw〜30円/kw
平成30年度:26円/kw〜28円/kw
平成31年度:24円/kw〜26円/kw

太陽光発電で売電収入は少なくなっているので、収入をあてにしている方は注意が必要です。

調達価格の見直し①

出典:平成29年 3月「改正FIT法による制度改正について」P21(経済産業省)
参考:平成30年3月23日(金)発表経済産業省
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度の2018年度の新規参入者向け買取価格及び賦課金単価等」

3-2.10年後の売電は自由契約

ゼロエネルギー住宅(ZEH)を建てて10年目以降の売電は自由契約になります。

なぜなら、国が保証する「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の買取保証期間は10年間のみだからです。

これは2017年4月施行された「改正FIT法」で決定しております。

つまり、買取保証期間の10年間は一定価格で買い取ることを国が保証してくれますが、この期間を過ぎると、自分で電力会社と自由契約し売電しなければなりません。

買取期間終了後の売電の便益として、現時点においては 11 円/kWh 程度を想定することと話し合われてはいましたが、実際はまだ確定はしておりません。

10年目以降については国が買取保証をしてくれないので、売電をする時は自分で電力会社と自由契約しなければならないことを忘れないでください。

参考:経済産業省 調達価格等算定委員会 平成28年度調達価格及び調達期間に関する意見 P4

3-3.平成31年度ZEH補助金の予算成立していない

ZEH

平成31年度(2019年)のZEH 支援事業(経済産業省及び環境省担当分)の補助制度の予算は成立していません。

補助金や条件などの概要は、例年からすると、予算成立後の平成31年4月ごろの確定となる見込みです。

平成31年度のみならず、年度ごとに変更が予想されるので補助金申請を検討する際に事前チェックしてください。

ちなみに、平成31年度の補助金額については、ほぼ平成30年度のものと同じ内容で進めているというお話です。(平成30年10月11日、環境省ZEH事業窓口に確認)

いづれにしても、平成31年度ZEH補助金の予算はまだ成立していないことに注意が必要です。

4.ゼロエネルギー住宅(ZEH)おすすめできる人、できない人

おすすめ

ここでは、ゼロエネルギー住宅(ZEH)のデメリット、メリット、注意点を総合的に判断して、ゼロエネルギー住宅(ZEH)に向いている人、向いていな人はどのような人なのかまとめました。

①ゼロエネルギー住宅(ZEH)をおすすめできる人

資金面で余裕がありお金がかかったとしても、一年中快適な家、夏は涼しく冬は暖かい家、地球に優しい家、災害に強い家に住みたいと思っている人には向いています。

なぜなら、ゼロエネルギー住宅(ZEH)は、快適な家ではあるけれども、一般住宅に比べて初期投資がかかるだけでなく、将来的にも維持費費が発生するからです。

②ゼロエネルギー住宅(ZEH)おすすめしない人

予算が限られている人、一般住宅よりも資金をかけたくない人、売電収入で得したいと思っている人には向いていません。

なぜなら、ゼロエネルギー住宅(ZEH)は、一般住宅に比べて初期投資がおおよそ250万円〜300万円ほど余分にかかるだけでなく、将来的にも維持費が発生するからです。そして、売電価格も下落傾向にあり、国が保証する固定買取制度が 10年までだからです。

5.まとめ

まとめ

最新ゼロエネルギー住宅(ZEH)のデメリットは下記5つになります。

1.初期投資がかかる
2.太陽光発電のメンテナンス費用がかかる
3.太陽光発電のパーツ交換費用がかかる
4.発電量にムラがある
5.設計に制限が出る

さらに、メリット、注意事項も紹介したので、ゼロエネルギー住宅(ZEH)を建てるか/建てないかなどの判断の手掛かりになれば幸いです。

▼次にぜひお読みいただきたい記事です!▼

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